展示が会期延長したのでいろいろ書く

大阪のシカクで開催中の「続・昭和遺産ラブホテル」が、3/17まで会期延長しました。
告知の日数も少なく、来場者数少ないかも……と心配してたけど、ホントに驚くほど好評なので、会期を少し延長しました。
これもひとえにみなさまのおかげです!ありがとうございます!

400枚も写真貼っちゃったし、あんまり表に出ないような資料もたくさん展示しているので、できるだけ多くの人にご覧いただけたら嬉しいなと思っています。感想ツイートなどで応援いただけますと大変、大変嬉しいです。ご協力いただけますと幸いです!

そんなこんなで、そういえば展示に関してあんまり表に出してないなと思ったので、展示を10倍……言い過ぎかな……2倍くらいにしとこうかな……それくらい楽しめるように、あれこれ書いてみました。

「続・昭和遺産ラブホテルの記憶展」のコンセプト

今回の展示、コンセプト的には「スクラップブック」をイメージしています。ラブホの部屋で書き記したメモや写真をスクラップブックのようにまとめた「日記的ノート」と、記録の中から分類して考察した写真とメモを貼る「考察的ノート」を壁にアウトプットした……というのが今回の個人的なテーマです。

ラブホの部屋で書き記したメモと写真は、まぁ、言わば「そのもの」なんですが、そのほかの考察的ノート部分に関してはあえてメモの内容の濃さや量を少なくして、膨大な数の写真を分類して展示しています。分類された写真を眺めることで「見えなかったものが見える」状態にしてたりします。

はじめてすぐのころは、すごいなぁ、素敵だなぁ、もっと見たいなぁという気持ちだけでこういうことをしていましたが、だんだんと記録に残したい気持ちが芽生え、それが蓄積されることで今まで見えなかったものが見えてきました。
それは、見えてわかったとしても「それがどうした」と言わざるを得ないしょーもないことだったりするのですが、これが観察や記録の楽しみ方かなと思うのです。(そして、小さな楽しみを見つける力をつけて積み重ねることが日々楽しく生きる秘訣なのかとも思ったり)

なので、わたしの気付きをメモにたくさん書き込んで貼ってしまうことで、本来あったかもしれない誰かの気付きをなかったことにしたくない、もっと言えば、お膳立てしたから観察を手軽に楽しんでおくれよ〜!という感じです。

「回転ベッドってなんでまわるんですか?」とはよく聞かれることなのですが、ストリップの盆から着想を得たとか、鏡張りとともに様々な角度から行為を楽しんだとかがよく言われる通説です。
実際のところ、そうではあるのでしょうけれど、ホテルオーナーさんに話を聞くと「どうやって使ってたかは知らない」「流行ってるらしかったので置いただけだからよくわからない」とも言われます。
結局のところ、なんかおもしろそうなので作ってみたところ、ユーザーはそれぞれなにかしらで楽しんだのだろうと思うのです。
ラブホテルへ行くための口実にする人、回してみてすぐに止める人、ストリップごっこをする人、回しながら行為をする人……。いろんな楽しみ方でラブホテルという文化を築いてきた人たちと同じように、いろんな角度・視点からこの展示も楽しんでいただけたらな、とも思ったりしています。

……と、ここまで言っても解説くれ!もっとキャプションくれ!とお思いの方。
わたしの気付きはサイトや同人誌に書いてますのでそちらもご参照ください。また、ラブホテルの歴史については井上章一先生の「愛の空間」を読んでいただけたらわかると思います(めちゃくちゃ読みやすいしすごくおもしろい)ので、ぜひ読んでみてください。

シカクと本のはなし

さて、会場の「シカク」は、ZINEやミニコミ・同人誌などを扱う本屋さんです。ギャラリースペースを併設していて、そこでイラストや写真の展示をしていたりしていなかったりします。
わたしはこのシカクでスタッフ(委託事務部長という謎の肩書きまであります)をしているので、この展示中も自分の本を自分でレジ打ちしている日もあります。

今回の展示では、親和性の高そうな本がすごく売れていて、中でもよく手にとっていただく作品・売れている作品をご紹介したいなと思います。展示に来てくださる方は、ぜひこちらも合わせてチェックしてみてください!

昭和街道 / ムサシノ工務店
ムサシノ工務店さんの「昭和街道」は、「消える商店街」「高密度建築群」と2タイトルありますが、どちらも非常に売れています。わたしも両タイトル持っていますが、丁寧で優しい文章と美しくて愛ある写真が素晴らしい本です。西日本の掲載が多く、特に中国地方が多いのも特徴。個人的に中国地方大好きなのもあって、とても好きな本です。

よびだし(キーホルダー・ブローチ) / 卒業生代表
切符売り場とかでよく見かけるアレをモチーフにした雑貨です。卒業生代表さんの雑貨はほんっとにハイクオリティで、路上観察好きにはグッとくるものばかり。ほかの雑貨も最高なのでぜひ手にとって見ていただきたいです。

団地の給水塔大図鑑
シカクの出版部門から発売になった、団地の給水塔大図鑑。日本給水党党首UCさんの著作です。UCさん、シカクと敬愛するメンバーが生み出してくれた奇跡の一冊。給水塔に魅了される人が続出しています。シカクで買うとオリジナルのしおり付き。

八画文化会館(各号)
言わずと知れた名雑誌、八画文化会館。わたしはこの雑誌に良い意味で人生狂わされました。この雑誌がなければ、この活動には至らなかった。念願叶って6号岐阜特集で寄稿させていただきました。嬉しさの極み。ぜひ見てほしいです。

たぬきケーキめぐり / 松本よしふみ
青森在住の松本よしふみさんが日本全国のたぬきケーキを探し、食し、記録する人気シリーズ。真っ二つに割られて食べられるたぬきたちの姿は、なんだかユニーク。可愛いたぬきケーキを淡々と記録するストイックさ、尊敬しています。

ほかにもいろんな本がほんっとにたくさんあるので、ゆっくりご覧になってください。こんな本探してます!みたいのあれば気軽に声かけてくださいね。

シカク周辺のおすすめスポット

シカク周辺は住宅街で、下町の雰囲気が色濃く残る町です。目立ったスポットはないけど、なんだかほっこりする良いところがあるのでぜひ立ち寄ってみてください。

千鳥温泉

脱サラで銭湯店主になった勝五郎さん夫妻が切り盛りする銭湯です。バスタオルやレディースセット(シャンプー・リンス・化粧水・乳液・洗顔)のレンタルもあるので、手ぶらで大丈夫。風呂上がりにはロビーでジュースやお酒を飲んだり駄菓子食べてまったりできます。

豚まんHARU

北港通り沿いにある豚まん屋さん。ここの豚まんが大好きでよく買います。店内でも食べれるようですがわたしはいつもテイクアウト。お酒も飲めるっぽい。お隣の風風のたこやきとからあげもおいしいです。

純喫茶の趣のある「ドール」や「レインボー」、よゐこの濱口さんの実家喫茶店「はまゆう」も徒歩圏内です。また、エアコン室外機やアジトン(ぜひググってみてね)なんかも路上観察好きな方にはおすすめです。

最後に

長々とあれこれ書きましたが、これだけの数の写真を展示したり、資料を展示したり、とにかく昭和遺産ラブホテルの良さや奥深さをぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ〜〜〜っと詰めた展示は後にも先にも今回だけではと思っていますので、気になっている方やラブホテル好きな方に絶対絶対みて欲しいと思っています。

大阪でも「僻地」と言われがちな場所にありますが、来ていただく価値はあると自信を持って言えます。ぜひお越しください。また、会期中に在店している日もあります。お越しの際は気軽にお声掛けいただけましたら嬉しいです。

というわけで、シカクでお待ちしております。残りの会期もどうぞよろしくお願いいたします。

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