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ピスタチオとケバブの都、ガジアンテップを知るための10皿とおまけ

数年前、トルコでも有名な食の都、ガジアンテップに1年弱滞在する機会に恵まれた。この間の美味しかった記憶を、ここに記録しておきたいと思う。

着任前、「トルコ南東部の静かな地方都市、ガジアンテップは食の都として国内及び周辺国で有名。お昼になると街中ケバブを焼く香で一杯になる」と、いろんな人から言われていた。着任してみれば、アレッポ出身のシリア人の友人曰く「平和な時代には、朝、アレッポを出て、バクラワで有名な老舗トルコ料理店でお昼を食べて、旧市街でお買い物して夕方にアレッポに向けて帰ってたんだよ」と。他地域出身のトルコ人も「バクラワならやっぱりガジアンテップだよね。僕、実家に帰るときは親せきや友人のも合わせて10キロくらい買って帰るよ」と。

へー、と思いながら聞いていたけど、これは本当で、ガジアンテップ滞在中、随分美味しくて楽しい時間を過ごさせてもらった。

①アダナ・ケバブ
事務所の裏にあり、週に何度か通っていたレストランのアダナ・ケバブ。少しだけスパイシーで、焼き立てだと熱々ふわっふわ。このまま頂いてもよし、ピタパンに野菜と一緒に挟んで食べてももちろん美味しい。

大皿でどーんと出てくると、皆から「わーっ」と歓声が上がる。全部食べ切ることができるかは、その時のメンバーのお腹の好き具合による。

②アリー・ナージク
基本的には、焼きナスの上にヨーグルトを入れて、その上にお肉がのっている。お店によって少しずつ違うのがまた良い。

③ピスタチオ・ケバブ
ピスタチオの都にふさわしい、非常にガジアンテップらしい一品。ピスタチオ・ケバブは本当に緑色なのだ。

④ソアン・ケバブ
冬季限定のケバブ。小さな玉ねぎとミンチのケバブを一緒にしてオーブンでこんがりと焼く。大きい器にどーんと入っていると迫力がある。

⑤石焼きぐつぐつケバブ
こちらは通年もののケバブではあるものの、冬が良い。アナトリアの冬は寒く、底冷えするし雪も降る。そんな時には、この石焼きぐつぐつケバブで心と体を温めよう。辛さは三段階あって、マイルドスパイシーがお勧め。

⑥洗練された豪華な前菜
有名な洗練されたおしゃれレストランで出てくる前菜。様々な前菜の中からアラカルトで頼んでもいいし、お店のお任せでもいい。

⑦温かいホンモス
初めて見た温かいホンモス。石の器の中でぐつぐつと音を立てている。これまでに、ガジアンテップ以外では見たことがないけれど、他の地域でもあるのだろうか。

⑧ベイラン
羊のお肉キューブを唐辛子、ニンニクスープで煮込んだスパイシーなスープ。アナトリアの寒い冬にぴったりの一品。前菜としても、メインとしても楽しめるスープ。事務所裏のレストランのものが大好きで、テイクアウトして自宅で野菜を加えて具沢山スープにもしていた。ご飯を入れてお雑炊にしてもおいしい。

⑨バクラワ
ピスタチオ天国、ガジアンテップの最も有名なものとも言えるバクラワ。薄いパイ生地が何層も重なり、その間にピスタチオが挟まっておりオーブンで焼き上げる。焼き立てにはちみつをかけるとツヤツヤのバクラワの出来上がり。街のお店で買い忘れても、ガジアンテップの空港で、最後のお買い物もできるのでご安心を。

⑩ピスタチオピザとアイスクリーム
ピスタチオのアイスクリームは街のどこででも売られているし、夏になると屋台も出る。事務所裏のレストランでは、ピスタチオピザもあって注文しなくてもサービスで「食べていきなさい」とおじさんがいつも持ってきてくれていた。ちなみに、このピスタチオピザは冬季限定。

おまけ:メニンギチ
ピスタチオのコーヒー。これもガジアンテップで初めて見て口にしたもの。ザ・ガジアンテップだ。

予定よりも短い滞在ではあったものの、ガジアンテップでは、穏やかな時間を過ごすことができた。また近いうちに、訪れることができたら旧市街の中をそぞろ歩きして、よく行っていたレストランで友人達と食事をして、お土産にバクラワを買って帰りたい。


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