応援ブランディング@エイドデザイン渡部直樹

応援ブランディングの専門家。 全国ブランディング事例コンテスト2022「ブランディング…

応援ブランディング@エイドデザイン渡部直樹

応援ブランディングの専門家。 全国ブランディング事例コンテスト2022「ブランディング準大賞」「SDGs審査員特別賞」W受賞。 著書【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】(同文舘出版・2024/2/17・商業出版) HP:https://aiddesign.jp

マガジン

  • 愛され続ける会社から学ぶ “応援ブランディング”

    “応援ブランディング”とは、 応援者を意図的に生み出す仕組みづくりのこと。 小さな会社は周りから応援されることで、一過性ではなく、持続可能なブランドに生まれ変わります。 このマガジンは 「まわりから愛され、応援されるようなブランドをつくりたい」 「小さくても自分が思い描いている理想のブランドをつくりたい」 「自分たちの価値を認めてくれるお客様と向き合っていきたい」 そんな中小企業や小規模事業の経営者に向けたものです。 「愛され続ける会社から学ぶ “応援ブランディング”(同文舘出版・2024/2/17)」の内容を、著者が分かりやすくコンパクトにお届けします。

記事一覧

ブランド化の最終形態の一つはアート?

▼先日、友人たち夫婦とともに地元で有名なレストラン、ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)さんを訪れました。 シェフの小林 寛司さんは4年前に情熱大陸で取り上げられたり、…

劣悪な労働環境なのに、応募が殺到した超超超ブラックな人材募集広告

「採用ブランディング」という言葉があるように、採用とブランディングは非常に親和性が高い領域です。 訴求する対象は違えど、企業の魅力を高め、適切な人材を引き寄せると…

【応援ブランディングvol.18】ブランディングでつまずく3つのパターン③

③思い付きで発信してしまい、一貫性のある活動を継続できていない 3つ目は、「思い付きで発信し、一貫性のある活動を継続できていないパターン」です。 ブランディング…

【応援ブランディングvol.17】ブランディングでつまずく3つのパターン②

②外に向けたブランディングを優先させている 2つ目は、「外に向けたブランディングを優先させているパターン」です。 外とは社外に向けたブランディングのこと。 応援ブ…

【応援ブランディングvol.16】ブランディングでつまずく3つのパターン①

①自社ブランドの強みを絞り込めていない まず、ひとつ目は、「ブランドの強みを絞り込めていないパターン」です。 〝強み〟と言うより〝軸〟と言ったほうが適切かもしれ…

天空の城ラピュタから学ぶ、日常生活とビジネスを滅ぼす『言葉』

先週末の日曜日、家族でまったりと『天空の城ラピュタ』を観ていました。 スタジオジブリの中で一番好きな映画なんですよね。 もう何度、観たことか。 作中でもっとも印…

【応援ブランディングvol.15】ブランディングでよくある3つの間違い③

③ブランドは自分たちのものではなく、お客様のもの ブランドをつくる上で押さえておいていただきたいのが、ブランドは自分たちのものではない、ということです。 「ブラ…

【応援ブランディングvol.14】ブランディングでよくある3つの間違い②

②とにかく知名度を上げればいい……は大きな間違い ブランディングを進める際、「とくかく知名度を上げたい」という方が一定数いらっしゃいます。 知名度とは文字通り、…

【応援ブランディングvol.13】ブランディングでよくある3つの間違い①

①かっこいいロゴをつくることがブランディングではない ブランディングの相談でよくいただくのが、「ロゴをつくりたい」とか「ホームページを刷新したい」というご依頼で…

ミッションとビジョンに必要な、もう一つの「WHY」とは?

以前、NewsPicksでメイクマネーという番組を見ました。 内容は24歳以下の若き起業家たちが自分たちのビジネスをプレゼンし、勝ち残った者が賞金を手にするというもの。 …

【応援ブランディングvol.12】応援ブランディングとは?

ここまでの話を整理させていただきます。 まず、ブランドとは「消費者・顧客から識別されている状態」を表わします。 次にブランディングとは、「ただ識別されるのではな…

【応援ブランディングvol.11】ブランディングの定義

お客様から識別されるだけでなく、ブランドプラスの状態にするためにはどうすればいいのでしょうか? ※ブランドの状態についてはこちらの記事をご覧ください。 その答え…

【応援ブランディングvol.10】ブランドの定義

あなたは「ブランド」と聞いて、何を思い浮かべますか? ルイ・ヴィトンやグッチというようなブランド名そのものを思い浮かべられた方、あるいは「ブランドは信頼だ」と言…

【応援ブランディングvol.9】応援されるブランドは経営者が燃えないとつくれない

ブランドという言葉は、古い北欧の言葉で焼き印を意味する「Brandr(ブランドル)」が語源とされています。 もともとは放牧していた牛などの家畜に焼き印を押し、「この牛…

【応援ブランディングvol.8】ブランドの不易流行とは?

ブランドと言うと、一度決めたことを変えずに続けているというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? とくに伝統あるブランドに対しては、そのような印象を…

【応援ブランディングvol.7】予測不可能な時代で唯一予測できるのは応援の力

生成AIを始めとするデジタルテクノロジーの進化や消費者ニーズの多様化など、私たちを取り巻くビジネス環境は先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代に突入しています。…

ブランド化の最終形態の一つはアート?

▼先日、友人たち夫婦とともに地元で有名なレストラン、ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)さんを訪れました。 シェフの小林 寛司さんは4年前に情熱大陸で取り上げられたり、ミシュランで二つ星を獲得しているので、もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれません。 お客様の中には、わざわざ東京からヘリに乗って食べにくる方もいるそうです(驚)。 アイーダさんの料理体験に触れ、様々な気付きをいただきましたが、それらをひと言に凝縮すると『どんな業種でも突き詰めていくと、アートに

劣悪な労働環境なのに、応募が殺到した超超超ブラックな人材募集広告

「採用ブランディング」という言葉があるように、採用とブランディングは非常に親和性が高い領域です。 訴求する対象は違えど、企業の魅力を高め、適切な人材を引き寄せるという点ではまったく同じ。 ということで、今回は採用ブランディングについて少し深めていきます。 1. そもそもブランディングができている会社は、採用にお金をかけない 拙著【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】を出版する際、日本中の応援されるブランド(会社)の経営者さんをインタビュー取材しました。 ※内

【応援ブランディングvol.18】ブランディングでつまずく3つのパターン③

③思い付きで発信してしまい、一貫性のある活動を継続できていない 3つ目は、「思い付きで発信し、一貫性のある活動を継続できていないパターン」です。 ブランディングには、「意図的」「一貫性」「継続性」という要となる3つのキーワードがあります。 【意図的】…はっきりとした目的意識を持つ 【一貫性】…すべてにおいて矛盾がない 【継続性】…足を止めずに続けていく つまり、「思い付きで発信し、一貫性のある活動を継続できていない」という状態は、ブランディングの要をすべてを守れてい

【応援ブランディングvol.17】ブランディングでつまずく3つのパターン②

②外に向けたブランディングを優先させている 2つ目は、「外に向けたブランディングを優先させているパターン」です。 外とは社外に向けたブランディングのこと。 応援ブランディングではあらゆるステークホルダーのことを大切に考えた上で、内部へのブランディング活動であるインターナルブランディングを重視する必要があります。 話をわかりやすくするため、まずブランディングの種類から説明させてください。 実はブランディングには2つの種類があります。 ひとつは社外に向けたブランディング。

【応援ブランディングvol.16】ブランディングでつまずく3つのパターン①

①自社ブランドの強みを絞り込めていない まず、ひとつ目は、「ブランドの強みを絞り込めていないパターン」です。 〝強み〟と言うより〝軸〟と言ったほうが適切かもしれません。 これはブランディングではなく広告、とくにチラシを見ているとよくわかります。 「あれもできます」 「これもできます」 「さらにこんなこともできるんです!」 これだと伝えたいことが多過ぎて、結局どんな会社でどんな内容だったのかまったく記憶に残りません。 あなたにもそんな経験はないでしょうか? これは自

天空の城ラピュタから学ぶ、日常生活とビジネスを滅ぼす『言葉』

先週末の日曜日、家族でまったりと『天空の城ラピュタ』を観ていました。 スタジオジブリの中で一番好きな映画なんですよね。 もう何度、観たことか。 作中でもっとも印象的なのは、ラピュタ城が崩壊に向かうシーン。 主人公のシータとパズーが飛行石を手に持ち、滅びの言葉を唱えることでラピュタ城が崩壊に向かうのです。 「バルス!」 子どもの頃から何度も観たシーンですが、「そんな簡単な言葉でこんな大きな城が一気に崩壊するのだなあ…」と毎回心が揺さぶられる記憶があります。 1. 滅

【応援ブランディングvol.15】ブランディングでよくある3つの間違い③

③ブランドは自分たちのものではなく、お客様のもの ブランドをつくる上で押さえておいていただきたいのが、ブランドは自分たちのものではない、ということです。 「ブランドをつくったのも育てたのも、自分たちなのになぜ?」と思われるかもしれません。 これは、ブランディングの定義を思い出していただくとわかりやすいでしょう。 ブランディングとは、企業側の「こう思われたい」と、お客様の「こう思う」をイコールにするための活動と定義しました。そのために必要なのが、企業側の「こう思われたい」

【応援ブランディングvol.14】ブランディングでよくある3つの間違い②

②とにかく知名度を上げればいい……は大きな間違い ブランディングを進める際、「とくかく知名度を上げたい」という方が一定数いらっしゃいます。 知名度とは文字通り、企業や商品、サービス、人などの「名前」が知られている度合いのことを表わしたもの。 もちろん、ブランドのことを知ってもらわなければ選ばれることは絶対にないので、知名度は上げなくてはいけません。 ここで知名度を獲得した一例を挙げさせていただきます。 お酢を使用せず、柚子やスダチなどの果樹だけをブレンドした「ヒロポ

【応援ブランディングvol.13】ブランディングでよくある3つの間違い①

①かっこいいロゴをつくることがブランディングではない ブランディングの相談でよくいただくのが、「ロゴをつくりたい」とか「ホームページを刷新したい」というご依頼です。 ブランディングのことをあまり理解されていない方からは、「○○(大企業)みたいな格好いいロゴをつくりたい」とか「△△(こちらも大企業)みたいなデザインにホームページを変えたい」というようなオーダーをいただくのですが、そのまま聞き入れてそれらをつくってしまうと、数年後、確実につくり直さないといけなくなります。

ミッションとビジョンに必要な、もう一つの「WHY」とは?

以前、NewsPicksでメイクマネーという番組を見ました。 内容は24歳以下の若き起業家たちが自分たちのビジネスをプレゼンし、勝ち残った者が賞金を手にするというもの。 その中で、ある起業家が自社サービスの内容をリリース前ということで詳細を伝えなかったことに審査員のホリエモンが噛み付きました。(動画の4分40秒付近です) 「リリース前なので、大企業に真似をされたら自分たちのビジョンが実現できない」という若手起業家に対し、 「大企業が真似をしてくれたら、大企業がビジョン

【応援ブランディングvol.12】応援ブランディングとは?

ここまでの話を整理させていただきます。 まず、ブランドとは「消費者・顧客から識別されている状態」を表わします。 次にブランディングとは、「ただ識別されるのではなく、自分たちが思ってもらいたいイメージ通りに認知してもらうための活動」のこと。 そして応援とは、「対象ブランドの商品やサービスを購入したり、口コミやまわりの人に紹介するなどブランドにとってポジティブな行動を能動的に起こす」ことです。 よって、応援ブランディングは次のように定義されます。 〝正しい認知を獲得する

【応援ブランディングvol.11】ブランディングの定義

お客様から識別されるだけでなく、ブランドプラスの状態にするためにはどうすればいいのでしょうか? ※ブランドの状態についてはこちらの記事をご覧ください。 その答えこそがブランディングです。 ということで、ここからは拙著【“愛され続ける会社から学ぶ応援ブランディング”】におけるブランディングの定義についてお話させていただきます。 まずはこちらの図の右側をご覧ください。 ブランディングに必要なのは、企業が伝えたい独自性のある価値を言葉にしたブランド・アイデンティティです。

【応援ブランディングvol.10】ブランドの定義

あなたは「ブランド」と聞いて、何を思い浮かべますか? ルイ・ヴィトンやグッチというようなブランド名そのものを思い浮かべられた方、あるいは「ブランドは信頼だ」と言う方、また、「ブランドはファンづくりだ」と言う方など、人によって様々なキーワードが出てきたと思います。 こういう横文字には基本的に正解・不正解はありませんので、いまあなたがお持ちの解釈やブランドに対する定義があれば、それはあなたにとっての正解です。 しかし、「ブランドはルイ・ヴィトンだ」と言う方と「ブランドはファ

【応援ブランディングvol.9】応援されるブランドは経営者が燃えないとつくれない

ブランドという言葉は、古い北欧の言葉で焼き印を意味する「Brandr(ブランドル)」が語源とされています。 もともとは放牧していた牛などの家畜に焼き印を押し、「この牛は自分のもの」という所有権を表わしていました。 その後、「私が育てました」という生産者の識別になり、いまでは「肉質が違います」という競合との差別化を表わす意味合いを持っています。 しかし、私は応援されるブランドという文脈においては、もうひとつの語源である「burn」(燃える)が相応しいと考えています。 な

【応援ブランディングvol.8】ブランドの不易流行とは?

ブランドと言うと、一度決めたことを変えずに続けているというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? とくに伝統あるブランドに対しては、そのような印象を持っている人が多いと思います。 実はブランドには、変えてはいけないもの(不易)と変えていくもの(流行)があります。 たとえば、室町時代後期から5世紀にわたり続いている和菓子の名店・虎屋の場合、「本当に美味しいものを誠実につくること。一生懸命に和菓子を極めること。それ以外に変えてはいけないものはない」と断じています

【応援ブランディングvol.7】予測不可能な時代で唯一予測できるのは応援の力

生成AIを始めとするデジタルテクノロジーの進化や消費者ニーズの多様化など、私たちを取り巻くビジネス環境は先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代に突入しています。 いわゆる VUCA(ブーカ。「Volatility(変動性)」、「Uncertainty(不確実性)」、「Complexity(複雑性)」、「Ambiguity(曖昧性)」)と呼ばれる時代です。 そんななか、唯一予測できるのが〝応援の力〟です。 2021年のコロナ禍、朝日新聞の「天声人語」に次のような記事があ