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合気道至心会 ✕ シニア・基礎クラス(現:基礎・呼吸クラス)

(注)「シニア・基礎クラス」は2024年5月に「基礎・呼吸クラス」へと、名称を変更しました。この記事は2022年の道場開設当時に書かれたものであるため、記事中では「シニア・基礎クラス」のままとしています。

参考までに、クラス名称の変更理由は次の通りです。

  • 年齢制限を設けていない(シニア層に限定したクラスではない)

  • 呼吸法を大切にすることを明示したい


(0)この記事の目的


当会では次のような方を対象に、少人数で丁寧な稽古を行う「シニア・呼吸クラス」を設けます。

  • 合気道初心者の「シニア層」(*1)

  • 「体力に自信のない」合気道初心者

  • 「武道的」なセルフケアやエクササイズに興味をお持ちの方

  • 「呼吸法 / マインドフルネス」に興味をお持ちの方

合気道は、年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができる武道です。
これを前提とした上で、年齢や性別、体格に応じた、より良い稽古を目指して、「子どもクラス」や「女性クラス」のような区分を設けて稽古をされている道場も見られます。

当会では、「一般クラス」「子どもクラス」とは別に、「シニア(・基礎)クラス」を設けます。私が知る限り(+ウェブで検索した限り)、「シニア向け」のクラスを個別に設ける合気道の道場は、非常に珍しいようです。

この記事では、合気道至心会が「シニア(・基礎)クラス」を設けるに至った経緯や目的を説明しています。ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

(*1)シニア層の初心者でも、「一般クラス」への入会が可能です(普段から身体を動かすことに慣れている方 等)。原則として、クラスはご自分で選択いただけます。

(*1)シニア層でなくても「シニア・基礎クラス」への入会は可能です。平日の午前中に稽古がしたい方や、呼吸法 / マインドフルネスなどに興味のある方にも、おすすめのクラスです。

(注:写真と本編とはあまり関係ありません)

(1)「シニア・基礎クラス」を設ける理由


① 初心者シニア層と合気道の実情(※個人的な経験)

フルタイムワークを引退された方、子育てが一段落された方、またコロナ禍で増えたおうち時間を活用したい方、、、

こうした方々の中には、これまでに忙しくて手が出せなかった時間の使い方として、「武道」や「合気道」を選択される方が増えているように思います。私が稽古していた東京の道場でも、入門を希望するシニア層の初心者(ここでは60歳以上とします)に多く出会いました。

合気道は、年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができるのが特徴です。そのため、道場では幅広い年齢層が同じ稽古に励んでいます。私が通った道場では、10代から80代までの道場生が一緒に稽古していますし、師匠は93歳(1929年12月14日生まれ)の現役です。

合気道は、試合がなく、相手を痛めつけることを目的としないため、ケガの少ない武道でもあります。また、外から稽古を見ると、道場生は軽々と動き、いとも簡単に受身を取っているように見えるため、「自分にもできそう」と感じやすいようです。

こうしたことから、シニア層にとっても、初心者から始めるにあたっての心理的ハードルが低い武道のようです。

しかし、外から見るのと実際に稽古をするのとでは大違いです。
私が道場で出会った初心者シニアのほとんど全員が、数回の稽古で姿を見せなくなってしまいました。

厳しくされたとか、無理な稽古をさせられた、というわけではもちろんありません。

指導をされる先輩方も、共に稽古をするわれわれ道場生も、その方たちがケガをせず、少しでも早く稽古に慣れてもらえるように、いつも以上に丁寧に教え、一緒に稽古していたと記憶しています。

また、私が出会ったシニア初心者の皆さんは、熱心に見学に来られた上で入門して、やる気十分でした。

では、なぜ稽古をやめてしまわれたのか??

② シニア初心者が稽古をやめてしまう理由は?

● 「合気道ができる身体へのアップデート」に時間がかかる
合気道の稽古をするためには、日常生活では絶対にやらない動きや姿勢に慣れる必要があります。

例えば「受身」です。
受身は、ケガをせず良い稽古を行うための必須動作です。これを身につけるためには、「ある程度の練習と、それに伴う身体の変化」が必要です。特に、シニア初心者は、若い世代よりも相対的に筋力の衰えや柔軟性の低下が避けられないため、同じ動作を身につけるのにも時間が必要です。

ですが、私が出会ったシニア初心者の方々は「ある程度の練習と、それに伴う身体の変化」を経験する前に、心が折れてしまわれたようです。これには、次に書くような道場の外部要因もあると思われます。

●「周りと同じ成長速度」を自分が求めてしまう
合気道の特徴として、「年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができること」と書きました。共に稽古をするので、稽古内容は基本的に同じです。

初心者は入門直後、受身や基本動作などを、指導者や先輩道場生からマンツーマンで教わることができます。しかし、ある程度のことを教われば、そこからは他の道場生と一緒の稽古に移ります。

最初に行われるマンツーマンでの稽古は、あくまでも、その後の稽古への準備でしかありません。当然、他の道場生と混ざっての稽古に移った段階では、できないことばかりです。

そして、(上述のように)シニア初心者は「合気道ができる身体へのアップデート」に時間が必要です。

周りが簡単にできているように見えることが、自分にはなかなか出来ない。こうした経験が続くと、心が折れてしまうようです。

③ 先輩道場での「シニアクラス」との出会い

合気道は「年齢や性別、体格を問わず、共に稽古ができる武道」なのに、「シニア層の初心者」には門戸が閉ざされているのか?

そう思っていた時期に、先輩が長野県で主催する道場にお邪魔する機会がありました。そこで2級の審査を受けていたのが、60代後半の男性でした。

その方にお話をきくと、「一般クラスでの稽古を一度諦めたが、シニアクラスで稽古を続けて、再び一般クラスに戻ってきた」ということでした。その方は合気道が楽しくて仕方ないようでした。

私はこの男性の楽しそうなお姿を見て、当会でも「シニアクラス」を設けたいと思いました。

シニア層が合気道を始めるためには、まずは「合気道ができる身体へのアップデート」を時間をかけて行う必要があります。そしてそれを、その人なりのペースで、その人にあったやり方で、じっくりと進めていく場にしたいと思っています。

長野で立ち寄った美ヶ原高原

④ 必ずしも「同じ稽古内容」である必要はない

「合気道ができる身体へのアップデート」と書きましたが、合気道至心会のシニア・基礎クラスでは「一般クラスへの移行」を共通目標には掲げません

当会では、合気道の稽古を通じて「心と身体の使い方」を学ぶことを目指します。「心と身体の使い方」は、「生きる力の高め方・保ち方・使い方」とも言いかえられます。

「一般クラス」の稽古は、互いに技をかけ合い、技の稽古を通してお互いを錬り上げていくことを目指します。

ですが、最終的な目標である「心と身体の使い方」や「生きる力の高め方・保ち方・使い方」を学ぶためには、必ずしも「互いに技をかけ合う稽古」にこだわる必要はない。私はそう考えています。

「シニア・基礎クラス」では、当会の目標を見据えたまま、それぞれの参加者に必要な稽古を行っていきます。

(注:写真と本編とはあまり関係ありません)

(2)「シニア・基礎クラス」の特徴


① 少人数で、参加者それぞれに必要な稽古を行います

▶ 少人数で稽古を行います(最大でも8名程度)。

▶ 参加者それぞれの状態・レベルを見ながら、必要な稽古やエクササイズを行います。

▶「呼吸法」を大切にします。

②「合気道ができる身体へのアップデート」を目指します

▶ 合気道の基本動作や稽古法を通じて、合気道ならではの身体の使い方を習得します。これは、効率的でケガをしにくい身体の使い方です。こうした身体の使い方は、日常生活や他の趣味(スポーツ等)にも応用が可能です。

▶ 合気道の稽古法だけでなく、ご自身で行える武道的なエクササイズや、セルフコンディショニングの方法をお伝えします(例:四股トレ、ストレッチポールを用いたエクササイズ 等)。

③ 合気道の基本から丁寧に行います

▶ 合気道の基本(呼吸法・足さばき・受身 等)を、時間をかけて丁寧に行います。単に形(かたち)をお伝えするのではなく、その意味や目的、ご自分で練習する際の注意点などもお伝えします。

▶ 武道具(木剣・杖(じょう)等)を用いた稽古を行います。
合気道は剣や杖(槍)の動きがベースになっているため、武道具を用いることで理解が深まります。

基本を丁寧に行えば、やみくもに技の稽古をするよりも、合気道に熟達することが可能です。

一般的な道場(当会の「一般クラス」を含む)では、こうした基本的な稽古や説明に多くの時間を割くことは難しいのですが、合気道至心会のシニア・基礎クラスでは、基本と呼吸法に重点を置いた稽古を行います

(練習風景)座った状態からの受身

④ 参加者の「目標」はそれぞれで構いません

シニア・基礎クラスに参加する「理由」や、ご自身で掲げる「目標」は、それぞれで構いません

例えば、

● 日常生活でケガをしにくい身体の使い方を学びたい。

● 技を掛けあう稽古よりも、「呼吸法」や「武道具を使った稽古」に興味がある。

● 「一般クラス」にいきなり入るのは不安だが、いつかは「一般クラス」でも稽古をしたい。 などなど

ぜひ、皆さまの「目標」や「理由」をお聞かせください。それに適うような稽古法やエクササイズを行います。興味のある方は、合気道至心会のホームページも併せてご覧ください。

また、稽古を始めたいけど不安や疑問がある方は、遠慮なくお問合わせください(お問合せフォーム)。

皆さんと共に、道場で稽古できることを楽しみにしております。


(本文終わり)



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