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私が企業の採用担当者として心掛けていること

日経電子版の【基礎から日経】で、こんな記事を見かけた。

学生さんたちにとっては本当にいいニュース。日本の未来に、少しだけ明るい兆しが見えるような気がする。
この記事の通り、非上場・中企業レベルの我が社の24卒採用も、前年の120パーセントの人員確保を目標としている。

一方で、企業側は大変だ。
学生さん1人に対して求人がいくつもある状態で、たった1人を採用するのも、そしてその1人に入社してもらうのも、23卒よりも難しくなる、ということなのだから。
そしてほとんどの企業は、新卒と並行して中途採用も行っている。中途も新卒も同時に担当している企業の採用担当者は、私以外にも、たくさんいるはずだ…。(そしてもちろん、中途の有効求人倍率もエライことになっている。)

新卒も中途も、前年より採用の難易度が上がることが分かりきっている現状で、今ですら仕事に忙殺されそうになる日々だ。
だからこそ、初心忘れるべからず。
この記事にいまの仕事への心掛けをまとめ、求職者に対して、いつ何時も誠実な採用担当であることをコミットしたいと思う。

面接は加点方式で、夢を分かち合えるかどうかを見よ

採用の仕事の中でも、私は面接官としての業務が一二を争うほど好きだ。
でも、1日に何十人も面接をしていると、どうしても頭の中が減点方式になってしまう時がある。あの資格がない、この経験がない、この条件と合わない。ナイ、ナイ、ナイで考えた方が早いし、なんとなく脳の容量を圧迫せず考えられる気がするから。

そんな時はいつも、採用担当の仕事にジョブチェンジした時のことを思い出す。

今でも疲れると夢に出るほど腹立たしい私の元上司のように、
ヒトを条件だけで見ず、目の前の「その人」と夢やビジョンを分かち合えるかどうか、
なるべく加点方式で、「その人」がどんな人なのかを知りたいと思えているか、
自分の心に問いかけるようにしている。

世の中の採用担当者には、非効率的な考え方してんな〜と呆れられるだろうな…とも感じるが、「ナイ、ナイ、ナイ」で残った人と、自社にとっての採用すべき人は、決してイコールではないと思うのだ。

面接までの工程でいかにシステムを入れて、工数を削減しても、結局最後は人と人だと私は思うから、やっぱり私は今日も求職者の良いトコロを探しながら、あーだこーだ考えて脳をパンパンにしながら面接をしたいし、それが、私の仕事への誠実さなのかなとも考えている。

「条件の良い人」を「採用すべき人」にせよ

上記で述べたことと相反するが、「ナイ、ナイ、ナイ」で残った人が、自社にとって「条件の良い」人だった時、その人をただの「条件の良い」人から、自社にとっての「採用すべき人」に変えることも、採用担当である私の大きな仕事だと考えている。

何にやりがいを感じるのか、そのやりがいを自社では感じてもらえないのか、
その人が何を大切に思っているのかを知って、自社の魅力を最大限伝えきること。
やっぱり最後は人と人。お互いが選び・選ばれる関係でありたい。

自社を愛していられるように努力せよ

あとは根本的なことだが、自社をいつまでも愛せるように努力すること。

私は会社を代表して説明会を開き、面接をして、新しい人を採用するのだ。会社のことを愛せなくなったら、きっと仕事自体が辛くなる。嘘も方便という言葉があるが、やっぱり嘘をつき続けるのは辛いだろう。

自社を愛し続けるために、私は評価される仕事をしなければならない。必要なことには意見しなければならない。主体的に考えられる人間でなければならない。
これまた、世の中の採用担当者には、もっと割り切って働かなきゃ〜と思われそうだが、私は自分自身にも嘘をつきたくないし、そういう姿勢が会社と自分を成長させると信じている。綺麗事かもしれないけど、本当にそう思っている。

就活生の皆さんへ

最後に、この春から就活を始める学生の皆さんへ。

嘘をつかず、何もかも曝け出して面接に臨め、とは決して言いませんが、私は一採用担当として「嘘つき合戦」だけはしたくないな、と常々思っています。
面接は、求職者の方の大切に思っていることと、会社が大切にしたいことのすり合わせの場だと、私は思っています。それに正解も不正解もないのですから、無理に取り繕ったり、脚色しすぎて別人になってしまうと、後からきっと無理が出てきます。

背伸びしすぎないあなたと、人と人として話しができるように、企業側である私も、求職者の方に誠実に仕事をすることを誓います。

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