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ブックウォーカー読み放題で読んだおすすめ小説 vol.3

ブックウォーカー読み放題で読んだ小説を紹介します。
今回はお仕事小説が多めです。

お仕事小説の楽しさは、知らない世界を垣間見れることですね。
仕事がテーマになっている小説では自分の仕事について考えることも多かったです。

働くことに迷ったときは、お仕事小説を手にとってはどうでしょう?
意外な気づきがあるかもしれませんよ。

嘘つき就職相談員とヘンクツ理系女子/松崎 有理

博士号を取ったものの、めずらしすぎる研究内容のせいで就職先が見つからないシーノ。どうにか研究職につきたいと職安に通い詰めるものの、今日も求人情報は出ていない。絶望していたシーノが見つけたのは、嘘道を極めた家元の秘書の求人で…。

嘘と妄想が入り混じったふしぎな雰囲気の小説でした。文体も世界観も独特で、森見登美彦や星新一の小説を思わせます。
家元を訪ねてくる特殊体質の求職者に就職をあっせんするのですが、就職より彼らとのやりとりの方がメインかも。独特な読後感の小説でした。

兼業作家、八乙女累は充実している/夏海 公司

順風満帆な人生を送ってきたはずの八乙女累は、結婚目前の恋人に逃げられたことから絶望のどん底に叩きつけられる。彼女を救ったのは昔好きだった創作。一気に書き上げた小説を機に作家デビューが決まるものの、待っていたのは鬼編集者の強烈なダメ出しで…。

おもしろくて一気に読んでしまいました。
システム開発の現場の様子がかなりリアルです。システム開発の流れを小説の執筆の流れと重ねるところはなるほどと思いました。熱いお仕事小説です。
担当編集である愛宕さんの作家への愛が染みました。張り詰めた空気の中、策くんの存在が癒しです。

プランナーズ! あなたのお悩み解決します/梨沙

コンサルティング会社「プランナーズ」に就職した雛子は、個性的な面々とともにさまざまな依頼を解決するアイデアを販売することに。はじめての依頼をどうにかこなした彼女に二件目の依頼が舞い込むが、依頼主であるはずの蔵元の主人が全く協力してくれなくて…。

新人担当である辻さんと、プランナーズの社員ではないのにやたらと協力してくれる鏑木さん。二人の素敵な男性の活躍が光る作品でした。
登場人物がみんな個性的ですが、個性的すぎてごちゃごちゃしていた感じも。雛子の耳の件はもっと早く説明してもよかったんじゃないかなと思いました。

本編とは関係ないですが、プランナーズ社長の扶桑さんと混沌堂女社長の星ノ宮さんのこじれた恋模様がおもしろかったです。
この二人の物語をメインに読んでみたいなあと思いました。

藤島さんの深夜ごはん/奇水

とある田舎町で一人暮らしする小説家の藤島さん。車で五分のコンビニは、藤島さんの暮らしのオアシス。深夜にお腹が空いた藤島さんは、今日も車を走らせて…。

ライト文芸作家である藤島さんの生活がかなりリアルでした。実際こんな感じなんだろうなあと思いながら読んでいました。

ほんわかした表紙の絵に似合わず、さばさばした性格の藤島さん。作るごはんも豪快です。ごはんというよりコンビニにあるものにちょい足しで工夫を凝らしてる感じ。「料理は全然できないけどコンビニご飯も飽きた…」という人に試してほしいメニューが満載です。

一人暮らしの男の人におすすめできそうなメニューが多いです。
小説自体は女性向けだと思うので、ちょっとちぐはぐかな? 主人公を男の人にしてもよかったのかも。

シャンプーと視線の先で ~夢解き美容師、葉所日陰~/枕木 みる太

一流の腕を持つが人と目が合わせられない美容師の日陰。彼のシャンプーを受けた客は必ず眠ってしまい、夢を見る。夢の内容は日陰にも見えてしまい、客の悩みをいっしょに分析することに。

美容院に行こうと思っていたときに手に取りました。文体のせいか、小説というよりブログを読んでいるような感じがしました。
夢がテーマになっているせいか詩的な雰囲気もあります。髪をさわっているときの描写が色っぽいなあと思いました。
ストーリーというより雰囲気を味わう小説かも。



どれも隙間時間にさらっと読めるものばかりです。
ちょっとした気分転換にもおすすめなので、気になったらチェックしてみてください~

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