晴れた日は、雨が恋しくなる


薄暗い空
疲れた身体を生ぬるい風が通っていく
全然心地よくない、なでた肌にうっすらと水が流れている
まとわりつく汗を気にしながら、車にエンジンをかける
走り出した車内はまだ暑い

土砂降りの雨が降っていた昨日とは違い、昼間の太陽がアスファルトに熱を残していた

「今日は雨が降ってほしかった」

そんなことを運転しながら考える。いつもは嫌いな雨を望んでいた

雨のような気持ちを感じるときがある・・・泣きたいと
悲しくはない、特に嬉しくもない

言葉にしようと思えばできていた
でも何かが壊れてしまいそうでそのまま心に浮かべる

誰もいない自宅に帰る、当たり前かぁ
音のない空間でどんどん強くなっていく


――ただ泣きたい――


溢れるこの思いを言葉じゃなく吐き出したい
だって苦しいんだ
コップに注いだ水が零れていきそうで
どうにかギリギリで保っているラインを
続けるのはしんどい


――もう意地は張りたくない――


どこか張り詰めた思いを消し去りたい
抱えているようには感じないけど
気づかないうちにたくさんのものを
心の中に取り込んでいた

荒い言葉に反応したり
誰かの何かに感情移入したり
そんな毎日に疲れ切ってしまいそうになる
もう何もかも無くしてしまおうと
全てをシャットアウトしそうになる


――さらけ出したい――


汚い事も辛い事も苦しい事も
嬉しい事も楽しい事も
ごちゃごちゃに混ぜて
吐き出したい


泣く理由を探していた
映像でもいい
音楽でもいい
感情が高まるのであれば何でも


小学生のころみんなの輪の中に入るのが苦手だった
既に仲間となっている枠に入ったら迷惑になるんじゃないかと思って
いつも1人だった
そんな時ある音楽に出会った


いつも強い子だねって言われ続けてた 泣かないで偉いねって褒められたりしていたよ そんな風に周りが言えば言う程に 笑うことさえ苦痛になってた 1人きりで生まれて1人きりで生きてゆく きっとそんな毎日が当たり前と思ってた


私のことを言っているようで聞きながら泣いていた
カセットテープが擦り切れるくらい何度も何度も聞いた
同じような気持ちを持っている人がいるって
思えるだけで勇気が湧いた 
元気になれた


きっとその時のような感情
どうにもならない現実に苦悩しているのを
吹っ切るため 軌道修正するため
泣きたいんだ

これは悲しい涙ではない
うれし涙でもない
それでも泣きはらした後は
随分軽くなっている自分がいる


理由のない涙


たまには流してもいいよね?








最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!