見出し画像

恋愛生存率

出会いは常に別れを内在し、恋愛はパーティーのようにいつしか終わる。
だから恋する者たちは好きなものを持ち寄ってテーブルを挟み、
お喋りをし、その切なさを楽しむしかないのだ。

そう、「花束みたいな恋をした」の主人公、絹ちゃんが好きだった
めいさんが書いていたブログの一文。

私は、この「花束みたいな恋をした」を観て、恋愛の難しさを痛感した。

ずっと同じだけ好きでいるなんて無理だよ。

恋愛って生ものだから賞味期限があるんだよ。

現状維持という一見、当たり前のようなことが、
現実では一番難しい。
普通とか、そのままとか、いつも通りとか。

「始まりは終わりの始まり」
始まってしまった恋愛は、死ぬまで寄り添い遂げるか、
途中でリタイアしてお別れするかの二択しか道がない。

人生という名の険しい道のり。

生まれも育ちも違う人間が二人で歩んでいかなければならない。
双方の気持ちや価値観のすり合わせができていないと、
あっという間にすれ違って、終わりへと足が向かう。

静かに、少しずつ、緩やかに、自然と、すれ違っていく。

そして恋愛はとても残酷だ。
始まる時は両方の気持ちが必要なのに、
終わる時は片方の気持ちでスパッと切れてしまう。

自分一人の努力では生き残れないという残酷な恋愛生存率。
そして同時に脆くて儚い、けれど美しい。

残酷で脆くて儚い一面があるからこそ、美しく感じる。
残酷で脆くて儚いと知っているからこそ、今が幸せだと痛感する。
手を繋いだり抱きしめることで、相手の体温を感じる。
それが、どれだけ幸せなことなのか。

初心を忘るべからず。
生き残るために必要な鍵かもしれない。

そんな数パーセントに満たない「残酷で脆くて儚い、けれど美しい」生存率の恋愛をわたしは「ふたりで」生き残る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?