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ブックウォーカー読み放題で読んだおすすめ小説 vol.10

ブックウォーカーの読み放題で読んだ小説の感想をまとめてます。

剣や魔法が出てくる小説ではなく、現代を舞台にした小説を読んでます。
日常の謎解き系やご当地ものの小説が多めです。
ごはんがおいしそうな小説も好きです。

たいやき/朽葉屋 周太郎

マイペースな父、おっとりした母、しっかりものの長男、自由人の次男、頑固者の妹。箱崎家の平穏な日々は、母が骨折して入院したことを機に崩れはじめ…。

出てくる人たちがとにかく変わり者。常識人に見える長男すらなかなか癖があります。
さまざまなエピソードがつながりながら、最後の兄弟喧嘩へ。
ありふれているようでそうでもない変わった家族がたいやきの力で復活する姿にほっこりしました。

どの場面も平凡に見えて癖があり、つい読み進めてしまう小説でした。

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語/一 肇

映画作りに没頭し、東京の大学に進学した友人が死んだ。彼の死の真相を知るべく同じ大学に進学した十倉だったが、安下宿で生活に困窮しすっかり日々に流されている。そんなある日、屋根裏から女子高生が現れて…。

おもしろかった…のですが、どうにも既視感が。『夜は短し歩けよ乙女』が好きなので、どうしても思い出してしまいました。
こちらはファンタジー要素はないし、映画製作についての話はおもしろいので、そちらメインでよかったんじゃないかなあと思ってしまいました。
最後に明かされた少女キネマとさちの真相は好きでした。
妄想多めの割に、現実的な要素も多い小説でした。

放送中です! にしおぎ街角ラジオ/岬鷺宮

ナレーターを目指したものの就職が決まらなかった香奈。ディレクターを目指すも面接に落ちた松くん。ミュージシャンを目指すもうまくいっていないなすのん。同時に挫折した三人は、行きつけの喫茶店のマスターに勧められ西荻窪限定のミニFMをはじめることに。

ラジオならではのアットホームでほのぼのした空気に癒されました。
地元密着ならではのあたたかさと、聞ける範囲が狭いからこその安心感がミニFMの魅力なんだろうなあとも思いました。
ラジオをはじめたころの素人感あふれる放送も読んでいて楽しかったです。
香奈の夢をめぐる話には思わずうるっとしました。ほのぼのした癒し系小説でした。

こちらの荷物、どうしますか? ~アオバト引っ越しセンター~/尾嵜 橘音

夜間の引っ越し業者・アオバト引越センターで働く光星。何となくはじめた仕事だったけれど、三年目の今も続いている。今日も仲間とともに引っ越し作業に取り掛かり、依頼主の思い出の品にふれることに…。

引っ越し業者の話というのが新鮮でした。
光星も淡々とした今時の若者で、主人公としてはめずらしいかも。お客さんの事情に積極的には踏み込まないところがいいなと思いました。
三箱目のエピソードが特に好きでした。

まいごなぼくらの旅ごはん 季節の甘味とふるさとごはん/マサト真希

風来食堂の再開を目指し、それぞれの仕事に励む颯太とひより。今回の旅の舞台は倉敷、益子、そしてひよりの故郷・菊川。夢を追いかける二人に、ひよりの母からとある課題が与えられ…。

シリーズ二作目。今作もおいしいものたっぷりでいやされました。倉敷は実際に観光に訪れたような気分になれました。
ひよりさんの気持ちいい食べっぷりも変わらずです。おいしそうに食べる顔が目に浮かびました。
隣であたたかく見守る颯太との関係もいい感じ。二人の関係にも進展が見られてほっこりしました。


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