【連載小説】「緑にゆれる」Vol.37
畳に寝ころがって、もう一度、企画書に目を通してみる。それ以上、何も見えてこない。
思えば、昨夜はダブルパンチをくらったような夜だった。企画のことと、過去の失った愛のこと。こちらからアクションを起こしてみたのに、足元をすくわれた。そんな日だった。
里伽が投げかけてきた数々の言葉が頭の中をめぐる。そして、彼女が最後に言った言葉。甘えることが、愛すること? いや、そんなバカな。企画のことを考えていたはずなのに。
カケルは、いつの間にか顔からすべり落ちていた企画書を握りつ