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『ワンライフ ミーガン・ラピノー自伝』


世界一になったアスリートなのに、
こんなに共感できるのはなぜだろう。
私を含めたみんなのためにたたかっているからだろうか。

2011年ワールドカップ決勝での「人生最高の」クロスボールを覚えている人も多いはず。

その後のロンドン五輪で優勝し、2015年のカナダW杯も優勝。2019年は、ワールドカップを連覇。
強く、魅力的なアメリカ女子代表の主力として活躍した選手の、少女時代から家族の話、プロとして自立するまで、してからの成長物語。
明け方まで一気に読んでしまう面白さでした。

少女たちのスポーツシーンと家族とのかかわりは、スケートを描いたYAコミック、『スピン!』を少し思い出しました。

読みながら、YouTubeでFIFA TVを再生し、ミーガンのクロスに、突破に、何度も肝を冷やしたことがありありと蘇りました。

日本も2015年までは情け容赦なかった

(しのぎを削った各国代表チームについて
語っている部分より)

うっ、、
2023年ワールドカップでは日米ともにベスト4にも残らなかったことに悲しみを覚えました。
日本語版は2022年に出たのですがオリジナルはコロナ禍に入らんとする2020年に出版されたようです。

トランプに投票する父と口論したり、2000年代のアメリカの家庭の中が垣間見えるところは面白く、かつ共感でき、
傷つきながら社会正義への信念を貫き通す姿には尊敬を覚えます。

ニューディール政策っていうけど、黒人は対象外だったんだよとか、
リバプールFCが抗議で膝をつくまでの間に、こんなことがあったのか、とか、
そうだったのか!と初めて知ることもたくさん。

サッカーに興味がなくても、学業やスポーツを頑張っている人、高校・大学選びを控えている人、恋愛や人間関係に悩んでいる人、みんなに読んでほしい本です。

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