2024年2月の記事一覧
アンソロジー『冬の本』
ぱらぱらとめくる冬もあれば、めくらない冬もあり、この冬は前者。
吉本由美さんの語る佐藤泰志『海炭市叙景』、鈴木理策さんの語る中谷宇一郎『雪』などを久しぶりにみずみずしい気持ちで読む。
自分が選ぶとしたら何だろう、
アーノルド・ローベル『ふくろうくん』
本橋成一『アレクセイと泉』
川瀬巴水の版画とか、
など、本というより絵本・写真集・画集ばかり浮かびます。
小林百合子 野川かさね『山小屋の灯』
写真は野川かさねさん。
繊細で、住民視点のような「本当らしさ」があって、温度や湿度が迫ってくるような現実らしさもあって。
対して小林さんの文章からは、人との距離や山に登るときの心のなか、人間らしさが伝わってきて。
山小屋というと奥多摩のバンガローぐらいしかイメージがなかったのですが、こんな世界があるんだなぁ!と思いました。
二本松から行く「くろがね山荘」が印象に残っています。
山、行ってみた
万城目学『八月の御所グラウンド』
五山送り火が、クライマックスで使われています。
思えばTVシリーズの「京都人の密かな愉しみ」でもそうでした。
とても重いエピソードと絡められてた。
鷲田清一『京都の平熱』と同時に読んでいたので、「大に点を打って犬にして市民の怒りを買った学生」のことがどうしても思い出されます。
(市民でないので、おもしろいと思ってしまいました…)
そんな「犬文字焼き」が頭をよぎっても、それでも夜の場面にはジー
『ワンライフ ミーガン・ラピノー自伝』
世界一になったアスリートなのに、
こんなに共感できるのはなぜだろう。
私を含めたみんなのためにたたかっているからだろうか。
2011年ワールドカップ決勝での「人生最高の」クロスボールを覚えている人も多いはず。
その後のロンドン五輪で優勝し、2015年のカナダW杯も優勝。2019年は、ワールドカップを連覇。
強く、魅力的なアメリカ女子代表の主力として活躍した選手の、少女時代から家族の話、プロとし
アビー・ワンバック『わたしはオオカミ』
綾瀬川くん(ダイヤモンドの功罪)を経たいまとなっては、衝撃のセンテンス
「わたしの能力がほかの選手を傷つけてしまわないよう、75パーセントの力でプレーしていた」
世界一になるようなチームの選手でも、そういうことってあるんですね。
アビーの口から語られるとは。
能力ない人も傷つきまくると思うのですが、誰よりも能力ある人もまた、そうなのか…。
アビーがそこから脱却したエピソードが興味深いです。
瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』
中学駅伝の県大会をめざす男子チームのお話。
という名言に打たれます。
順位がいいのがよい、とは私はあんまり思わないけど、順位さえ上であれば素人も野球部もサッカー部も、たいていのものが許容される懐の深さが、人を惹きつけるのですかね。
6人の男子中学生が出てきます。
瀬尾まいこさんの他の2作に、その後の彼らが登場するらしい。そうなの⁉︎
元教員の瀬尾先生、子どもが本を読むようにそんなしかけを…