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「AI視力検査」の実現可能性について



Ai-DataScienceのブログはじめます


AI-Dで事業開発を担当している久野です。営業まわりの体制構築やスタートアップピッチイベントへの応募等の傍ら、新規事業のネタ探しにも日々奔走しています。AI活用の事業構築に関するネタ帳として、進んでいる検討事項や没になったアイデアをここに記録しています。興味のあるテーマやシステム開発についての相談などは、弊社までご連絡ください(contact@ai-dscience.com)。AIを活用した事業構築に興味のある方にお役立ちの情報を提供できれば幸いです。

未来の眼科診断!リモートで行う最新視力検査の概要

先日、OWNDAYSという眼鏡のお店がサマーセールを開催している情報を知り、眼鏡を買いに行きました。

事前に気になっていた商品を試着し、問題がないことを確認して店員さんに購入を申し込むと、視力検査のために2Fに案内されました。通常の検査の流れを想像していましたが、今回は初めての経験で、OWNDAYSでは「リモート視力測定」というシステムを導入していました。

機械の前に座ると、すぐ隣に大きなディスプレイがあり、等身大の視力測定担当者が映し出されました。オフィスのどこかから中継されているようで、声はスピーカーからクリアに聞こえ、画像のディレイもありません。この豪華な設備にいくらかかるのか、それでも人間が測定するよりも回転率があがることで投資分を回収できるのか等と思ったりしました。

流れとしては、まず写真を撮影できるような機械やプシュッと空気が吹き付けられる機会で瞳の状態や眼圧をみたあとに、左右の目でひらがなの文字を読み上げていき視力の状態を測ります。それらの結果をもとにスコープに仮のレンズが装着され、緑と赤の2色のエリアに書かれた図形うちどちらが鮮明に見えるか、を繰り返しながら、最適なレンズを見つけていく作業へと続いています。
OWNDAYSさん自社メディアによる紹介動画

人間による検査をAIが代替できないか?

検査を受けながら、この質問を投げかけながら画像のパターンを変更して、結果を絞り込んでいく作業は、AIで代替できるのではないか!というアイデアが浮かびました。AI-DはAIの開発に幅広く対応していますが、代表の倉橋が東京大学医学部出身で医療業界で長く活動していたので、業界もちょうど合っているのかなと思い、ワクワクしながら検査を進めています。

ただ、このように意識しながら視力検査を受けていて気付いたことがあります。それは、視力検査にはコンサルティング的な要素があるということです。

視力検査終盤に差し掛かると、仮のレンズで違和感がないか、店内を軽く歩いて気持ち悪くならないか確認するよう促されます。検査担当のスタッフさんは、前の眼鏡を比べてどうか、今回の眼鏡の仕様用途、どのくらいの度数にしたか、等、詳細を会話の中から引き出しながら、私が最終的に納得できる仕上がりのレンズを導き出してくれました。この部分がこの検査を人間が担当している価値であり、AIで代替する際に最も高いハードルになるように感じました。

ちなみに、2022年に「眼鏡作製技能士」という国家検定資格制度の運用が開始されたものの、眼鏡の作成自体には法律的な縛りや必須ライセンスはないため、レギュレーション上はDX化の障壁が低いように思います。

DXの検討では、サービスを提供する側の論理以上に、サービスを受ける側のペインがどこにあるかを優先に考える必要があります。眼鏡を作る人全員が明確なオーダーを事前に準備して視力測定しにくるのなら良いですが、個人的な体験からは双方国のコミュニケーションで話をきいてもらいながらどんな眼鏡をつくりたいか決めていきたいというニーズがあるように思えて、人間による検査をAIに置き換えることが被検者のペイン解消につながると結論づけることはできませんでした。

まとめ


今回は、久しぶりに眼鏡を新調した際に体験した、最新のリモート視力検査の概要と、視力検査をAIで代替できないか、について考えてみました。最初に良いアイデアだとテンションがあがったあと、具体的に詰めていくと難しさが具体的になっていくのは、アイデア出しのあるあるですね。ここで諦めず突き抜けたときに、真のPMF(プロダクトマーケットフィット)にたどり着けるものと思います。

「AI視力検査」の開発についてのご相談、そのほかAIやSaaS開発にかんするお困りごとは、ぜひ弊社にご連絡ください。それでは、まだまだアイデア探しの旅は続きます。


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