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Jリーグが投げ銭を導入したら

本日、Jリーグが投げ銭システムを導入するという報道が出た。一転夕方には決まったものではないという報道もされたが、仮にこのシステムが導入されたらどうなるのかを妄想してみた。

試合を見ながら投げ銭をする

具体的な方法は仮に導入されるとしてもこれから決まっていくのであろうが、映像放映権はDAZNが持っているためDAZNアプリが投げ銭に対応しないと試合を見ながら見ている端末で投げ銭というのは行えない。現実的にはJリーグだけのためにDAZNが対応するとは思わない。

とすると一部の2画面対応スマホを除いてはDAZNを映している端末とは別のデバイスで投げ銭用のアプリを立ち上げ投げ銭をするのだろう。ここはUI/UXの頑張りどころ。デバイスが1つしかないとみんな試合をみたいので投げ銭はされない。対応できる人は某掲示板やSNSでの実況のような形で色々なサポーターのテキストの声が入り混じりながらお金が投げ入れられていく。

サポーター数=投げ銭に有利!?

シンプルに考えればそう。ビッグクラブは都市圏にあるためサポーターの収入も平均すると傾向としては高くなるだろう。そうするとクラブの収入には有利なはず。ただし、アプリケーションを使ったり決済システムを連携させたりするのに一定のリテラシーが必要であろうことと、投げ銭という行為そのものに抵抗がある人に偏りがある場合サポーター数×アプリ等に対応できる割合になるので逆転するケースもあるだろう。ヴィッセル神戸は昨年度スタジアムをキャッシュレス化しているし、楽天ユーザーも多いと思われるので後者の率は高そうな気がする。

地方クラブはどう戦うか

投げ銭の導入の背景にはコロナで減収してしまうものを補うというものがある。前述のビッグクラブ=有利だとすると、ただでさえやりくりしながら戦っているクラブが多い地方勢はますます不利になる。ましてや地方クラブは都市クラブにはない「距離の近さ」が応援する側のモチベーションになっているケースも多いはず。それが試合が開催差無くなってしまうことで感じられなくなってしまっては元も子もない。

考えられる範囲でとれそうな対策を2点考えてみた。

1.密な情報発信を行う

コロナに関係なくクラブや選手がSNSでサポーターにいろいろな情報を届けてくれているクラブは既に多くあると思う。実際にスタジアムや練習に行くことができるようになるまではもはや欠かせないものになるだろう。

また、通常であれば試合の映像配信が終わった後に出場メンバーがサポーターの席に挨拶に行くが、試合の開催が無観客などになってしまう可能性もある。その時は各チームのメンバーが集合して試合後に余韻に浸れるような時間をオンラインで設けてはどうだろう。DAZNでの配信もありうるがホーム・アウェイ両チームに時間を割けるとは考えづらい。

一つ一つのプレーに投げ銭が行われていくのもいいが、劇的な展開で勝ち切った試合などで達成感のままに投げ銭を入れる、そういう「間」を作る必要もあるはずだ。

2.新たに応援してくれる人を作る

試合に出場する選手は当然実力優先でスタメンが組まれるだろうが、今年は降格がないというのも既に決定しているように思い切った選手起用を行うチームも出てくると思う。

その中で、言い方は悪いが投げ銭システムが導入されればレジェンド選手やイケメン選手のような本来のプレー以外の部分の価値が大きく高まる。チームのサポーターに訴えかけるのももちろんだし、ananとJリーグがコラボをしていたように新たなファン層を開拓することもしていくべきだ。また、クラブの「顔」と言えるような選手も外せない。中村憲剛が怪我から復帰して完全復活のプレーを見せたらサポーターの興奮は高まるだろう。また、そこにはスタジアムが近いかどうかは関係ない。「応援される選手」をどう育て露出させていくかも重要になるのではないだろうか。

その為には投げ銭システムのデータをクラブに開放し、クラブが分析を行えるような設計にする必要があると思う。

少し余談

「投げ銭」は物にもよるが客観的には他人に理解してもらうのが難しいかもしれない。「いやーちょっと興奮して5000円課金しちゃった。試合見に行ったと思えばいいよね」と本人はおもっても家族には理解されない領域だとおもう。ポイント等支払いの選択肢が広いほうがいい。

最後に

いくら映像で見ることができるといっても、自分はサッカーに限らずライブでスポーツを見るのが好きだ。売店でツマミを買って冷たいビールを飲む。プレーに一喜一憂し、時には周囲の観客と一緒になって盛り上がる。生ぬるい風が心地よかったりもするし、雨に濡れたりもする。試合後の反省会の後の帰路の途中で、徐々に同じユニフォームを着ている人々が少なくなり、現実に戻っていく。

映像でみるだけでは得られない感動がそこにある。

その感動がこれからますます遠くなってしまうかもしれないと思うとなんともやるせないものがある。ワクチンが完成しても、この痛みは残り、次なる見えない感染症におびえながら接触を避ける風潮が蔓延し、我慢する生活をずっと続ける生活はできればしたくない。来年のオリンピックを初めすべてのスポーツがアスリートと観客の一体感を取り戻せる日を心から願う。

サポート大変感謝申し上げます。これからも頑張ります。