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注文の多い料理店(後編)

宮沢賢治
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青空文庫より、
宮沢賢治の「注文の多い料理店」
を2回に分けて読みました。
その後編です。

《ふわっとあらすじ》

看板の注意書きはどんどん
怪しいものになっていきました。

「壺の中のクリームを
顔や手足に塗ってください」
そして、
「あなたの頭に瓶の中の香水を
振りかけて下さい」。
香水を振りかけてみたら、
それはお酢でした。

その扉の裏側の看板には
「いろいろ注文がうるさかったでしょう?
もうこれだけです。壺の中の塩を
体中によく揉みこんで下さい」と。

これでさすがの2人も、
状況を呑み込みました。

沢山の注文というのは
向こうが僕らにしているんだ。
そして、
来た人に料理を出すんじゃなくて、
来た人を料理して食べてしまう家
ということなんだ、と。

最後の扉には
ナイフとフォークの形が
切り出されていて、
大きな二つの鍵穴からは
青い眼玉がのぞいています。

そして扉の向こうから
早くいらっしゃい、
サラダが嫌なら、
フライにしてあげましょうと
しきりに呼ぶ声がします。

2人はガタガタ震え、
声も出ず泣き、
恐怖で顔はくしゃくしゃの
紙屑のようになりました。

その時、後ろから
あの白熊のような犬が二匹、
部屋の中に飛び込んできました。

犬たちは
その先の扉の中に飛び込みました。
真っ暗闇の中から
猫の鳴き声が聞こえてきました。

すると部屋は煙のように消え、
2人は草の中に
震えながら立っていました。

犬が戻ってきました。
猟師も草をかき分けやってきたので
やっと2人は安心しました。

しかし、恐怖で
くしゃくしゃになった顔は
何をどうしても
もう二度と元には戻りませんでした。

《語句解説》

瀬戸の塩壺:瀬戸物の塩壺。
一分(いちぶ):ごくわずかであることのたとえ。
ホーク:フォーク。
サラド:サラダ。
箕帽子:帽子つきの蓑で頭からすっぽり被るもの。
    雨合羽や防寒用などに使われた。
俄かに:物事が急に起こるさま。突然。


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音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

しんいち情報局(仮)
広島県福山市新市町の情報をお届け!
https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149

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