日本とドイツの保育現場における発達障害に対する捉え方の違い



ドイツで療育をしていて感じることは
診断名、例えば自閉症スペクトルム、
ADHD、学習障害などがありますよね。

もしくは違う脳の障害を持っている
お子さんもいるかと思います。

結論を言うと
ドイツではあまりこの診断名が
気にされません。
気にされないというと、
ちょっと語弊はあるかと思うんですが、
「この子はこういう子だね。」
と受け取る人が多数います。

もちろん保育現場などでは
「この子こういう傾向があるから、
もしかしたら療育が必要かもしれない。」
という話は多々聞きますが、
「そういう個性があるんだね。」
という具合に、受け取られるケースを
よく見受けます。

これはなぜ起こるのか?
自分なりに推測をしてみました。

私が長年働いていたドイツの
インターナショナル保育園は
日本と同様、年齢別クラスでした。
1歳から2歳児クラス、
2歳から3歳児クラスといった具合に。
同じような月例の子どもたちが
集まるクラスで働いていました。

そうすると目に付きやすいんです。
感情やコミュニケーションの
ピンポンが出来る子と苦手な子。
まだ1歳児クラスだとできないんですけど、
2歳、3歳児になってくると、
一緒に遊ぶ事を楽しいと
感じれる子、ストレスになる子。

そうするとやはり先生達の中では
「あれ、この子、他の子とあまり関わらないね」
「よく友達と衝突するね」

という話が出てきます。
なぜそういう流れになるのか

「他の子と比べやすい環境」
にいるからです。

ドイツの園を50カ所近くは見てきていますが、
基本縦割り保育なんです。
縦割り保育というと、
例えば1歳から3歳児クラス、
3歳から6歳児クラスもしくは、
0歳から6歳といった
赤ちゃんから未就学児まで同じクラスで過ごす
といったスタイルがあります。

そうするといろんな年齢、
いろんな発達の子たちが集まっているので
同年齢クラスより、
比べる対象にはなりにくいんです。

そしてフリースタイル、自由遊びが多いので
子どもたちが自分たちの力で考えて
何かを形にするという場面が多いんです。
先生はサポーターとしているんです。

もしかしたら今の日本の保育は
変わっているかもしれませんが、
14年前の私が経験した日本の保育は、
朝の会があって、お制作があって、
運動会の練習やお遊戯会の練習など
プログラムがたくさんあった記憶があります。

そうすると「枠に収まらなければいけない」
という状況が多く見られてきます。

極端な表現ではありますが
「枠に収まらなければいけない」けど
何かしらの理由で収まりきれない子が、
生きづらく、そしてその子の親御さんが
肩身の狭い思いをされているのでは
ないでしょうか。

ドイツと日本の保育現場における発達障害に
対する捉え方の違いを通して、
環境設定の重要性を感じます。

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