父の子どもの頃の話を聞きたい
うちに家族には問題がある。長年そう思ってきたけれど、去年から家族の関係性が変わりつつある。
私も家族も、みんなが頑張った。考え方がバラバラだった家族が、家族といっても他人どうしである人たちが、程よく付き合える程度には1つになった。
だからこそ、いま興味のあることがある。父の子どもの頃の話を聞きたい。
自分から話すことのない父だけれど、そこにこそ私たち5人家族のルーツがある。父の生まれた家の話を聞きたい。
父という人は、なぜこんなにも自分のことを語らないのだろう。うちの母はそこにいたらずっと話し続ける人だけど、父は自分のことを話さない。
父という人がするのは、基本的に誰かへの指摘、私たち兄弟の同級生の話、まあそんなところ。要するに、興味深いと思える話題がない。
そう思って、長年毛嫌いしてきた。父と話しても何にも楽しくないし、口を聞きたいと思わないし、2人で同じ空間にいたくない。そんな感じ。
でも、いまとなっては父と話したい。というか、私はほんとうはずっと父と話したかった。
口をひらけば指摘をしたりけなしたりする父とではなく、対等に人として話せる父と。いまの私たちは、やっとそんな関係性に近づきつつある。
父の子どもの頃の話を聞きたい。今日の語学学校の授業を聞きながら、空を見上げていたら、なんだかふとそう思った。
私はまだ父の子どもの頃のことを知らない。おばあちゃんは父のことにあまり興味がなさそうだし、父の父は早くに亡くなっている。
父の家では、いい意味でいえばイマココしかない。要するに、最近の話はするけれど、昔の話がほとんどない。
さかのぼったとしても、私たち孫世代が子どもだった頃の話までしかしない。だから私は、父の子どもの頃の話を聞きたい。
父の歴史を知らないことが、私はちょっと寂しい。
父の子どもの頃の話は、例えるなら、はとこの話を親づてに聞く程度にしか聞いたことがない。
遠くに住むはとこではなく、ずっと同じ家にいた父なのに。私はぜんぜん父のことを知らない、恥ずかしいほどに知らない。
私はいまドイツに住んでいるから、日本で仕事をする父とは話せる時間に限りがある。
いつどんなことがあっても、後悔しないように生きるのが私のモットーであり強迫観念のようなもの。父の歴史を、早く聞かねばと思ったのだった。
7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️