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新春_日本語教師アイディア塾塾長【日記後編】_「生活者」の要望に応えていく日本語支援を考える ~ 30年のボランティア活動を通じて私が得たもの ~

エルロン 日本語教師アイディア塾
塾長の竹丸です。

お待たせしました。
塾長日記後編です。

前編に引き続き、

長野県地域日本語教育の体制づくり事業
総括コーディネーターおよび、
松本市地域日本語教育コーディネーターの

佐藤佳子さんのお話です。

佐藤さんの担当される地域の体制づくりを担っている
日本語教師、ボランティアの方々の報酬については、

となっており、
今後、更に行政と協議し、見直しをされるそうです。

※参考資料:文化庁 諸謝金対価表
chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/chiikinihongokyoiku/r05_boshu/pdf/93841301_02.pdf

この報酬について特徴的なことは、

地域の体制づくり事業を担う人材で、
無償の人がいないという点です。


では、
以前から地域にあるボランティア教室は、
どうでしょう・・

日本語のボランティア教室は、
外国人が地域社会に溶け込んでいくために
重要な役割を果たしていますが、

佐藤さんは、
「現在のままでは、無償を有償にすることは難しい。」
とおっしゃいます。

国家予算を使うためには、 
行政と一体になって責任を持つ必要があるからです。

現在、日本語教育には、
「留学」、「就労」、「生活」の区分があり、
それぞれにCan Doが示されていて到達目標が明示されています。

「生活」Can Doでも、
「自立した段階の日本語話者」にすることをゴールとしています。

つまり、
これからの生活者としての外国人に対する日本語支援が
どのように変わるのか一言でというと、

・日本語を使って生活や仕事ができるようにすること
・生活者の持つ、多様なニーズに応えていけること
・責任を持って対応できること、専門性をもつこと

が求められるということです。

松本市では、体制づくり事業を担う日本語教師や
ボランティアを募集し、養成のための研修を
無料開催しているとのことです。

佐藤さんは、元来、人と話すのが好きで、
人の世話をするのが好き、日本語教育が大好き。

そんな理由から30年前、大学院卒業後、
日本語ボランティアに入られました。

日本語教師養成講座420時間を修了後、
日本語学校の非常勤、常勤を経験をされた後、

現在、多方面で精力的に活動をされています。

しかし、どんな時もその軸足と視線は常に、
生活者の日本語支援、外国人の子どもの日本語支援に置かれています。

その理由について、佐藤さんは、

「外国人に来ていただき、定着してもらわないと
これからの地域や国は、立ち行かなくなります。

日本にいてくださる方を、全力でサポートして、
自分を役立てることが私の喜びであり、私のやりたいこと。」

と嬉しそうにおっしゃり、
私は、「就労者」の定着支援を行う身として、
佐藤さんの言葉に強く共感しました。


そして、日本語教師に向けたメッセ―ジで、
佐藤さんは、最後に次のように述べられました。

「時代は、私たちが追いつけない速度で変わっていきます。
日本語教育も同じ速度で変わっていくでしょう。

「日本語教育はブラック」だと言っている時代は終わりました。
これからは、自分の強みを活かした日本語教育を模索する時です。

地域の生活者としての外国人の支援についても、
「行政が、あれしてくれない、これしてくれない」ではなく、

地域の行政が何をしたいのかを、まず、知ること。
そして、どう関わっていくかを考えて、行動してみることです。

自分は日本語教師として何がしたいのか、
日本語教師のとしての付加価値は何か、
それを考えてみられるといいと思います。

私もまだまだそれを模索中です。」

堂々と、やさしい笑顔でおっしゃったのがとても印象的でした。


私と佐藤さんと出会いは、約半年前、
エルロンのいくつかの研修を受講くださったのがきっかけでした。


「私こそ、学ばなければならない!」

多くのことを学ばれ、
素晴らしい経歴と実績を持たれて活躍されている佐藤さんが、
初めての面談でそうおっしゃたのに私は、大きな衝撃を受けました。

今回の佐藤さんのお話しを伺いながら、
「変化し続ける力」と、「学び続ける力」を持つことの
大切さを改めて感じました。


知識や技術は、どんなものでも古くなります。

時代や環境の変化に対応するために、
私たちも変化し、進化していく必要があります。

私たち日本語教師は、日本語を必要とする外国人の
ニーズを満たしてこそ、
自分の付加価値を高めることができます。


そして、人々も社会も、付加価値の高いものを求めます。

日本語教師アイディア塾は、
今年も1600名の日本語教師仲間と共に切磋琢磨し、

更に、仲間の輪を広げながら、時代と共に変革できる、
付加価値の高い日本語教師を目指します。

本年もよろしくお願いいたします。

最後までお読みくださりありがとうございました。


■■日本語教師の皆さまへお知らせです!■■

1月22日(月)20時 佐藤佳子さんがご登壇くださいました。

・コーディネーターを目指す方、興味のある方
・体制づくり事業をもっと知りたい方
・有償ボランティアで活躍したい方

佐藤佳子さんが、詳しくお話しくださっています。

オンラインサロンにアーカイブがございます。

https://aileron-jl.website/onlinesalon



「自立した段階の言語使用者」にしていくための
日本語教師としての基本的な知識、スキルを
高め、教科書に左右されない授業構成と
学習定着を最大にするファシリテーション技術を
身につける研修を開講します。

これからの日本語教育に自信を持って取り組めるようになります。

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新春_日本語教師アイディア塾塾長【日記前編】はこちらです。
https://note.com/aileron_jp/n/ne0e6fb4182ec


本日のお話しの関連資料です。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/chiikinihongokyoiku/r05_boshu/03/index.html


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