二年二組のたからばこ(小学校低学年男児に読み聞かせた絵本を紹介)No.137
山本悦子(著) 童心社
たからばこ、と聞いて思い浮かぶのは宝物が入っている箱の事。
でも二年二組のたからばこは、宝箱ではありません。
たからくん、という子の落とし物を見つけたら皆が入れる箱のこと。
そんな内容の書き出しで始まる本です。落とし物をよく(しょっちゅう)するたからくんと、たからくんの隣の席に座っている主人公のミナ、1学期はたからくんの隣の席だったマイカちゃん、その他のクラスメートと担任の先生の物語です。
日直箱の中の物
鉛筆も消しゴムも、ノートも教科書も。果ては上靴までも落とす、たからくん。上靴を脱いでそのまま履かずに置いてきた時は、上級生が持ってきてくれて無事にたからくんの元に戻ります。そんなたからくんのために、先生は「たからばこ」という、たからくんの落とし物を入れておく箱を教室に用意しています。
席替えでたからくんの隣の席になった、ミナちゃん。たからくんから色々な物を「貸して」と頼まれます。貸してあげるものの、何となくモヤモヤ。
ある日、ミナとたからくんは日直当番となり、たからくんが持ってくるハズの日直箱をミナが取りに行った事から、ちょっとした事件が起こります。
落し物が「多すぎる」と言われるくらい落とす
落し物が多すぎる、と周りが思うくらい(そして「たからばこ」という箱の用意が必要な状態)のたからくん、ハッキリと描かれている訳ではありませんが、発達障害を多少抱えているのかな?とも感じました。
とはいえ、その気質があっても学校側は受け入れているので、多様な人とどう接していくのか?と、本を通じて子供に問いかけているような気もします。
本人は落とし物をした事を全く気にした素振りが周りから見ている限りでは、ありません。
しかしたからくん、実は自分が落とし物が多い事には多少気が付いていて…
忘れる事が多くなってきた自分
自分自身、初老と言われる年齢なので最近物忘れが多くなってきました。職場でも「依頼事は口頭ではなく紙に書いて」と酸っぱく言ってようやく何とか、という感じです(苦笑)。もう頭の中に覚えていられないお年頃というのは、周りもあまり過度な要求や期待が出来ない分、気楽な感じがします。
たからくんの落し物が多すぎる件も、たからばこが私で言う所の「紙で書け」にあたるので、取り敢えず落ちてるものは拾って「たからばこ」に入れておけば良いんじゃないかなと思います。とはいえ周りには迷惑はかかるので、自分の子には「ちゃんと覚えておいてね」とは言おうと思っています(苦笑)。
この本は図書館のオススメ本でした。意外に惹きつけられる内容で良かったです。
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