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茶湯からの、便り 四

帰り道
歩く早さが遅くなる
とつ
とつ
とつ
せかせかとした日々がスローダウンして
身体からいい具合に力が抜ける

明石というお茶碗で今日はお茶をいただいた
ほんのりピンク色がかったお椀
今が春ならば、桜の花びらが水面に落ちる姿を想像したかもしれないけれど
今は冬
なんだか土の温かさも相まって焚き火にあたっているようなあたたかな想像をした

そそと生けられた水仙の花
一つは上を向き
二つは仲良くひそひそ話をするかのように下を向く
上を向く日も下を向く日もあっていいさと
言われているような気がした

構えの姿勢を常に忘れないようにと先生がおっしゃった
先生の真似した私の手の形は手羽先みたいに
不恰好でギクシャクとしていて笑ってしまった

お辞儀が綺麗ですねと褒められた
うれしかった

家の中の明かりが
暖かくほんわりと見える

焼き鮭のにおいがする
あぁ、お腹が空いた

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