見出し画像

浴室のガラスを拭きたくなる日

ベルリンで住んでいる家には浴槽がない。シャワーのみがあって、トイレや洗面台と同じ部屋に備えつけられている。

個人的にとても気に入っているのが、シャワールームがガラス張りなこと。シャワールームだけあってすごく広いわけではないから、窮屈に感じないガラス仕様なことが気に入っている。

ただ、1つだけずっと気になっていたことがあった。それは、こちらの水にたくさん含まれる石灰が、シャワールームのガラスを汚すこと。

一度拭いてみたのだけど、ぜんぜん取れなくてあきらめていた。それが最近、キッチン用に買っていたタオルで取れることがわかって、私はたまにシャワールームのガラスを拭いている。


掃除と私


掃除という家事は、私はあまり好きではない。別にしなくても生きていられるし、なるべくしなくていいようにと暮らしている。

それでも、たまに掃除をしたくなる時がある。それは、私のなかの何かを浄化したいとき。トイレをきれいにしたり、洗面台を磨いたり、そして最近はシャワールームのガラスを拭く。

私の内側は、直接に磨くことができない。だから私は、内側に見立ててどこかを綺麗にする。

掃除機をかけるのは面倒だけど、どこかを磨くくらいなら簡単にできる。


浴室のガラスを拭きたくなる日


つい先日拭いたばかりなのに、私は昨日から浴室のガラスを拭きたいと思っていた。昨日は元気が足りなかったけど、今日は体が動いたから拭いた。

ガラスは3面あって、きれいになっていくのを見るのは気持ちがいい。水滴の形で残った石灰が消えて、ガラスの向こう側がきれいに見えはじめる。

台拭きとかのつもりで買ったけれど、ほとんど使っていなかった小さなタオル。お金がもったいなかったなんて思ったこともあったけれど、過去の私はいい買い物をした。

内側のもやもやを取りのぞくように、私はシャワールームのガラスを拭いた。きれいになって向こう側が見えるようになったガラスのように、私の心もきれいになっていると信じる。

私の内面のために、私は部屋のどこかをきれいにする。それが私の小さな掃除。時に必要な、私の儀式。


7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️