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月と呼んだ彼女、今は空に

過去の私には癒やしが必要でした。家にいても毎日緊張して過ごして、外出もなかなか難しく、たまに買い物に行けば帰宅し死んだように眠り続ける。

そんな私のためか、アニマルセラピーを目的にたまたま知り合いの家で産まれた子犬を引き取りました。
小さいとき「犬ほしいー!」とワガママ言ってもダメの一点張りでしたが、あの時は私に癒やしを与えたく家族も必死だったのでしょう。

子犬の名前は私がつけることになりました。どんな名前にしようか?女の子だから可愛いのがいいな~
いろいろ悩んで二つに絞りました

・スピカ
・月

スピカは白鳥座にある星の名前です。月は空にあるあの月ですが読み方は秘密です。

なぜ私が星や月にこだわったのか。それは当時の心境からです。
真っ暗闇にいる私に優しい光が欲しい。たとえば夜道で迷子になっても星や月の光が歩くべき道を知らしてくれるような。

どんなに苦しきときでも
どんなに辛いときでも
このわんちゃんに助けられたい
夜空から道を教えるように

名前は月になりました。家族には「随分とすごい意味を込めたな(笑)愛音らしいけど」なんて言われましたが月はこの子にピッタリ!と思いました。

一緒に生活をしていくと月の凄さを家族みんなが知りました。アニマルセラピー目的とは言ったけれど月は想像を超えたセラピー犬でした。
特別な訓練なんて当然受けてないのに、ただの子犬として招いただけなのに…

月は普段私にはあまり近寄ってきませんでした。撫でても甘える反応は薄くて、嫌われてる?と思ったくらい。
ですが、調子が悪くなると家族が気が付く前にパタパタっ!と走り寄っては体をくっつけたり、手をなめたり、まだ泣いていないのに涙をペロペロしようとしたり、
そんな月を見て家族は初めて私が調子を崩しているのに気が付く。

本当に不思議な優秀セラピー犬でした。

その月も去年セラピー犬の仕事を終えて空に逝きました。私の不調を見抜く天才で家族を癒してくれた。
月、やっぱりアナタは由来どおり真っ暗闇にいた私へ優しい月明かりで進むべき道を教えてくれた。

心からありがとう、ありがとうね

*愛音*

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