介護嫌いの介護職採用担当
リクルーターキャリアの中で間違いなく大きな転機となった介護職採用。
エンジンがかかった瞬間を明確に覚えていますのでそのときのことを書いていきます。
加えて、介護に対する偏見などがまだまだ蔓延しているようにも感じていますので、すべての施設がそうではないということもお伝えすることができれば嬉しいです。
はじまり
数年前、介護職の採用担当に任命されました。
世の中の介護職不足は自社でも例外ではなく、かなりの欠員数をかかえていました。
特養(特別養護老人ホーム)の介護職採用をメインとし、その他にも老健(介護老人保健施設)や訪問介護事業所なども担当するとのこと。
介護職以外にも福祉施設の職種はすべて担当することになりました。
ここで特養と老健の違いを掲載しておきますね!
特別養護老人ホーム
通称 特養
入所条件は要介護3以上。終の棲家ともされる場所になります。
介護老人保健施設
通称 老健
在宅復帰を前提に入所します。リハビリ目的になります。
めちゃくちゃ建前かつ簡潔に説明するとこんな感じです。特養は住むところ、老健はリハビリや医療行為もありながら在宅復帰を目指すところ。そんな感じです。
前任者からの引継ぎ時、圧倒的に不足している介護職数を目の前にし、呆然としたことを覚えています。
しかも当時の私は介護=3K(きつい 汚い 危険)
この認識でした(笑)
採用担当としてはあるまじき認識ですが、介護に対しての知識がなかったため、世の中の情報そのままインプットしていたんだと思います。
たしか当時5施設の特養で35欠とかでした。
しかも夜勤できる正社員を採用しなければいけない。
介護に対しての理解もない。
まさにカオス状態でした。
そして初めての顔合わせ
各施設長たちにあいさつに行く際、勝手に暗いイメージをもっていましたが、とても明るくお迎えしていただいたので少し驚きました。
現場を案内していただくと、
介護職の方々がめちゃくちゃ明るい!
挨拶も結構遠くからしてくれる!
何より入居者さまに対しての対応が素晴らしい!
笑顔でいきいきと働いている姿にちょっと心打たれました。
そして何も知らずに、知ろうとせずに3Kという認識を持っていた自分自身に恥ずかしくなりました。
たしかにメディアでは介護施設での事件や待遇などの情報が取り上げられていますので、すべての事業所が良い事業所ということはないと思います。
逆に言えばすべての事業所が3Kということでもない。それってどの業界でも同じじゃないか?とも思ったんですよね。
そんな風にイメージを変えてくれた現場スタッフのみなさん。
入居者さんとの関りが楽しくてしょうがいないと語ってくれる施設長。
一瞬で介護のことが好きになりましたし、この人たちのために頑張ろう!となりました。(単純)
帰り際、施設長にどんな教育をしているか、理念を浸透させているかを聞きました。
「自分の親、祖父母をこの施設に入居させたいと思えるか?」
これを全職員がすべての基準にしているという返答が。
めちゃくちゃ感動しました。(単細胞)
・こんなに良い施設なのに人が集まらないのは広報の仕方に問題があるんじゃないか?
・現場の実情をもっと詳しく知るためにヒアリングしよう!
・待遇面の水準はどのくらいかな?
自然とエンジンがかかり、気づけば介護職採用のことばかり!
採用担当者として、クライアントのことを理解するのは当然ですが、すきになることが何よりだと感じました。
※どうしてもすきになれない&理解に苦しむこともありますが、今回その話は置いておいてください
・・・
その後、3年近くかかりましたが無事人員不足を乗り越え、いまでは他施設から採用戦略の質問をいただいたり、メディアに取り上げられるまでになりました。
今回はエンジンがかかった瞬間のお話なので、
どんな戦略立てをして、どう実行したのかはまたいつか気が向いたときに・・・
おまけ
自分自身のキャリアにおいて大きな転機となったことは言うまでもありませんが、いつか自分の祖父母、両親や兄弟が要介護者となった場合のことを考えるきっかけにもなりました。
いまは採用担当から離れていますが、介護施設のスタッフたちとの交流はいまでも続いています。
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