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ふるさとを思い、明けない夜はないと今こそ信じたい。

連日、地元の被災情報を気にしながら時間が過ぎていく。

幸い家族の無事は確認できたものの、変わり果てた我が家の様子や故郷の景色は、住民だけでなく、遠く離れた場所に暮らす彼らの家族に対しても、先の見えない不安を駆り立てる。

そして、本当に信じられないことに、犠牲となった方々、行方不明の方々が数多くいる。もしかしたら、自分の知り合いやその家族かもしれない。そうでなくても、小さな町だから、登下校の途中、買い物の行き帰りで挨拶を交わしたことくらいある人たちなのかもしれない。

テレビ中継に映しだされる悲惨な光景の中に、姿形こそ違えど、懐かしい故郷の面影が随所に留まる。いつものスーパー、待ち合わせた駅前、重たい教科書をリュックに詰め込んで毎日走り抜けた並木道、父の仕事帰りを弟と待ちわびた公園のブランコ…そんな風に、数日前まで穏やかで美しかった、懐かしい故郷の姿が、目の前にありありと思い浮かんでは消えていく。

今すぐ帰って片付けを手伝いたくても、新型コロナの脅威がここでも足かせとなる。せめて必要な物資を届けたくても、地元の郵便局、運送会社も被害を受けており、個人間の荷物の受け入れができない状況だそうだ。

今できることといえば、ネットやsnsから拡散される情報を見極め、自治体公式の注意喚起や共有事項などを、いち早く家族に知らせることくらい。とはいえ、疲労困憊の彼らにとって、いくら有益な情報であっても、そのすべてをしっかり認識できるほどの余裕はない。そうなると、最終的には、どうかこれ以上の無理が重ならないよう、家族をはじめ、地元の人々の無事と健康を祈り続けることしかできない。

悔しい。

被害を受けた人たちの苦難は、そんなひと言では表現しきれない、計り知れない。

でも、一緒にこの苦難を乗り越えたい。

また必ず、大切な人たちが笑顔で待っている故郷に帰りたい。

強くあらねば。





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