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『会社に行く』ことは必須なのか②

あなたは545万円の命なわけないのだ。

突然だけど、東武東上線ってご存知だろうか?

ちょっと東武東上線の話をしてみたい。


わたしは先日、これと同じタイトルで投稿をした。

思うことがあり、この題材についてもう少し踏み込むことにした。


東武東上線とは・・・

東武鉄道の在来線で、池袋始発の埼玉方面行へ向かう電車である。

『池袋は埼玉』と言われるのはこの東武東上線ユーザーと、平行して走る西武池袋線ユーザーが池袋で働いている率が異様に高いからだ。

東武東上線は、有楽町線や副都心線(東横線)直通でもあり、新宿、渋谷、中目黒、横浜方面にも、
飯田橋、有楽町、銀座にも乗換なく往来可能な非常に便利な路線。

わたしもここ数年はずっと東武東上線から地下鉄に乗り入れて通勤している。

特徴のひとつは、この路線、家賃がべらぼうに安い。

都内停車駅も豊島区の北エリアや板橋区など、都内ではわりと家賃がリーズナブルなエリアだし、学校も多いので学生向け物件もあふれている。

埼玉に入るとほどよく田舎になり、西武池袋線沿線よりも家賃相場は安い

東武東上線沿線にはメジャーなところがいっぱいある。

テレビでおなじみの大山ハッピーロードや、蒙古タンメン中本の本店、小江戸川越を有している。

え?少ない?

充分だ。

あ、みずほ台駅、鶴瀬駅は革新的な構造で、駅がマンションになっている。駅ビルじゃなくて、普通にひとが住んでる。駅徒歩0分。駅在住。斬新。

有名人もたくさん輩出している。

爆笑問題の太田さん、本田美奈子さん、神木隆之介さん、インパルス板倉さん、菅野美穂さん、星野真里さん、市村正親さん、田中みな実さん、とんねるずの貴さん、柴咲コウさん、尾崎豊さん、是枝監督、などなど。

とにかく、家賃や物価が安いし、都心へのアクセスもいいので老若男女、暮らしやすい沿線であるのは間違いない。


そして、もうひとつの特徴。


それは・・・【異常な人身事故の多さ】

昨日も人身事故があったのだ。


実際どれくらい多いのか

いや、調べたくもないんだけど。

でも、こういうことを書くと決めたからにはきちんと調べてみたのだ。

多い、多いとは思ってた。でも、まさかこんな多いと思わなかった。

1 東日本旅客鉄道 東北本線 31件
2 東武鉄道 東武東上線 28件 
3 西日本旅客鉄道 山陽本線_(JR西日本) 27件
3 西日本旅客鉄道 JR神戸線 27件 
5 東海旅客鉄道 東海道線_(JR東海) 26件 
6 小田急電鉄 小田急小田原線 24件
6 西武鉄道 西武池袋線 24件 
6 東日本旅客鉄道 中央本線_(JR東日本) 24件 
9 東日本旅客鉄道 宇都宮線 23件
10 西日本旅客鉄道 東海道線_(JR西日本) 21件


昨年の東武東上線の人身事故数、全国ワースト2位・・・。

鳥肌が立ってしまった。

あまりに多くて、ひどいと1日に2回とか事故があったこともある。

かなしいかな、乗客は皆、事故慣れしてる。

あぁ、またか・・・という感覚で、車内で眠りについたりホームでコーヒーを飲んだり、夜なら仕方ないから動き出すまで飲みに行ったりする。

ホームドアもほぼついてないし、線路に立ち入りやすいところが多いから落ちちゃうひとや、認知症で徘徊しちゃって事故に遭うお年寄りも実際いる。

でも、ほとんどの場合は、自ら命を絶っている

それも20~40代が多い。

緊急事態宣言が発令されてから、わたしは電車に1度しか乗っていないので、どれほど乗車率が落ちたかわからない。

でも、それなりに減っていると思う。

人身事故も激減していた模様だ。

先日の投稿にもリンクを載せたけど、全国の自殺者数も前年の4月から20%減という結果。

それが緊急事態宣言解除になって5日。

東武東上線では、すでに2日連続人身事故が起きている。(ちなみにこの記事投稿翌日、翌々日にも発生しました)

会社に行きはじめて・・・って考えるのは安直すぎるだろうか・・・。

会社に行くって、それでも必須なんだろうか。


会社に行かないとできないこと

会社にいかないとできないことも、もちろんある。

(ここではあくまでオフィスワークとしての話)

・重要契約の締結

・コールセンターでのコール業務

・営業活動(特に不動産系)

・個人情報を扱う

あとは社員の交流とか研修なんかもあるよね。


会社に行くことで起きるしんどいこと

会社に行きたくないときってあると思う。

ワーカホリックなひとでもそんなときがあると思う。

・朝がつらい

・残業がつらい

・上司とうまくいかない

・営業成績がプレッシャー

・人間関係に悩みがある

・満員電車で心が折れる

・空調がつらい

・理不尽なことがある

・飲みニケーションがつらい

どれも感じたことがあると思う。

ひとつひとつ見てみると、そんなたいしたことじゃないの。

でもひとつつらいと、あれもこれもつらくなる。

周りの思う「たいしたことない」も本人にはひどくしんどい。

会社に行くことで、これだけのしんどい要素を受け止めていくことになる。

これを団塊の世代に話したら、きっと怒られる。

仕事はつらいことがあって当たり前だ!

仕事なんてだいたいつらいもんなんだ!

これくらいのことでくじけるなんて弱すぎる!

通勤時間?俺は往復4時間だ!!!前橋からきてるからな!!!

俺たちの時代はなぁ!!!

家庭?そんなもん顧てる暇なんてないだろうが!!!

ごもっともです。わかってます。わたしも昭和生まれです。

そうやって育てられました。

社会に出たら馬車馬のように働くことこそ社会貢献って。


でもね、本当にそうなんだろうか?

このテレワークの毎日の中で思ってしまった。(もちろん、仕事してたらそれなりにつらいことや壁にはぶつかるよ)

誰が決めたの?仕事はつらいって


【会社に行かない】生活

テレワークをしてる方は、会社に行かない日々になにが楽だったろう?

・通勤時間が自分の時間になる

・人間関係を気にしなくていい

・ペースを乱されることがない

・上司に会わない

全部大きい。

ということは、いままで感じてたマイナスな感情って無駄なんじゃないのかなと思ったのだ。

昔ながらの根性論ではこの時代、仕事はできない。

生産性は労働者の技術能率と精神効率にかなり左右される。

たとえば、毎日1〜2時間残業する設定で、
20時に会社を出て、21時に帰宅、お風呂や家事やらなんやらして、1〜2時に寝る。
翌朝6時に起きて7時に出て8時に出社。9時の始業までにやれることをやる。

特に営業や営業事務をしたことのあるひとはわかると思うんだけど、電話が鳴らない始業前が1番仕事がはかどる。
そうなると自主的に早出する社員は多い。

この生活で月22日出勤とする。
睡眠時間 4X 22=84時間

これが、テレワークだとする。
18時ぴったりに仕事を終えて、お風呂に入り1日1本映画を観て23時に寝る。
翌朝6時に起きて散歩して、家事して本を読んで9時に仕事を始める。

この生活で月22日稼働とする。
睡眠時間 7X 22=154時間

この差、どう思う?

同じ6時起き。

ワークライフバランスがとれた生活ってやつ。

なんだろうね。日本の自己犠牲の美学みたいなの。

それが完全に悪いわけじゃないし、それで高いモチベーションと、高い生産性を定年まで継続していけるなら、それはもう素晴らしいし尊敬してしまう。

でも、そんな稀有なひと見たことある?

仕事ってメインはあくまで「業務」であって、『会社に行く』ではない。

会社でしかできないことは、会社でできなくなったらそこで止まってしまう。


『会社に行く』ことで成り立つ仕事と、『会社に行かない』でも成り立つ仕事があるのだから、そこをフレキシブルにしていくことは充分に可能だと思う。

『会社に行く日』『家で集中して仕事する日』ってあってもいいと思う。

会社に行ったほうが仕事がはかどるひと、自宅で仕事したほうがはかどるひと。それぞれの判断に委ねたらいい。

そのひとに自由と責任を持たせたら可能なはずだ。

子育て中のひとだって、『保育園に預けたほうがはかどるなぁ』ってひともいれば、『子供のそばで仕事ができるのは安心だし保育料も節約になるなぁ』ってひともいる。

環境やそのひとの性格で好きにしたらいい。フレックスが可能ならフレキシブルな、いや、ハイブリッドな働き方も可能なはずだ。

『会社に行く』は必須・・・ではたぶんない。

販売、サービス、飲食業以外はたぶんだいたい必須じゃない。

やりたい仕事をしているのに、職場環境に順応できなくて続けられないひとって結構いると思う。

いまでこそ認知されてきてるけど、ADHDとかでうまくいかなくて、周りもそれを理解できない、本人もどうしたらいいかわからなくて、結果本人がそこにいられなくなることも実際多い。

たぶん、50代以上にはまだこれも認知されず、仕事ができないとか甘えてるって印象になってしまいがち。

これは付き合い方や周りの理解で能力がものすごく伸びたりするからもったいないよね。

面倒かもしれないけど、やってもらう仕事をきっちりタイムスケジュール組んで指示してあげたら、ほかのひとより的確に正確にきっちりこなしてくれたりする。

簡単に『仕事のできないやつ』と決めつけてしまいがちなひと、身近にもきっといると思う。

それによって職場に居場所がなくなってしまったひとを目の当たりにした人も多いと思う。


いろんな理由でひとは簡単に追い詰められてしまう。

『会社に行く』ことがつらすぎて生きていけないとまで追い詰められてしまうひとがいる。

『会社に行かない』という選択ができたら追い詰められなかったかもしれない。


【会社に行かない】は実現できるのか

恐らくできる。

むしろベンチャー企業はやると思う。

若いベンチャーは特に非効率的なことを嫌う。

・セールスフォースやチャットワークでリアルタイムで情報共有や進捗報告ができる

・googleドライブ、スプレッドシート有効活用

・ZOOMミーティングしたらいい

・ICT駆使して研修の充実

・自分を律してメリハリつけてやる←これ大事

あとは個人情報の取り扱いに関してだけしっかりすれば、コール業務もMiiTelとかクラウドコールのシステム入れたらコールセンター要らず。

AMAZONやDellは結構早い段階で在宅カスタマースタッフ採用してたよね。

実際、この2ケ月テレワークしてたひとも沢山いる。やってこられた。

やれるはずなのに、導入しなかった企業も沢山あったと思う。

withコロナにせよ、afterコロナにせよ、テレワークの導入は必要だと思う。

『会社に行く』ことにこだわる世代が理解をしてくれたら変わる。

そういう意味で抜本改革のチャンスを得たんだと思う。このコロナ禍って。

いいじゃないか、離島できれいな海見ながら仕事する日がくるかもしれないじゃない。

そういう働き方したっていいじゃない。

抜本改革しようよ。


ストレス疾病にご用心

ストレスをため込むと身体は正直に壊れていく。

わたしも一度ストレス疾病コンボを経験したことがある。

・円形脱毛症(これは結構なりやすいからしかたないんだけど)

・じんましん(靴をはいてると靴を履いてた形でじんましんに・・・)

・胃潰瘍(死ぬかと思った、これは)

でも、怖いのがそのとき、自分をめちゃくちゃ責めていたこと。

仕事はみんなつらいもの。乗り越えるもの。わたしが弱いからいけないんだ。

って思いこんでた。

今思うとこれ、危険だったな。

これがウツにつながる。

その会社の最後は会社に行こうとすると吐き気で動けなくなり、退職した。

退職した途端、嘘みたいに元気になった。

心療内科の先生曰く、ストレスじんましんは結構まずいらしいので、もし心当たりがあるひとは日々のストレス、確認してみてね。


まとめ

仕事で追い詰められたとき、なにか他に拠り所があればまだいい。

家族や恋人の存在だったり、熱中できる趣味だったり。

でも、それすらも目に入らない状態までになるから死を選んでしまうひとが後を絶たない。

仕事の人間関係も、『どーせ仕事上だけの関係だから』と割り切れたらどれだけ楽だろう。

でも、毎日顔を合わせるからそうもいかないんだ。

会社や学校に行くことで死ななきゃいけないなら行かなきゃいい。

そう思える社会にしていかないと。

東武東上線ユーザーは、都心で頑張ってるひとが多い。

でも、そんなに高給取りはいない。(いたらすみません)

家のローン抱えて、寝不足と接待に疲れた身体を頑張って自ら鼓舞して、

なんとか電車に乗り込む。

都心に近いとこに住む上司より、帰るのに時間がかかる。

24:44の終電で帰ると、例えば川越につく頃には1:30近い。

翌朝7:06の電車で会社に行く。

そんなひとがこの路線にはたくさんいる。

ちなみに自殺者が1番多いのは40代男性。

平均年収545万円。

その545万円で生きていくのなら、たった545万のために死んだらだめだ。

今後の働き改革は民間企業それぞれでやっていかなきゃいけない。

御社はどうだい?社員は守られるだろうか。















子供と美味しいお肉を食べる貯金にさせていただきますっ!!