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小説「黒の悪魔が死ぬまで。」

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伝承『黒の悪魔と旅人と。』に出てくる”黒の悪魔”。 その、空想の産物だと思われていた”黒の悪魔”が …ある日、突如として、現実世界にーーー誕生した。 さっぱり読める、安心…
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#悪魔

第32話「真っ黒が正義」

「いいえ、ヨウ君…。結論から言うと、君は…”黒の悪魔”では、ありません。

…”今は”…ですが。」

頭の中を、”死”という言葉が巡り始めた時。

突然、サクヤに、そう言われて。

俺は、咄嗟に、伏せていた顔を上げ。
間髪入れずに、その真意を問いただした。

「今は…?それって…どういうことですか!?」

興奮を隠しきれない俺に、冷静なままのサクヤが答える。

「落ち着いてください。

”黒の悪魔

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第24話「黒の再来」

時刻は、少し遡り…

ーーー【黒の再来】まで、あと30秒ーーー

「まったく、結局モモナのせいで遅刻だよ…。ほら、2人とも急いで。」

「アザミのばかっ!モモのせいじゃないの!
ブレイズ隊長から、頼まれた仕事があったからだもんっ!」

「まあまあ。私がサプライズで来てあげてるんですもの。
きっとみんな、遅刻なんて忘れて喜んでくれるわ。」

「…ミチカは勝手についてきたんでしょ。」「うんうん。」

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第15話「黒の悪魔と死」

「意外と、遅くなっちゃったな。」

今朝、下ってきた道を、そのまま登る途中。
孤児院の近くで、アザミやモモナ、ミチカといった、
お決まりのメンバーに捕まった。

結局、モモナにつられて…各々が、道の真ん中で騒いでしまい。

「アナタ達ッ!
もう夜も近いんですよ!早く、建物に入りなさい!」

今朝のデジャヴのように、サラ院長に怒られた。

そして…

「特にヨウは…早く、中腹の森を抜けて山頂へ。

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