見出し画像

空飛ぶ虎の考察@寅年も残りわずか

皆さん今年も残りわずか。仕事を始めるとなかなか長いnote記事に取り組む時間が(めんどくさくて)取れずにいます。いろんなものを両立するnoterの皆さんすごいなぁ。

そんなわけで。いろんアイデアを記事にするのを先延ばしにし続け、イベントは時期を逃し続けました。ですが、これだけは寅年のうちに考察しときたいと思ったのでした。

それは、

てんてけてけてけ…
てんてけ……
てってれー!!

「虎は空を飛ぶのか!?」です。

イケオジたちの付け髭に注目しちゃやーよ。

なぜこの旗に描かれた虎は羽が生えているのか。謎です。
この旗が掲げられたのは以前お話しさせていただいた首里城復興祭の古式行列です。

正直「俺(小学生)の考える最強の動物」の旗なのかと思いました。
しかし古式行列で掲げられるという事は歴史的なものかもしれない。とも思いました。

というのも、以前博物館に飾られた紅型の衣装のモチーフに「私(小学生)の考えた最強に可愛い動物」的な、耳の生えた亀さんの図案を見つけたのです。
それも調べてみると中国の亀さん(きふ)という事が分かりました。そしてコメントでは亀のお尻のブロンドの正体も教えていただけたのでした。
(Rei Doiさん、その節はありがとうでした。一つ賢くなりました)

なので空飛ぶ虎もいるに違いないのです。

「俺(小学生)の考える…」じゃなくて「某(昔の人)の考える…」最強の何かの可能性大です。実在の可能性も…?

古式行列とは

首里城まつりなどをはじめとする首里城関連のイベントの際に行われる、王府の旧正月の三寺参りを再現したパレードです。事前に応募で決めた国王・王妃、お役人などが琉球王国当時の衣装で練り歩きます。

その中の一つの役割として「虎旗(トゥラバタ)」という旗持ちの役がいるのが分かります。

https://syuri-sinkoukai.com/dynasty/
2頭おるな

予想

琉球王国は、琉球列島の位置的にさまざまなアジアの文化から影響を受けています。こと、当時の大国中国・日本の二国の影響は大きい。
特に中国式を意識した意匠は両国から人気が高く、意識的に中国寄りの文化の踏襲があったようにも思えてならない。

日本も文化は中国からの輸入が多いです。故事も中国からの学習が多く見られます。

さらに日本・琉球王国に野生の虎はいません!!!
中国にヒントの予感!

「🔍 虎 翼」

Google先生っ…!

虎に翼(とらにつばさ)
韓非子「難勢」から生まれた諺があるらしいです。

とら【虎】 に=翼(つばさ)[=羽(はね)]

ただでさえ威力の備わっているものがさらに威力を加えること。鬼に金棒。虎に角。
※書紀(720)天武即位前(北野本訓)「壬午に、吉野宮に入りたまふ。〈略〉或の曰はく、虎に翼を著(つ)けて放てりといふ」 〔韓非子‐難勢〕
コトバンク引用

ただでさえ強いのにさらに強い。鬼に金棒の類語なんですね。虎に角も初めて聞いたぞ。

そして古式行列の虎旗と同様に行軍の際に虎に翼の旗を掲げる事はアジア圏では見られたらしく「士気を高める・軍隊を鼓舞する」ためだそうです。
古式行列もそれを模したのでしょう。

なんで鳥の羽じゃなくて蝙蝠とか爬虫類(恐竜)っぽい羽なのかは分かりませんでした。

「🔍 虎 翼 妖怪」

画図百鬼夜行はKindle Unlimited!

窮奇とは
(日:きゅうき/中:チオンジー)
「山海経」ではハリネズミの毛が生えた牛。人間おいしい。
「海内北経」では翼を持った虎!!!人間美味しい!!!
人間食うんか!!妖怪じゃねぇか!!

ただ、さまざまな伝承があるのが神話・昔話というものです。窮奇はさまざまな姿形・意味合いを持つようです。

そのため日本に伝わった時には風神の印象が強く、転じて鎌鼬(かまいたち)の当て字となりました。
鳥山石燕の図が百鬼夜行でも窮奇は鎌鼬として可愛いイタチがくるくるしてます。人間食わない(多分)


なお、なんで鳥の羽じゃなくて蝙蝠とか爬虫類(恐竜)っぽい羽なのかは分かりませんでした。

ヒヤミカチ節

沖縄の新しめの民謡の一つにヒヤミカチ節というものがあります。三線の早弾きの定番です。平良新助さんの琉歌に山内盛琳さんが歌詞を足して曲をつけたものだそうです。

琉歌とは…八・八・八・六の沖縄版和歌
ヒヤミカチ…「ヒヤ」が「ヒヤサッサ!」など「えいや!ヨイショ!」的な鼓舞するための掛け声。
ヒヤミカチだと「気合いを入れる」的な意味合いになる。
たまに甲子園などで金管バンドが演奏しますね。

このヒヤミカチ節の5番で虎が空を飛ぶ

♪〜我や虎でむぬ 羽着けてたぼり 
  波路パシフィック 渡てなびら
  (私は虎である。羽をつけておくれ
  (したらば)太平洋も飛び越えて見せよう)

片仮名でパシフィック!英単語の普及が必然だった米軍統治下の沖縄で生まれた民謡らしさがあります。

なるほど、私が知らないだけで虎に翼とは割と普及された比喩なのかもしれません。
無知は恥ずかしいですが知る時の好奇心と高揚は計り知れません。やったね!

なお、なんで鳥の羽じゃなくて蝙蝠とか爬虫類(恐竜)っぽい羽なのかは分かりませんでした。

ヒヤミカチ節は方言が分からなくても元気になる曲です。ただ何故か「ちゃんなーぎーれー」って続けたくなります。(※眼鏡をぶん投げる別の歌と混じってます。)


結論

空飛ぶ虎は実在しませんが、強いものを更に強くした表現のようです。そして妖怪であり風神でありパシフィックオーシャンもひとっ飛びです。おっぱっぴー。

ただ、なんで鳥の羽じゃなくて……(略)
誰か分かる方・アイデアが湧いた方、どうぞ教えてください!

ドラゴンがあの羽なのは分かるんですけどねぇ。
虎もふもふなのになぁって思います。
天使の羽もふわっふわだから、
ふわふわ鳥の羽=善、爬虫類感のある羽=悪のイメージは古くから世界共通なのかもですね。

いや、蝙蝠以外であの羽。襟巻きとかげの襟でしか見た事ないですよ…。そもそもあの羽の実在が危うい私の脳内でした。

書き出すまでもなく纏まりました。





おまけ
寅年が終わり、しんちゃんの天下…卯年が待っていますね。
私は寅年以前より虎マスクを被って(?)活動しておりましたが卯年リスペクトしようかと思い試行錯誤しております。

ビフォー
アフター

う〜ん、虎でいっかな…。

この記事が参加している募集

#探究学習がすき

7,477件

#この街がすき

43,617件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?