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宗教論➁(儒教)

儒教は、宗教というより道徳というイメージが日本では強いが、中国では違うらしい。


儒教を宗教として捉えた本として知られている


儒とはシャーマンであり、孔子はシャーマンの家系の人であった。儒教はシャーマニズムの体系化であるというのが、この本の主張である。
儒教では還暦に達すると、先祖を現世に呼ぶ儀式を行う。従って、子孫を増やして還暦まで生きることが中国では重要であり、そのため人口が増えた。



フーコーとの対談が載っている


この本でフーコーは、ヨーロッパでは日本や中国のように哲学国家になったことは、20世紀までなかったと言っている。
哲学国家?と思ったが、これは儒教を統治に採用した状態を指しているらしい。20世紀のヨーロッパの場合は、マルクス主義を採用した国が哲学国家ということになるだろう。
「哲学は、どのような道徳を欲しているか」(ニーチェ)ということだと考えれば、フーコーの主張は儒教は宗教というより道徳だという立場を採っていることになる。


➂日本での儒教の普及

明治時代になってから、多くの人々に普及したという説は正しい。教育勅語や修身の教科書を使って、明治政府が儒教を大衆化した。

平成の日本では、儒教国の周辺諸国との相違が目立つようになった。元々、周辺諸国より儒教の影響は少なかったのであるが、平成になって、儒教の影響から脱したということもあるだろう。


➃儒教と経済発展


儒教国は経済発展しており、儒教思想の中に発展を促す要素があったことは確かだと思われる。勤勉や貯蓄、教育重視の姿勢が資本主義の発展に結びついたことは、しばしば指摘されている。


➄日本と韓国


米国と中国の対立をキリスト教圏vs儒教圏の文明の衝突と考えると、日本や韓国の位置づけがうまく説明できない。ただ中国が共産党の支配から脱すれば、日本も韓国も米国より中国を選ぶことになるだろう。

お読みいただき、ありがとうございました。

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