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ブックウォーカー読み放題で読んだおすすめ小説 vol.9

ブックウォーカーの読み放題で読んだ小説の感想をまとめてます。

剣や魔法が出てくる小説ではなく、現代を舞台にした小説を読んでます。
日常の謎解き系やご当地ものの小説が多めです。
ごはんがおいしそうな小説も好きです。

装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~/範乃 秋晴

本の表紙を作る装幀室で働くわらべ。出版社の合併を機に巻島という装幀家とコンビを組むことになったけれど、巻島は本の内容を読まずに表紙を作る無茶苦茶な人で…。

おもしろくて一気に読み終わりました。
最後に明かされた二人の関係になぜか泣きそうになりました。
わらべと巻島さんのやりとりがとにかく楽しかったです。
ひねくれているようで熱い巻島さんと、まっすぐなわらべがいいコンビでした。

フレンチ女子マドレーヌさんの下町ふしぎ物語/由似文

幼いころから日本にあこがれ、和裁士を目指して日本に来たフランス人のマドレーヌ。彼女は偶然知り合った華とともに、下町の古風な一軒家でルームシェアしながら暮らしている。この町で育った華は商店街にも知り合いが多く、マドレーヌも彼らと深く関わっていくことに…。

日本の文化に瞳を輝かせながらも違和感を見過ごせないマドレーヌは、彼女ならではの視点ややり方で出会った人々の問題を解決していきます。
マドレーヌのフランス人ならではの率直さが気持ちよかったです。


東京バルがゆく 不思議な相棒と美味しさの秘密/似鳥 航一

突然現れた幼なじみの阿南とともに、スペイン料理を出すキッチンカーを営む貝原。ひょうひょうと生きているように見える阿南には、何やら問題を抱えている気配もある。キッチンカーを訪れるお客とのやりとりを重ねるにつれ、阿南の過去も徐々に明らかになっていき…。

読んだ後に気づきましたがシリーズ二作目だったようです。一作目を読んでなくても問題なく読めました。

作中の料理がとにかくおいしそうでした。スペイン料理を食べに行きたくなりました。時には窯で焼いたナポリピッツァも出てきたりして、お酒が進みそうです。
主人公二人の過去には重たさもあるのですが、スペインバルの明るさが補ってくれる感じ。
プロレスの部分だけは別の作品のような雰囲気でしたが、話はおもしろかったのでまあいいかな?


犬は書店で謎を解く ご主人様はワンコなのです/牧野修

容姿端麗で賢いけれど、周囲の人間を見下し傲慢な振る舞いで嫌われ続けている萩兎。ある日、父の飼い犬・ハギトの散歩に出かけた萩兎はハギトとともに雷に打たれ、二つの魂が入れ替わってしまい…。

人間になったハギトは子どものように純粋。犬になった萩兎のこともご主人様と慕っているところがかわいいです。

起こる事件はなかなかハード。出てくる悪人も本物の悪党で、だからこそハギトの純粋さが際立ちます。
もともとの萩兎はなかなか嫌なやつですが、犬になったことで嫌味が賢さに見えるのがふしぎ。
二人の間に芽生える友情がよかったです。

アンティーク贋作堂 ~想い出は偽物の中に~/大平しおり

行方不明だった母の遺体が見つかり、葬式をあげることになった彩。悲しみをこらえる彼女の元に、消息不明だった兄が突然戻ってくる。兄は贋作ばかりを置く奇妙なアンティークショップを開くと言い出し…。

贋作についての話ですが家族のエピソードがメインかも。
父、母、兄と強烈な個性を持つ家族の中で、彩だけが普通なのがちょっとふしぎ。
最後に明かされた『偽物』には驚きました。

金沢を舞台にした話ということで、金沢の風景や文化も散りばめられています。


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今回の五作は個性的なキャラ多めです。
割と癖が強い作品が多いかも?

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