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奇跡とは、優しさ

「天国からの奇跡」。

この映画を最初に観たのは5年前。3ヶ月弱のコスタリカへの一人旅の最後、アメリカから韓国へ向かう飛行機の中で何気なく選んだこの映画が、思いのほかわたしの心を大きく大きく揺さぶった。嗚咽してしまうほど号泣しながら、CAさんや隣の知らないお姉さんにチラ見されながら、溢れてくる涙と鼻水と感情を垂れ流した。


この映画では、とても不思議なことが描かれている。

普通に生活していた小学生の女の子が突然難病にかかってしまう。それまで仲良く楽しく過ごしていた家族も大変なことが増え、段々と笑顔が減っていく。特にお母さんはその子を救う手段を探すことに必死で、その姿はこちらが見るのも辛くなってしまうほど。経済的にも苦しくなったり、姉妹もたくさん我慢していたり、家族が離れて暮らさないといけなくなったり。そんな中、ある日事件が起きる。庭にある大きな木にお姉ちゃんに助けてもらいながら登った主人公が、3階建ての建物の高さほどもあるその木の空洞の中に落ちてしまう。救助は難航するが、引き上げられたときには大きな怪我どころかアザすらなく、さらには元々患っていた病気すらも後に回復していく、という話だ。

しかも、驚いたことにこれは実際にあったことをもとに作られた映画なのだ。エンドロール前に、モデルになった人たちが出てくる。


さっき、もう一度この映画を観た。これで3回目だ。急に無性にもう一度観たくなる。これはわたしの人生のバイブルだ。

何がそんなにいいのか。

女の子が奇跡的に回復していく姿に感動する、という訳ではない(わたし的には)。

「奇跡とは、優しさです」。そう言ったその女の子のお母さんのこの結論が、素敵すぎるのだ。

こんな風に頭では理解できないくらいの大きな奇跡を体験し、最後に出した結論が〝周りの人の優しさ〟だということ。

お母さんがその話をしているときに、それまで周りにいた人たちがしてくれた、小さな気遣いや少しの勇気ある行動、温もりのある想いが映し出される。なんていうか、人のそういう優しさが、本当に尊いんだ。

そしてこの映画では、キリスト教の教えを中心にして話が進んでいく。もしかしたら、そうじゃない人が観ると受け入れがたいこともあるかもしれない。実際わたしもキリスト教ではないのだけれど、人それぞれ〝かみさま〟の見え方が違っているだけなんだろうと思っているので、大切な重なる部分は大いに感じ取ることができた。


こんなに心を揺さぶられるのはわたしだけなのだろうか。個人的な経験と重なって特別なものになっているような気もしている。

こんなにもおすすめしたい、大好きな映画なのに、この文章のように全然うまく言葉にできなくて、未だにわたしの薦めで観た友人はまだ誰もいない(笑)。残念すぎる。

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