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東京アートツアー~国展98th 国立新美術館 &北欧の神秘展 SONPO美術館~

東京で開催される公募展に絵を搬入するために、先週末、神戸から車で東京まで行ってきた。

初めは一人で行こうと思っていたのだが、私の無謀さを心配した夫が一緒に行ってくれることになり、私の軽自動車に絵を積んで、二人でテコテコと出かけて行った。

途中、快晴の富士山が見えたり、宿泊した中目黒で美味しい焼き鳥屋さんに出会ったり、二人での旅行も楽しかったが、やはり「自由時間は、美術鑑賞でしょう!」ということで、短い時間ではあったが、鑑賞した美術の批評をしたいと思う。

①国展98th 国立新美術館 
国内では大規模の公募展である。
SNSで知人が入選したと書いていたので、観に行くことにした。

とても大きな作品が多かった。というかほとんどが大きかった。

それで気になって募集要項を見てみると、最大のサイズ以外の規定はなかった。作品が大きい方がいいということは何となく感じているが、小さい作品は入選しないのか?なんて思ってしまう。

大きな作品は迫力は出るが、それだけ表現の技術が必要になると思う。
大味になってしまっては、あまり意味がないような、、、

別項目として、会員とか準会員とか、賞をもらうには会員である必要があるのか?など、、、美術初心者としてはそんなところも見てしまう。

ちょっと辛口で申し訳ないが、気合だけでは、表現はできないという気がした。自身が扱えるサイズを心得ておく必要があると感じた。

作品を観るときに、これは私の視点だが、その人が何を表現したいのかとか、その人自身の人柄や想いが伝わってくるものが好きだ。というか、そういう美術がいいのもではないかと思っている。

人の基準に合わせて、自分を無くした作品を作っても何の意味もない。

そこに行き着ける人は、相当に少ないと思うのだが、有名にならなくても、多くの作品を作れなかったとしては、そういったことを大事に作品を作っていけたらいいなと私は思う。

②北欧の神秘 ~ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画~ SONPO美術館 

私は北欧に興味がある。北欧柄とか大好きだし、ほんとかどうかわからないけど前世では北欧によく生まれていたと言われたので、親近感がある。

ただ、、、そう言えばだ。絵画といえばフランスはパリ。やっぱり西欧が本場?みたいなところはあるよね、あるよね。そのなかで、私の好きな北欧を扱うなんて、なんてオサレなの。東京は違うね~ということでめちゃ楽しみに行ってきた。

まず、気になったのは風景画の色味。赤茶けたようなこの色。この色味を私は知っている。少し前に行った、須田国太郎さんだ。国太郎さんはこの影響を受けたのだろうか?と調べたが、北欧には行かれていないみたい。けれどどこかで観たかもしれない。

最近私が思うのは、他の人の絵を観ることの大切さ。多くの作品を観て、影響を受けることで表現の幅が広がると思うのだ。影響しあっていることの面白さを感じる。だから、そんなこともあったのでは?などと思いながら観るのも楽しい。

また、あまり観ることのないムンクの風景画があったり、収蔵品のゴッホの『ひまわり』の展示もあり(ゴッホのひまわり初めて観れた!)、見ごたえはたっぷりだった。

今回の北欧の神秘展では、作家の想いのようなものが伝わってくるものが多かったように感じた。表現に対する熱意というか、、、それは、例えば、写実主義とか抽象主義とかそういった表面上のことではなく、どんな絵においても、その人がどれだけその作品、その表現に情熱をささげているかということが、作品の良し悪しになっているように感じたのだ。

北欧画家たちは、北欧の美しい自然や、神話をリスペクトしており、それを表現したいという想いから芸術が発展したという歴史にも、深い想いが込められているのだと感じる。

情熱というと、エネルギッシュで熱いもののように思うが、静かな情熱もあるし、静寂な思いもあるし、ただ注ぎ込むような集中した感じもある。

魅入るというのは、絵に注ぎ込まれた純粋なエネルギーを感じるということのように思うのだ。

そして、私は良い芸術に触れると、自分のエネルギーが浄化され、元気になっていることが多いが、今回の北欧の神秘展では、見終わったあと、前日車中泊で4時間ほどしか寝ていなかったにも関わらず、すこぶる元気になっていた。

アートはやはり生きるエネルギーに直接つながっている。だから、好きなのだ、と私は思う。

北欧の神秘展は、長野、静岡、滋賀を巡回する予定とのこと。関西まで来ないのは残念だ。開催場所が決まるのは、いったいどういった仕組みなのかはわからないのだが、、、展覧会を口実にいろいろ旅するのもいいかもしれない。

今回は、自分の絵の搬入も含めて、本当に大満足のアートツアーだった。


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