ポーカーフェイス
前回お話した表情筋について、
今回はもう少し踏み込んだ話をしてみようと思います。
前回は技をかける時に顔を強ばらせないことがミソであるとお伝えしました。
技をかけるときはむしろ顔から力が抜けるような
眠るような顔付きになることが重要です。
良くあるパターンが技をかけるタイミングで徐々に顔付きが険しくなるパターンです。
これは明らかに力みとなるため、
本来であれば相手に止められる動きです。
顔が力んでるということは、身体も同様に力んでるからですね。
なので、技をかけるときにはむしろ、かける前以上に険しくならない。
もっと言うと不変というのが望ましいです。
これを死守することで相手に浸透する技が生まれます。
相手の表情が技の前後でどう変化したかを注意深くみると観察眼が養成されます。
私の先生は技の前後で顔の表情が一切変わりません。
むしろ、そのまま眠るんじゃね?ってくらいの顔付きになってます。
これをやると、そんな気を抜くな!!とか言われやすいですが、一番速くかつ浸透する力を生み出すのは脱力です。
もちろん、ぼーっとし過ぎるのも良くないですが、下手に力む癖が付くより最初は気絶するくらいの気持ちがちょうど良いのかなと思います。
ここら辺が一般的な常識と少し違うので、
中々、理解されないかもしれませんがこれは非常に重要です。
かの有名な大東流合気柔術の佐川幸義先生も、
「最後の方でクッと力を入れてはいけない」
と仰っていたそうです。
これはついつい手応えを求めてしまうので、
つまり、技をかけた!!って実感を求めてしまうので、
最後の方ほど力を入れる傾向があります。
ですが、手応えがあるということは、
相手もその手応えを感じることができる、
即ち、止められる動きということです。
力む癖は解消するには時間を要します。
私自身もそうでしたし、未だ力が入ることはあります。
ただ、私は顔の表情筋を技の前後で変えないことを意識したら、
随分と力みの癖は解消されました。
つまるところ、相手に悟られない動きを追及すると、
相手に与える情報を最小化するという結論に至るんですね。
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