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茶湯からの、便り

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茶を習いながら、感じたことを言葉に。
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2020年12月の記事一覧

茶湯からの、便り 二

茶湯からの、便り 二

意識をもてばもつほど
こうしなきゃああしなきゃ
どうしたら美しいのか
頭を動かせば動かすほど
身体はロボットのようにギクシャクと動く

朝起きて
ねぼけまなこで頭はまったく動かぬ中
身体が勝手に暖かい飲み物を求めて湯をわかし
ぽけーっとしながら、やかんから湯を注ぐときは
なんともゆるやかにいい余白で淹れられるのに
頭は身体をかたくする

そういえばこの間
コンタクトインプロビゼーションをしたときも

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茶湯からの、便り 三

茶湯からの、便り 三

お稽古を終えて外に出ると
冷たい雨が降っていた

目の前の公園の木の葉に目が止まる
綺麗…
思わず声が漏れる
薄い緑と淡いピンクの葉が雨に濡れている
その隣にふとめをやると
対照的にしっかりとした強い緑の葉にピンクの椿
しばしそこで止まる

そのまま帰り道をあるいていると
足元に大きな赤い紅葉
うちの近所の紅葉はまだ色づき始めたばかり
真っ赤に色づく葉にすこしの驚きとともにうえをみあげると、視界が

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茶湯からの、便り 四

茶湯からの、便り 四

帰り道
歩く早さが遅くなる
とつ
とつ
とつ
せかせかとした日々がスローダウンして
身体からいい具合に力が抜ける

明石というお茶碗で今日はお茶をいただいた
ほんのりピンク色がかったお椀
今が春ならば、桜の花びらが水面に落ちる姿を想像したかもしれないけれど
今は冬
なんだか土の温かさも相まって焚き火にあたっているようなあたたかな想像をした

そそと生けられた水仙の花
一つは上を向き
二つは仲良くひ

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茶湯からの、便り 五

茶湯からの、便り 五

歳月人を待たず
二〇二〇年最後のお稽古
先週から7日しか経っていないのに
いっきに寒さが増して
震えるほどになってきた
真っ赤に染まっていたもみじも
枝のさきでちりちりに縮こまって風に流れていくのを待っている

うう
寒い

釜からお湯を掬いながら
今日の湯はなんだかとろっとしているな
透明というより少し白っぽく思える
と考えていた

たてた茶を飲むと
やはり、とろっとまろやかでやわらかい

お炭

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