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2024年2月の記事一覧

アンソロジー『冬の本』

アンソロジー『冬の本』

ぱらぱらとめくる冬もあれば、めくらない冬もあり、この冬は前者。

吉本由美さんの語る佐藤泰志『海炭市叙景』、鈴木理策さんの語る中谷宇一郎『雪』などを久しぶりにみずみずしい気持ちで読む。

自分が選ぶとしたら何だろう、

アーノルド・ローベル『ふくろうくん』
本橋成一『アレクセイと泉』
川瀬巴水の版画とか、
など、本というより絵本・写真集・画集ばかり浮かびます。

三品さんが気になる

三品さんが気になる

月に1度の美容院の日。
通常は洋服をみて試着したり化粧品を衝動買いしたりするのですが、寒すぎてそんな気分でもなく。

ブックファーストにちょっとだけ寄ってぶらぶらしました。

・三品輝起『波打ちぎわの物を探しに』
平林奈緒美さん新事務所の雑誌記事のところが面白かったです。
三品さんは京都出身なのですね。

・川端康成『古都』
手のひらの京との関連で。なるほど設定に近いものがありますね。
でもおじさ

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小林百合子 野川かさね『山小屋の灯』

小林百合子 野川かさね『山小屋の灯』

写真は野川かさねさん。
繊細で、住民視点のような「本当らしさ」があって、温度や湿度が迫ってくるような現実らしさもあって。

対して小林さんの文章からは、人との距離や山に登るときの心のなか、人間らしさが伝わってきて。

山小屋というと奥多摩のバンガローぐらいしかイメージがなかったのですが、こんな世界があるんだなぁ!と思いました。

二本松から行く「くろがね山荘」が印象に残っています。
山、行ってみた

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綿矢りさ『手のひらの京(みやこ)』

綿矢りさ『手のひらの京(みやこ)』

京都検定で問われたことの答えが、あちこちに散りばめられている。
京都検定のサンプル問題を解いてみたあとだったので、そんなことを考えました。

嵐山、八坂神社、大文字焼き、祇園祭など京都のあちこちと四季が散りばめられ、「京都人の密かな愉しみ」を思わせるところもあります。
とくに、雲水さんが出てきたり宗教がすぐそばにあるところや、ちょっと不思議な世界を思わせる表現。

「京都人の密かな愉しみ」はBlu

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万城目学『八月の御所グラウンド』

万城目学『八月の御所グラウンド』

五山送り火が、クライマックスで使われています。

思えばTVシリーズの「京都人の密かな愉しみ」でもそうでした。
とても重いエピソードと絡められてた。

鷲田清一『京都の平熱』と同時に読んでいたので、「大に点を打って犬にして市民の怒りを買った学生」のことがどうしても思い出されます。
(市民でないので、おもしろいと思ってしまいました…)

そんな「犬文字焼き」が頭をよぎっても、それでも夜の場面にはジー

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私の好きなもの

ゆっくりペースで走ること、本を読むこと、京都。

走る本、京都の本はつい手にとってしまいます。

京都を走ることについての本があったら最強ですね。
万城目学さんの「12月の都大路上下ル」か。大好きです。

しかも、このお話には「あいつら」が出てきますね。
私の京都は「あいつら」から始まっているので、好きなものの集まり具合には驚くばかりです。

絹田村子さんの『数字であそぼ。』にも京都を走るエピソー

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『ワンライフ ミーガン・ラピノー自伝』

『ワンライフ ミーガン・ラピノー自伝』

世界一になったアスリートなのに、
こんなに共感できるのはなぜだろう。
私を含めたみんなのためにたたかっているからだろうか。

2011年ワールドカップ決勝での「人生最高の」クロスボールを覚えている人も多いはず。

その後のロンドン五輪で優勝し、2015年のカナダW杯も優勝。2019年は、ワールドカップを連覇。
強く、魅力的なアメリカ女子代表の主力として活躍した選手の、少女時代から家族の話、プロとし

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紫式部日記を読む

与謝野晶子訳をチョイス。
文章がとても美しい。

アビー・ワンバック『わたしはオオカミ』

アビー・ワンバック『わたしはオオカミ』

綾瀬川くん(ダイヤモンドの功罪)を経たいまとなっては、衝撃のセンテンス
「わたしの能力がほかの選手を傷つけてしまわないよう、75パーセントの力でプレーしていた」

世界一になるようなチームの選手でも、そういうことってあるんですね。
アビーの口から語られるとは。

能力ない人も傷つきまくると思うのですが、誰よりも能力ある人もまた、そうなのか…。

アビーがそこから脱却したエピソードが興味深いです。

瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』

瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』

中学駅伝の県大会をめざす男子チームのお話。

という名言に打たれます。

順位がいいのがよい、とは私はあんまり思わないけど、順位さえ上であれば素人も野球部もサッカー部も、たいていのものが許容される懐の深さが、人を惹きつけるのですかね。

6人の男子中学生が出てきます。
瀬尾まいこさんの他の2作に、その後の彼らが登場するらしい。そうなの⁉︎

元教員の瀬尾先生、子どもが本を読むようにそんなしかけを…

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