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原爆小景
青空文庫より、 原民喜の「原爆小景」 を読みました。 《目次》 ・これが人間なのです ・燃えがら ・火の中で電柱は ・日の暮れちかく ・真夏の夜の河原の水が ・ギラギラの破片や ・焼けた樹木は ・水を下さい ・永遠(とわ)のみどり 《語句解説》 苦患(くげん):仏語。地獄におちて受ける苦しみ。 転じて、一般に苦しみや悩み。 蕊(しべ):雄しべ、雌しべ。 断末魔:苦しんで死ぬこと。 灰白色: 灰色がかった白色。 火箭(かせん):昔の戦いで火をつけて射た矢。 広島のデルタ:太田川の下流域は日本でも有数の 三角州地帯を形成しており、 上流から流下してきた土砂が堆積し 広島平野を形成していった。 太田川三角州(通称広島デルタ)と呼ぶ。 ~・~・~・~・~・~・~ 音声配信アプリstand.fmにて、 「しんいち情報局(仮)」の 「朗読しんいち」を 担当させていただいています。 しんいち情報局(仮) 広島県福山市新市町の情報をお届け! https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149
蛙
青空文庫より、 芥川龍之介の「蛙」 を読みました。 《ふわっとあらすじ》 今自分が寝転んでいる脇に池があり そこにたくさんの蛙がいる。 蛙はただ「ころろ、からら」と 鳴いているばかりではないようだ。 実に彼らは、彼らの言葉で 盛んに議論を戦わせているのだ。 芦の葉の上にいる蛙は 大学教授のような態度で 「ありとあらゆるものは、全て我々 蛙のために存在している」と熱弁する。 するとその他大勢の蛙が 「ヒャアヒャア」と同意の声を上げる。 その声で起こされたのは 白柳の根元で寝ていた蛇である。 蛇はそろそろと池に近づいていく。 芦の葉の上の蛙はまだ語っている。 この宇宙をも全て 神が我々のために想像したのだ、と。 神への賛美を繰り返していたその時、 蛇の頭が突如見えたかと思うと、 すぐさまこの蛙を口にくわえて、 蛇はそのまま芦の中へ隠れてしまった。 後に残った蛙たちは、慌てふためき ころろ、かららと騒いでいる。 自分はその中で、若い蛙が こんなことを言っているように聞こえた。 「ありとあらゆるものが 我々蛙のためにあるのなら、 蛇も我々のためにいるというのか」 それに答えるように 「そうだ。蛇が蛙を食わなかったら 蛙が増えすぎて池が狭くなる。 蛇は多数の蛙の幸福のために蛙を食うのだ。 だから蛇もまた我々のために存在するのだ」 と長老のような蛙が言った。 《語句解説》 白柳(はこやなぎ):ヤナギ科の落葉高木。樹皮や小枝、 葉が白色となることから名づけられた。 大空(たいくう):おおぞら。 闡明(せんめい):明瞭でなかった道理や意義を明らかにすること。 神の御名は褒むべきかな:キリストを賛美する決まったフレーズ。 雄辯(ゆうべん):雄弁。説得力をもって力強く話すこと。 開闢(かいびゃく):信仰の地としての山を開き、 あるいは初めて寺院などをつくること。 ~・~・~・~・~・~・~ 音声配信アプリstand.fmにて、 「しんいち情報局(仮)」の 「朗読しんいち」を 担当させていただいています。 しんいち情報局(仮) 広島県福山市新市町の情報をお届け! https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149