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心に触れる

今日は以前にもご紹介させていただいた、この書籍を読み終わりました。

うつ病に長い間苦しめられていた著者の寺田真理子さんは、幼少期を中南米で過ごした帰国子女です。中南米での狙撃やゲリラによる脅迫から、14歳という若い年齢で精神安定剤の服用を始めました。日本帰国後、得意の英語で外資系企業に勤めたそうですが、それからうつ病が悪化し、退職に追い込まれ、寝込むことに。辛い生活を薬に頼らず断ち切るため、数々の本を読んで回復への道へと向かっていったそうです。

この本には主に寺田さんの治療に役立った、100冊の本を紹介しています。他にも序盤で寺田さんの生い立ちと、本のテーマが切り替わる度に彼女からのメッセージが綴られています。彼女の温かい言葉と優しい文章が心に響きました。

そして、寺田さんが抱いていた感情や考え方にものすごく共感できました。帰国子女だからというのもありますが、「どうして自分ばかりがこんな目に?」という怒りに似た感情は私もずっと抱いてきました。本当はそんなことないのに、人は自分が世界で一番辛いと思い込んでしまう生き物なのかもしれません。

どの本も読むには良さそうだったのですが、私が一番興味を持ったのは文字を読まなくてよい写真集でした。読書は好きでも嫌いでもないのですが、綺麗な景色を見るのは大好きです。本当は自分の目で見たいのですが、このコロナ禍なかなか旅行は厳しい状況です。それなら写真集に載っている綺麗な景色を見て、パワーをもらいたい。写真集なら、どこへだって行けますものね。

アメリカではたくさんの綺麗な景色と出逢ってきました。大きな空、大きな湖、大きな海、大きな山、大きな森…。どれも印象深いものばかりです。私はアメリカの大自然が大好きです。

これは、フロリダ州に住んでいた頃の湖の写真です。(ちなみに私は親の都合でアメリカの中でも転々と引っ越しを繰り返していました。)

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当時の古い携帯で撮った写真なので、画質は悪いですが、実物は息を呑むほど綺麗でした。空も湖も鏡のように映し合っていて、まるで私は澄んだ球体の中に閉じ込められ、ふわふわと空中に浮いているようでした。天国が実在したら、きっとこんなんだろうな…と思ったのを覚えています。

そして、寺田さんの本の中に、美輪明宏さん著作の「天声美語」を紹介した文章の中で、特別心動かされるものがありました。

普段の生活、たとえば部屋の環境や使っているもの、会話、読んでいる本や聴いている音楽といったものが「そのまま滋養となり、見えない膜となってその人を包んでいる」というのです。そして、その人の「『人となり』を如実に語っていく」のだそうですが、醸し出される雰囲気というのは、普段あまり意識していない生活から生まれてくるものですよね。

本当にその通りだと思いました。見るもの、嗅ぐもの、聴くもの、触るもの、味わうもの、使うもの、そして…感じるもの、全てが私やあなたを形成します。

だから綺麗なものに触れよう。美味しいものを食べよう。好きなものを纏おう。
ポジティブなものを積極的に取り入れていけば、人は誰しも自然と笑顔になれます。そしてポジティブなことを言葉や形にしてアウトプットしていけば、それはそのまま周囲に共鳴し、自分自身を輝かせるのではないでしょうか。

3行ポジティブ日記:
・今日は途中胃が気持ち悪くなりましたが、比較的体調もメンタルも安定した日でした。また、朝5時半に起床し、朝散歩、掃除、読書、運動、ゲーム制作の勉強、日記と色々とやりたいことができたので、とても充実していました。
・今日で日記を書き続けて1ヶ月が経ちました。これまで継続してできたことを褒めたいと思います。
・明日は美容院に行く日です。美容院ではいつもリラックスできるので楽しみです。

「触れる」で思い出しましたが、なぜ心を「見る」でも、「聴く」でもなく、「心に“触れる”」なのでしょうか。実際は触れることなどできないのに…。

もしも不慮の事故で五感を失うことになり、たった一つだけ残すことができたら、皆さんはどれを選ぶでしょうか?

私はやっぱり「触覚」を選ぶと思います。
なぜかというと、大切な人のことを想うと、その人を“見”たくなります。その人を見ると、その人の声が“聴き”たくなります。声を“聴い”たら今度は“触れ”たくなります。
私は最終的に、その人の肌に触れ、その人の“心に触れ”、その人の温かさ、寂しさ、切なさ、優しさに触れたいのです。

今日も読んでくださってありがとうございました。
おやすみなさい。

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