見出し画像

"地球がまわる音を聴く"

今週に入ってから衝撃的なことしかなくて、言葉をつづっているどころの騒ぎじゃなくて、ひさしぶりになってしまった。
またマイペースにつづろう。



森美術館で行われている企画展「地球がまわる音を聴く パンデミック以降のウェルビーイング」にいってきた。

2020年以降、目に見えないウイルスによって日常が奪われ、私たちの生活や心境は大きく変化しました。こうした状況下、現代アートを含むさまざまな芸術表現が、かつてない切実さで心に響きます。本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か、を現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死など、生や実存に結びつく主題の作品が「よく生きる」ことへの考察を促します。

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/earth/

企画意図にこんな説明があって、たしかに、現代アーティストがこの特殊な状況をどう作品に反映させるのか、その中に「いきる」ということはどういうかたちで現れるのか知りたい、と思ったのが、訪れた背景だった。

実際のアートは、すべてがパンデミックに関連した作品、というわけではなかった。けれど、アーティストひとりひとりが、「いきる」ということ、日々を過ごすということを、どのように見つめ、受け入れ、そしてそれらを表現しているのかを、丁寧な説明と実際のアウトプットを通して頭と心で理解することは、あたらしい視点をつかむことにつながってゆくように感じた。

共通して感じたのは、日常というものの儚さと尊さ。
それでも朝は来るし、おなかは空くし、南瓜は腐るし、誰かが泣くし、誰かが死ぬし、そして誰もが年をかさねる。すべては、これらひとつひとつのささいな、しかし切実な積み重ねでしかない。
そんなアーティストひとりひとりの日常を、作られたアウトプットを基点にして、切り取られた視点や重ねられた思いも含めて想像するのは、とてもこころよい体験だった。


会のタイトル、"地球がまわる音を聴く"の元ネタであるインストラクション・アートを作成したのが、オノ・ヨーコ。
展示会の最後の展示のうちの一つとして飾られていた彼女のアートが、個人的にはとても興味深かった。

PAINTING TO BE CONSTRUCTED IN YOUR HEAD

Observe three paintings carefully.
Mix them well in your head.
Collect the figures that you remember.
Select  a number that you associate with it.
Place the number on a canvas.
Instead of paintings, you may use photographs,wrapping papers,newspapers,recipes,etc.

頭の中で組み立てる絵

3つの絵をよく見る。
それを頭の中でかきまぜる。
記憶に残っている形を集合する。
それから連想した数字を選ぶ。
その数字をキャンバスに書きつける。
絵の代わりに、これは写真、包装紙、新聞、レシピなどでもできる。

ほめられてのびるタイプです