自死に失敗

前回のお話の続きです。

※前回の記事は自死を決行した話ですが少々過激すぎたため公開停止になってます
※今は編集して見れるようになってます

心臓に包丁を突き刺し、即死せずに
気絶した後のこと。

目が覚めたのが約2時間後の22時15分ごろ。
気絶する前から何回も腕時計を確認してたので
なんとなく時間は覚えてる。

意識は朦朧として体に力が入らない。
なぜ目が覚めたのか、おそらく
理由は二つある。

一つめは狭い個室で丸まるように横たわってたから
足腰がめちゃくちゃ痛い。だるい。
ただただひたすら足を伸ばしたい。

二つめはとにかく寒かった。
いくら5月の終わりとはいえ夜になると肌寒いくらいだったし、その日は特に気温が低かった。
しかも血で濡れた服が体にまとわりついてるし
大量に出血してるから体温の上げようが無かったんかな。

ひたすら足を伸ばしたくてドアの鍵を開けたいが
手が届かない。起き上がれない。

しばらくもがいてなんとかドアを開けたはいいが
外の冷たい空気がもろに体に当たってめちゃくちゃ寒い。
一体どうしろと。

とりあえずまたドアを閉めて丸まる。

もはやまた包丁を刺す気力はなくただただ
足腰の痛みと寒さに耐える時間。

耳の裏側の顎の付け根あたりから脳に向けて包丁を突き刺す方法を思い出したけど、どう考えても怖いし痛そう。(心臓はよくて脳は怖い、なんじゃそら)

1時間耐えたけど、これはもう死ねない気がしてきたぞ。
死ねないというよりは痛さと寒さに耐えきれんくなった。
そこが死ぬのを諦めた瞬間。

23時15分。スマホの電源を入れる。
とほぼ同時に嫁からの着信。
嫁「どこにおる!?」
私「トイレ」
嫁「どこの!?」
私「公園の」
嫁「何しとるん!?」
私「なにもしてない」
嫁「帰ってこれる!?」
私「無理」
嫁「迎えに行くから場所教えて!」

みたいなやり取りをして場所の説明をし、
とりあえずきてもらうことに。
どうやらそのときはまだ、呂律が回ってない私の声を聞いて、酔っぱらって帰れなくなったと思ってたみたい。

それから私を発見した嫁は大層驚き救急車を呼び病院に運ばれ。

病院の担架に乗せられ記憶にあるのは
体内の血が少なすぎて脈が計れない、血管がぺったんこになってて点滴の針が刺せない、輸血の量が多すぎて血の解凍が間に合わない、手術室が空いてない、寒いのか痙攣なのか手足がビクンビクン、目を閉じて寝ようとする度に「大丈夫ですかー!」と叩き起こされる。(後からその看護士に聞いた話では意識を保っておかないとそのまま死んでしまうから、らしい)
手術室が空くまであと20分あるらしく、
それを待つ時間が永遠のように感じられた。

周りが慌ただしく動き回るなか、
こちらはだんだんと呼吸がしづらくなる。
平常時に100%息を吸えるとしたら
病院に運ばれた時点で50%くらい。
それが30%になり20%…
私「息が苦しいです…」
医者「もうすぐ手術室入るからねー、頑張ってー」

10%…
  5%……
  3%………
私「苦しい!息ができん!」


失神。


目が覚めたらベッドの上でした。
口には管を入れられ、手足には大量に点滴のチューブ。そのときぼんやりと思ったのは

『あぁ、失敗したのか』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?