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走れメロス(第二回)

太宰治
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青空文庫より、
太宰治の「走れメロス」
を4回に分けて読みました。
その第二回目です。

《ふわっとあらすじ》

メロスは40㎞の道のりを
一睡もせずに走り、
次の日の午前中に村に着いた。

妹と花婿を一生懸命説得して、
計画通り翌日に結婚式を
挙げることになった。

結婚式は真昼に行われた。
次第に空には黒い雲が立ち込め、
とうとう豪雨になってしまった。

外の雨など気にならないほど
祝宴は盛り上がっていた。
夢見ごこちの妹に、
お祝いの言葉をかけ、
明日すぐ市に戻らねばならないため
今から休むことを伝えた。
花婿にも挨拶をすると宴席を立ち去った。
メロスは羊小屋で深く眠りについた。

目が覚めたのは明け方だった。
すぐに出発すれば十分間に合う。
メロスは雨の中、
シラクスに戻るために村を出発した。

後ろ髪をひかれ
立ち止まりそうになったが
名誉を守る心が支えとなった。

道のりの半分ほど走ってきたころ
雨はやみ、心も落ち着いてきた。
が、メロスは目の前の川を見て驚いた。

昨日の豪雨で川は氾濫し、
橋も渡し船も流されていた。
呆然と立ち尽くすも、
濁流は静まるどころか、
なお激しく荒れ狂っている。

メロスは覚悟した。
泳ぎ切るよりほかはない。


《語句解説》

羊群:ようぐん。羊の群れ。
車軸を流す:車軸のような太い雨脚の雨が降る。
      大雨の降るようすをいう。車軸を降らす。
喜色:うれしそうな顔つき。よろこんでいるようす。
薄明:日の出前と日没後のうすあかりの状態。
   今回は日の出前。
奸佞邪知(かんねいじゃち):心が曲がっていて悪知恵が働くこと。
滔々と: 水がとどまることなく流れるさま。
猛勢一挙:猛烈な勢いで一気に動くさま。
木葉微塵:木っ端微塵。細かく粉々に砕け散ること。
繋舟(けいしゅう):河岸につないである舟。
捲く:渦巻き状になる。
煽り立てる:風が物をひどく揺り動かす。
刻一刻:しだいに時間が経過するさま。しだいしだいに。
神々も照覧あれ:神々よ、ご覧いただきたい!

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音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

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