失敗する姿を見せる支援
こんにちは、愛音です
今回のタイトル「失敗する姿を見せる支援」どういう意味?と首をかしげている方もいるかと思います。ですがこのタイトルに込めた思いは仕事に慣れてきたとき、実際にやっていた方法になります。
なんで失敗したくないのか?
働いていた職場では作業内容によって「失敗したくないからコレはやりたくない、できない」という利用者さんたちがいました。それに対してほかの職員はやるように説得しますが、うまくいかないケースもありました。
利用者さんと職員のやり取りを聞いていると「どうして失敗したくないの?」といったことはほぼ聞きませんでした。
トラウマと劣等感
作業を嫌がる方たちは障害が重たい方が多かったです。軽度の方はコツを呑み込みスピードを上げ作業をしていきます。回りが早いのに自分は遅くて、失敗もする。この状況は障害の有無関係なく居心地が悪い。頑張ろうとしても上手くいかないのも辛いことです。
障害が重たい方は今までの人生で注意をよくされてきたのかも、と考えるようになりました。「さっきも言ったよね」「ちゃんと話を聞いて」「出来ないならやらなくていい」など。褒められるより注意が多かったら自信を得るのは難しいです。トラウマ並みの劣等感かもしれない。
私もできません
そこである方法を思いつきました。それが私もできません。一緒に作業をしてこれやりたくない、無理と言い出す方のところへ行きやり方を丁寧に教えるのではなく「私も自慢するほど上手くないです。ちょっと貸してもらっていい?」隣に行きやって見せます。「やってみたけど、これ上手いと思う?」「なんかここ変だよ!」「やっぱり(笑)じゃあAさん少し手伝ってくれますか?」「えー、職員なのにできないの~(笑)」「うん。私もできない。でもAさんが手伝ってくれたら出来そう!」
お菓子作りはなかなか大変で本当に私も自慢できるほどうまくなかったです。だから真面目にやっても大成功にならない姿を見せると「職員でも出来ないなら…」とちょっと安心したのか次第に苦手な作業も拒否しなくなりました。
成功の秘訣より失敗談を語る
こうすれば出来る、コツはこう、と教えるよりも私の失敗談を語り一緒になって「どうすれば出来るか?」を考えていくと「ちょっとやらせてください」途中で試してみる方もいました。それが成功すれば褒めるし、上手くいかなくても試したことを評価する。職員である私も出来ないという失敗談を聞くと、もしかしたら「それなら私も出来なくていいのかな」という気持ちが芽生えたのかもしれません。そこから一緒にやり方を考えると最終的に「出来た!」にたどり着きました。
失敗する姿を見せる支援
これは私の中でなかなか成功したやり方でした。中には私より手先が器用で上手い方がいて「Bさん、手元見てていいですか?」とお願いをしてやり方を教わりました。
失敗するのが怖い、怒られる、このトラウマは簡単には消え去りません。でも、少なくとも作業中の失敗は職員と一緒に乗り越えられるので安心してほしかったです。
「見てみて!愛音さんより上手いかも」この言葉を聞けるとすごく嬉しかった。「本当だ。じゃあ今度からこの作業任せていいですか?」「えへへ、いいよー」
最初はやりたがらない作業も、職員でも苦手があること、一緒に考えてみること、そして自分でやってみて納得がいけば、自信がつきます。
必要だったのは「出来ないのは自分だけじゃない」という気持ち、みんなも出来ないのかと安心したかったのかもしれませんね。
*愛音*
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