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【Bリーグ】2022年夏の移籍市場、広島の補強の「ラストピースのビッグマン」を考える(その2)。

 前記事エントリーのリンク添付

 まず、前回の記事、(その1)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。


 2022年夏の移籍市場、広島の「ラストピースのビッグマン」、「ケリー・ブラックシェア・ジュニア」を考える


 「インサイド陣は大きく顔ぶれが変わる形となります。残り1名の外国籍選手はすでに契約締結に至っておりますが契約の関係上、7月中の発表を予定しております。今シーズンは日本国外でプレーをしており、若く、アスレティックな能力を持つだけでなく、アウトサイドシュートやパッシングスキルを持ち合わせたPF/Cの選手が加入する予定となっております。このポジションの外国籍選手が来シーズンの飛躍において最も重要であると考えていたため、クラブとして非常に多くの時間をかけて検討してまいりました。取れうる選択肢の中では、この選手がベストな選手だと考えており、ディフェンスとオフェンスの両面において、チームの大黒柱として機能すると考えております。(中略)25歳以下と非常に若い選手です。」
 (2022年6月10日、広島ドラゴンフライズ公式HP、「2022-23シーズン 広島ドラゴンフライズロスターおよび トップチームスタッフ決定のお知らせ」より引用。)


 ―ミリング監督の1年目をどう見ますか。
 「クラブが目指すのは堅い守備から、アグレッシブに攻撃していくスタイル。監督も理解し、体現しようと努めてくれた。選手とよく話し合い、課題に向き合う文化もできつつある。」

 ―具体的な反省点は。
 「やはり守備。攻守の切り替えが遅く、機動力やローテーションに課題があった。強みになると見ていたリバウンドも下位で、圧倒できなかった。選手の誰が悪いという話ではなく、偏った編成の問題だった。」

 ―来季に向けて課題をどうクリアしていきますか。
 「基本的には今のチームを成熟させること。選手個々が課題を感じ取り、克服していければ最高だ。主軸を一気に代えた昨オフと違い、大幅に代える必要はない。選手間の連係や相手との駆け引きが習熟すれば守備は良くなる。攻撃面も終盤は互いの強みを理解し、得点する形ができていた。」

 ―これらを踏まえた今オフの補強戦略は。
 「まずはしっかりと残留交渉を進め、ピンポイントで補強する。外からも得点できるインサイドの選手や、強い守備ができる選手が増えればチームに厚みが出る。来季こそ必ずCSに行くために動いていく。」

 (『中国新聞デジタル』2022年5月10日付配信
 「ドラゴンフライズ今季の反省は『やはり守備』 岡崎GM、現チームの成熟が基本線」より引用。)

 

 今回のnote記事での「最大のメインテーマ」である、
 「広島の補強のラストピースであるビッグマンは誰だろうか?」
 この考察における手始めとしての「たたき台的な参考資料」を、まずリンク添付させて頂きました。





 …と綴っていたら、確定情報が出ちゃいました(苦笑)。
 でも、海外記者からの情報ならば、正直とても安心です。
 それと、いまリンク添付させて頂いた「B.SPORTS」さんは、自分がとても信頼している垢です、ということも、併せて申し添えさせて頂きます。




 「Kelly Blackshear Jr.」(ケリー・ブラックシェア・ジュニア)
 「208cm,109kg」。「この1月で25歳」の若いビッグマンです。
 事実上の獲得内定の報道を踏まえて、(その2)のトップ画像は、今季のブラックシェアにさせて頂いてます。

 NBA経験はなし。大学で1年の留年経験があります。
 大学卒業後、イスラエルで1年。プロ2年目である今季は、トルコの「ガラタサライ」でプレーしていました。




 「ガラタサライ」。読者の中には、サッカーチームで御存じの人間が、少なからずいらっしゃるのではと想像ですが、いわば「総合型スポーツクラブ」のバスケットボール部門、という感じです。




 実は、トルコでは、サッカーでもバスケでも、イスタンブール(トルコ最大の都市)でも、トルコ全体でも、人気を二分する存在がいます。
 1つは「ガラタサライ」、もう1つは「フェネルバフチェ」です。




 さらに、イスタンブールにはこれとは別にあと2つのバスケ球団があります。
 第3の球団は「ベジクタシュ」。サッカーチームも持っている有力球団です。
 第4の球団は「アナドル・エフェス」。実はトルコリーグでは優勝回数が最も多いバスケ球団です。




 少し、サッカーの話をさせて頂くと、サッカーのガラタサライのホームスタジアム、「ネフ・スタジアム」(正式名称は「アリ・サミ・イェ」)は、「地獄へようこそ」の異名を持ちます。
 もうねえ、熱量が「異次元」です。自分、アニメ等のメディアミックス作品の『ラブライブ』のファン(ファンの名称は「ラブライバー」です)ですけど、ラブライバーの熱量も「やばい」ですけど、それとは比べ物にならないです。この、ガラタサライのサポーターの熱量を上回るのが、世界にどれほどあるだろうか、の感じです。




 恐らくですけど、バスケットボールの方も、熱量がすさまじいと想像です。アリーナも、NBAのアリーナと同等のスケール感を感じる。
 早速、話を脱線させてしまいましたけど、自分の中で「ガラタサライ」といえば、「ファンの異次元の熱量」ですので、どうしても触れたかったのでの感じです。

 話を本筋へと進めます。


 【広島の「新外国人のビッグマン」、求める資質能力の「6条件」。】
 (1)「『25歳以下』の『PF/C』(恐らく205cm以上?)。」
 (2)「『3Pが打てる』シュートレンジ。」
 (3)「『パッシングスキル(パススキル)』がある。」
 (4)「『リムプロテクター』になれる。」
 (→「vsクーリー」「vsスコット」「vsN・ケイ」「vsエサトン」が念頭。)
 (5)「機動力がある(速攻の先頭、アリウープが◎)。」
 (→サイモン[前京都]、スミス[富山]のような「重戦車型」は×。)
 (6)「現時点で何らかの契約が残っている。」
 (→現在FAの選手は対象外になる。)



 正直、球団が公式であそこまで盛大な「匂わせ」をすること
 野球、サッカー、バレーボール等の他スポーツを含めても、自分の記憶にありません。
 ただ、いえることは「かなり自信満々であること」。
 恐らくですけど、「vsクーリー」「vsスコット」「vsN・ケイ」「vsエサトン」で同等以上といえること


       25歳以下 3P能力 パス能力 リム能力 機動力
 クーリー   ×    ×    △    ◎    ○
 スコット   ×    ×    △    ◎    ○
 N・ケイ   ×    ◎    ◎    ◎    ◎
 エサトン   ×    ○    ◎    ◎    ◎
 ブラックシェア ◎   ◎    ◎    ○    ◎



 能力評価は、自分の主観が入ってますけど、今回、広島が新外国人ビッグマンに求めている「5条件」を満たす選手を探すことがどれほど難しいか
 公式が盛大な「匂わせ」をしてから、改めてリストアップをし直しました。「5条件」を完璧に満たせる選手は、実は見つけられませんでした。特に「25歳以下」という条件が、とても高いハードルでした

 ですけど、次善的というか、ハードルを少し下げてみたときに、唯一ヒットできたのが、この「ケリー・ブラックシェア」でした。




 恐らくですけど、広島が「求めるビッグマン像」は、
 「カール・アンソニー・タウンズ(ティンバーウルブズ。愛称「KAT」)」
 なのかな、と思ってます。というか、自分が「KAT」が好きな選手の一人なのですけど。

 タウンズって、「211cmという圧倒的サイズ」「3Pが打てるシュートレンジ」「リムプロテクターで有能」「ビッグマン離れしたパス技術」を高次元で併せ持ってるんですよね。これに加えて「ナイスガイ」
 はっきりと物事をいうので、「誤解されやすい」感じですし、それに昨季まではKATは「守備意識が低い」と少なからずいわれてましたけど。

 「KATに近い選手」、これを自分なりに探して、唯一ヒットできたのが、今回報道された(事実上の確定といってよい)、「ケリー・ブラックシェア」でした。




 ちなみに、「契約の関係で」云々というのは、今季のトルコリーグは「6月22日水曜日まで」が期間とのことです。
 今季のガラタサライは、「20勝10敗」で「3位」にいます。
 (1位はフェネルバフチェ[24勝6敗]、2位はアナドル・エフェス[23勝7敗]です。)




 というのも、欧州リーグからの移籍入団の場合、6月の入団発表は、結構ありますので。いまリンク添付させて頂いた、昨オフのケースでの、ハリス(三遠)は「6月10日」、エサトン(名古屋D)は「6月14日」ですので。




 今オフにBリーグ入りがあり得るかもしれない、いわば「新外国人候補」で、「5条件」のうち「25歳以下」以外での4条件をすべて満たしているのが、「Matt Costello」(マット・コステロ)です。
 NBA経験者(4試合のみですが)、「208cm,109kg」の「PF/C」。直近の3年間はスペインでプレー。
 「この8月で29歳」ですので、広島の補強ターゲットにはなりませんでしたけど、もしBリーグ入りが実現したら、今季のN・ケイ、エサトンのように活躍の可能性は高いと考えられます。




 実は、エバンスの入団を踏まえて、「広島の補強ターゲットに合致しそうな『25歳程度のビッグマン』」で、Twitter(ツイッター)で3人、リストアップさせて頂きました。
 ですけど、球団公式による盛大な「匂わせ」(6月10日金曜日の「ロスター決定」の公式発表)の時点で、いわば「脱落」。
 唯一、「Duop Reath」(「ドゥオップ・リース」。現役の豪州代表。昨夏の東京五輪のメンバー。今季は豪州NBLのイラワラ・ホークスでプレーだが、現在はFA)は、「パススキル」以外の資質能力は満たしていましたが、「この6月下旬で26歳」「現時点でFA」ということで、脱落になりました。


 では、話を「ブラックシェア」のことへと進めます。




 プロ入り後の、ブラックシェアの立ち位置。

 昨季(Hapoel。イスラエル)[正PF。エースを務めた]
 今季(ガラタサライ。トルコ)[正PF。2ndオプションを務めた]

 今季、ガラタサライは「ユーロリーグ」「ユーロカップ」のいずれにも出ていません。ですけど、ガラタサライは「ユーロリーグ」と同等クラスの有力球団です。
 そういった「ユーロリーグ」クラスの球団で「2ndオプション」を務めている。これは特筆要素といえるでしょう。



 【N・ケイ、エサトン、クーリー、スコット、ブラックシェアの「スタッツ比較」。】
 N・ケイ(島根。豪州代表)
 昨季(ベティス[スペイン。正PF])
 (26.8分、7.9得点、1.1アシスト、5.5リバウンド、1.0スティール、0.3ブロック、FG%47.5、3P%28.4、FT%83.7)
 今季(島根)
 (32.23分、14.5得点、3.6アシスト、8.0リバウンド、1.4スティール、0.5ブロック、FG%54.4、3P%39.0、FT%81.4、30分換算EFF[20.59])

 エサトン(名古屋D)
 昨季(マンレサ[スペイン。正C。エース])
 (22.9分、14.1得点、1.5アシスト、5.8リバウンド、0.6スティール、0.3ブロック、FG%59.9、3P%41.7、FT%75.5)
 今季(名古屋D)
 (28.88分、16.9得点、3.2アシスト、8.5リバウンド、0.8スティール、0.7ブロック、FG%62.2、3P%31.7、FT%73.4、30分換算EFF[24.97])

 クーリー(琉球。今季)
 (23.55分、13.1得点、1.3アシスト、10.4リバウンド、0.9スティール、0.7ブロック、FG%60.0、3P%×、FT%68.2、30分換算EFF[26.83])

 スコット(宇都宮。今季)
 (29.23分、15.9得点、1.5アシスト、9.8リバウンド、0.9スティール、1.3ブロック、FG%58.0、3P%×、FT%74.9、30分換算EFF[25.81])

 ブラックシェア(広島)
 今季(ガラタサライ[トルコ。正PF。2ndオプション])
 (25.7分、13.2得点、1.9アシスト、6.4リバウンド、0.6スティール、0.5ブロック、FG%52.2、3P%44.1、FT%81.3)



 ブラックシェアのスタッツ、特に注目は、N・ケイ、エサトンとの比較です。
 スペインリーグ(リーガACB)は、欧州リーグでは「no.1のリーグ」です。トルコリーグは、欧州ではレベルの高いリーグですけど、スペインリーグよりは少しですが落ちます。これを考慮の必要はあるかなです。

 ですけど、欧州リーグとBリーグのプレースタイル傾向の違いを考慮の必要はあるかなですけど、N・ケイ、エサトンのいずれも、「得点、アシスト、リバウンド」をいずれも大きく上昇させています。


 N・ケイ(7.9得点、1.1アシスト、5.5リバウンド)
 →(14.5得点、3.6アシスト、8.0リバウンド)

 エサトン(14.1得点、1.5アシスト、5.8リバウンド)
 →(16.9得点、3.2アシスト、8.5リバウンド)

 ブラックシェア(13.2得点、1.9アシスト、6.4リバウンド)
 →(?)



 実は、スタッツと動画を総合すると、自分が感じる「ブラックシェアの特徴は、
 「エサトンというよりは、パワーのあるジャスティン・ハーパー(京都)。攻撃スキルがいい意味でビッグマン離れしている。」
 という感じなんですよね。
 というのも、ブラックシェアの得点場面には、フェイダウェイ、フローターといったレパートリーもあります。これもまた、「得点パターンの多彩さ」により説得力を持たせていると映ります。


 ハーパー(今季)
 (32.43分、19.1得点、1.7アシスト、8.6リバウンド、0.6スティール、0.6ブロック、FG%51.3、3P%37.7、FT%73.3、30分換算EFF[19.94])

 ブラックシェア(今季。ガラタサライ[トルコ])
 (25.7分、13.2得点、1.9アシスト、6.4リバウンド、0.6スティール、0.5ブロック、FG%52.2、3P%44.1、FT%81.3)

 ブラックシェア(来季)
 (?)



 実は、ハーパーは、そのスタッツ以上に、パス技術が高い選手です。今季はチーム事情で「『スコアリングの鬼』になる必要があった」ので、の感じですけど、もう少しアシスト数を見込める選手です。それと、ハーパーって守備力がいま一つといわれがちですけど、こうしてみると結構リバウンドとってるよね、と(それ故に今季の京都は「ハーパー個人軍」といわれたりでもありましたが…、涙目)。


 もう少し、掘り下げていきます。


 N・ケイ(昨季)[3P試投数/FG試投数][67/238、28.2%]
 N・ケイ(今季)[3P試投数/FG試投数][177/566、31.3%]

 エサトン(昨季)[3P試投数/FG試投数][48/339、14.2%]
 エサトン(今季)[3P試投数/FG試投数][82/543、15.1%]

 ハーパー(今季)[3P試投数/FG試投数][236/768、30.7%]

 ブラックシェア(今季)[3P試投数/FG試投数][68/226、30.1%]



 ブラックシェアの今季の「3P試投数/FG試投数」。「30.1%」。
 で、ブラックシェアの今季の「3P成功率」は「44.1%」です。

 で、今季の「3P成功率」。
 N・ケイ(39.0%)、エサトン(31.7%)、ハーパー(37.7%)。


 N・ケイ(昨季)「1.1A」→(今季)「3.6A」
 エサトン(昨季)「1.5A」→(今季)「3.2A」
 ハーパー(今季)「1.7A」
 ブラックシェア(今季)「1.9A」



 「『スコアリングの鬼になる』必要がある」意味では、来季のブラックシェアと今季のハーパーは、恐らく共通するかもしれません。
 ですけど、今季のハーパーを、今季のブラックシェアは「3P/FG試投数での%」で同等、「3P成功率」「アシスト」では上回っています。


 クーリー(今季)(eFG%[60.0%]、FT%[68.2%]、30分EFF[26.83])

 スコット(今季)(eFG%[58.0%]、FT%[74.9%]、30分EFF[25.81])

 N・ケイ(昨季)(eFG%[51.5%]、FT%[83.7%])
 N・ケイ(今季)(eFG%[60.5%]、FT%[81.4%]、30分EFF[20.59])

 エサトン(昨季)(eFG%[62.8%]、FT%[75.5%])
 エサトン(今季)(eFG%[64.6%]、FT%[73.4%]、30分EFF[24.97])

 ハーパー(今季)(eFG%[58.4%]、FT%[73.3%]、30分EFF[19.94])

 ブラックシェア(今季)(eFG%[58.8%]、FT%[81.3%])



 「eFG%」「FT%」でみると、ブラックシェアの攻撃面での貢献度の高さはより顕著です。
 今季のブラックシェアの「eFG%」(3P試投数がFG試投数の「30.1%」あることが、より価値を高めると考えて頂ければです)は、3Pがないスコットの今季の「eFG%」を上回り、3Pがないクーリーに迫る「eFG%」です。リーグレベルをも考えると、恐らく来季のブラックシェアの「eFG%」は「60%」を超える可能性は高いでしょう。
 加えて「FT%」の高さ。「eFG%」ではエサトンが上回りますけど、「FT%」をも考慮すれば、恐らくブラックシェアがエサトンを上回ります。


 「ブラックシェアの『来季の攻撃面での予想貢献値』。」
 (「FG試投数13、FT試投数5」と仮定して計算)

 「eFG%(60%強)、FT%(80%)、3P成功率(40%)、3P/FG試投数(30%強)」
 →「eFG[8/13]、FG[7.1/13]、3P[1.8/4.3]、2P[5.3/8.7]、FT[4/5]」(平均得点[20.0])



 ちなみに、今季の京都で「スコアリングの鬼」を求められたハーパーの平均得点が「19.1」です。また、今季の広島の平均得点1位のメイヨが「16.1」です。

 少なくとも、こうして考えると、ブラックシェアは
 「恐らく、攻撃面では『Bリーグno.1のビッグマン』になり得る」
 と考えてよいと映ります。


 【今季の広島の平均得点(主要選手のみで計算)】
 スタメン(寺嶋[12.6]-辻[10.1]-マーフィー[5.7]-メイヨ[17.1]-ジャクソン[11.5])
 主な控え(青木[3.3]-朝山[2.6]-船生[2.9]-ケネディ[10.4]-エチェニケ[9.9])
 (合計[85.1]、球団平均得点[80.7])

 【来季の広島の予想布陣】
 スタメン(寺嶋-辻-マーフィー-エバンス-ブラックシェア)
 主な控え(上澤-船生-佐土原-メイヨ-バルタザール)
 他の控え(青木、朝山)
 ビッグ布陣(寺嶋-辻-エバンス-バルタザール-ブラックシェア)



 恐らくですけど、上述の予想布陣になるかなです。
 主な控えに佐土原を入れたのは、佐土原のエナジーは広島の「隠れた長所」になり得るという期待感を込めてです。

 では、予想される「FG試投数」「出場時間」を考慮して、「来季の広島の平均得点」を「予想参考値」として示させて頂きます。あくまでも「一つの参考に」のニュアンスで拝読して頂けると、有難く思います。


 【来季の広島の平均得点(予想参考値。予想される「FG試投数」「出場時間」に基づいての計算なので、あくまで参考数値と解釈頂ければです)。】
 スタメン(寺嶋[13.0]-辻[10.4]-マーフィー[5.5]-エバンス[15.7]-ブラックシェア[20.0])
 主な控え(上澤[4.2]-船生[3.5]-佐土原[3.5]-メイヨ[11.6]-バルタザール[6.5])
 合計(93.9)



 あくまでも「予想参考値」ですし、特にバルタザールは事実上の「新卒入団」ですので、未知数な感じがありますので、下振れも考慮してこの数値にしています。
 とはいえ、「エチェニケ、ジャクソン」→「エバンス、ブラックシェア」で、「大幅な得点増」が想像できます。

 あくまでも「予想参考値」ですけど、「外国人3人+帰化枠/アジア枠」の4人の得点数では
 「今季(48.9)」→「来季(53.8)」
 つまり「4.9得点増」になります。

 この「4.9得点増」ができれば、これだけで得失点差が「+294」。
 「強度の高い守備&トランジション」という「志向するスタイルの明確性」のもとに選手獲得をしてますので、「故障者続出に悩まされなければの注釈付き」ですが、「勝利数の大幅な上積み」は高確率で望めるでしょう。


 それと、外国人の陰に隠れますけど、辻。
 実は、「FG%」は得点数に比してあまり高くない傾向が、近年はありました。
 ですけど、来季は恐らく「第4の選手」の扱いになります。「BIG3」から解放されることになる。
 ですので、よりイージーな得点機会が増えることが予想されます。否が応でも、相手守備はまず「ブラックシェア、エバンス、寺嶋」に多くの留意を注ぐことになるでしょうから。
 そう考えると、FG試投数は少し減るかなですけど、特により「コーナースリー」「(フリーでの)トップスリー」の試投数が増える可能性が高い。ですので、より「得点効率」が上がることに期待できます。


 話をブラックシェアのことに戻します。


 クーリー(今季)[OR数/総リバウンド数][231/532、46.4%]

 スコット(今季)[OR数/総リバウンド数][170/547、31.1%]

 N・ケイ(昨季)[OR数/総リバウンド数][76/197、38.6%]
 N・ケイ(今季)[OR数/総リバウンド数][149/422、35.3%]

 エサトン(昨季)[OR数/総リバウンド数][76/208、36.5%]
 エサトン(今季)[OR数/総リバウンド数][145/414、35.0%]

 ハーパー(今季)[OR数/総リバウンド数][116/464、25.0%]

 サイズ(今季)[OR数/総リバウンド数][188/655、28.7%]

 ブラックシェア(今季)[OR数/総リバウンド数][54/179、30.2%]



 ORとは「オフェンスリバウンド」のことですけど、ブラックシェアは、総リバウンド数に占める「オフェンスリバウンド」が「30%」を上回ってます。リバウンドの数はやや物足らなさがありますが、(リーグレベルの考慮が必要とはいえ)リバウンドの平均数値も、ブラックシェアは、Bリーグ入り直前のN・ケイ、エサトンを上回っています。
 で、N・ケイ、エサトンが、Bリーグでは平均リバウンド数を大きく上昇させていることに照らせば、ブラックシェアも「8.0~9.0リバウンド」程度が見込める可能性が高いでしょう。

 仮に「8.5リバウンド」として、「OR数/総リバウンド数」が「30%強」とすると、「2.6OR」になります。「2.9OR」であった今季のジャクソンよりは少し下回りますけど、それでも単純計算で「リーグの上位10人に入るかも」のOR数になります。


 とはいえ、不安要素もあります。
 プロ入りからの2年間は、ずっと「正PF」での起用でした。
 それが来季の広島では、一貫して「正センター」での起用になります。
 ですので単純に、「守備面での負担」が確実に増しますし、それどころか「インサイドの守備」は、恐らくブラックシェアが一手に担う選手編成になります。そこがどう影響するかの不安はあります。


 リンク添付させて頂いたスタッツ表や動画などを含めて、これまで綴らせて頂いたことをまとめると、下記の感じになります。


【ケリー・ブラックシェア(ガラタサライ→広島)、選手としての特徴。】

 (1)「この1月で25歳」、NBA経験はない。プロ入りしてまだ2年だが、2年共に所属球団(「ユーロリーグ級」の球団レベル)ではエース級を務めていた

 (2)「攻撃スキル」は、恐らく「Bリーグのビッグマンでno.1」3Pを打てるシュートレンジをも含めて「得点パターンが多彩」で、「eFG%」「FT%」が高いので、「得点効率のよさ」も大きな長所。加えてパススキルもビッグマン離れしている感じで、攻撃面だけでならば「Bリーグ版のKAT」になり得るといえるだろう。

 (3)「機動力がある」ので、広島が志向する「速いバスケ」にドンピシャ。多彩な攻撃スキルに加えて「TOV(ターンオーバー)が少ない」ので、見た目の数値以上に「高いEFF」が見込める。「20得点超えの試合の量産は高確率で見込める」だろう。

 (4)OR数が水準以上。ただ、ブロック数は多くないので、「リムプロテクター」としては「やってみないとわからない」部分はやや不安要素

 (5)プロ入り後の2年間はずっと「正PF」であり、「正センター」専任は初めてになる。加えて「インサイドの守備を恐らく一手に担う」可能性が高く、守備面での負担増が、最大の長所である攻撃スキルの発揮にどう影響するかが不安要素ではある。

 (6)「選手としてのタイプ」は、「より得点効率が高く、よりTOVが少ない、いわば『ハーパー(京都)の強化版』」。いざ蓋を開けて、ゴール下でのパワー面が思ったより良いとなれば、「エサトン(名古屋D)の強化版」になり得る可能性も

 (7)NBA未経験だが、Bリーグで「スペシャルな存在」に昇華した存在では、「ニュービル(大阪)、マブンガ(富山)、ビュフォード(島根)」といった先例が存在する。その一方でネックは、その高い攻撃スキルが故に「ブラックシェア個人軍」になるリスクも(少なくとも、ブラックシェアが健康体であることは、来季の広島の大きな鍵といえるだろう)。
 エバンスの獲得は、「ブラックシェア個人軍」にならないためのリスクヘッジの部分もあるといえるか。



 以上になります。勿論、蓋を開けないとわからない部分は勿論少なからずありますけど、感覚的には、
 「野球でいう、『タイラー・オースティン(横浜DeNA)』のような衝撃になり得る可能性は、充分にあり得る。」
 と、自分は解釈しています。オースティンは、「故障癖が玉に瑕」ですけど、健康体ならば「ああ、さすがはMLBでも飛距離が異次元だったほどはあるよなあ」と感じさせますから。

 広島ですので、「ブラッド・エルドレッド(広島)」のようになって欲しい、の方がより伝わるかなでしょうか。エルドレッドは、その成績以上に、特に人間性(「日本人以上に日本人」って感じ!)で、応援球団の枠を超えて愛されましたから。


 いずれにせよ、「ケリー・ブラックシェア」の特徴の参考になりますと、とても嬉しいです。


 【バスケットボール#14B】

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