
2本の傘が忘れさせないでくれる
こんにちは、愛音です
20歳の時、最愛の母を亡くしました。
母の思い出は山ほどある中で、今日のように雨の日になると蘇るお話があります。
☔☔☔
20歳を祝う誕生日プレゼントを母と2人で買いに行きました。
入退院を繰り返していた母とワクワクしながら買い物に行けることが嬉しくて、嬉しすぎて、完全に舞い上がっていました。
4月の晴天、ぽかぽか日和。
お店をぐるっと一通り回っていくと母がこれがいいんじゃない?と指差したのは【傘】でした。
今は4月、誕生日は5月、翌月は梅雨時期になる。傘を今買うことが連想ゲームみたいで面白く、傘に決めました。
舞い上がってる私は母にこれはどう!?こっちかな!?と沢山聞いてました。しかしふと我に返ると
でも…今の傘はまだ壊れてないからなぁ…
それなら折りたたみ傘にする?
そうだね、そうするよ
そしてピンクの折りたたみ傘を2人で選びました。会計が終わっても私はその場を動きませんでした。その意味を母もすぐに察してくれました。
どの傘が気になってたの?
えー…?ああ…平気だよ
誕生日だよ?20歳のお姉さんになったんだよ?お祝いよ?
うーん…この青いの、綺麗だなと思ってたの…
折りたたみではなく、普通の大きな傘でも私が欲しいと思ったものがあったんです。
でも既にピンクの折りたたみ傘を買っています。だから平気、と言ったのに母はその青い傘を持って会計を済ませました。
ここまで頑張って大きくなった愛音ちゃんへ
お母さんからプレゼントさせてね
こうして私はピンクの折りたたみと大きい青い傘をプレゼントしてもらいました。
あれからもう17年が経とうとしています。
プレゼントしてもらった2本の傘は今も大事で、大事すぎて、使うのを躊躇い、風で折れたらどうしようと思って大雨の時と風の強い時は使わずにいます。
母はこれが最後の誕生日プレゼントになると分かっていたのかもしれません。
だからプレゼントは2つも買うことにして、
傘のようになるべく長く使えるものをプレゼントしたかったのかもしれません。
お母さん、今も大事に大事に2本の傘は使っています。
思い出いっぱい詰まったこのプレゼントは
世界で1番優しくて、世界で1番頼りになる傘です。
*愛音*

人生土砂降り
先が見えない
それはとても不安な気持ち
でも独りきりではないと思うんだ
落ち着いて思い出してみて
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