おおつかあぐり

出版業界からデジタルマーケティング業界、スタートアップSaaSを経て、デジタル領域のディレクターとして出版社に戻ってきました。 雑誌編集者として過ごした時間が占める割合は減る一方だけど、カスタマーエクスペリエンスを意識したアウトプットの基盤は、編集者としてのスキルです。

おおつかあぐり

出版業界からデジタルマーケティング業界、スタートアップSaaSを経て、デジタル領域のディレクターとして出版社に戻ってきました。 雑誌編集者として過ごした時間が占める割合は減る一方だけど、カスタマーエクスペリエンスを意識したアウトプットの基盤は、編集者としてのスキルです。

最近の記事

R35のキャリアについて考えてきました

先日、「R35. Meetup」というイベントに参加してきました。 企画したのは、「CrossRel」というコミュニティ。 ”Cross”、テック業界の多様な才能を集め、ナレッジや人材同士が交差できるような、一企業主催ではなかなか実施しにくいエッジの効いたテーマを実験的に扱っているそうです。 私自身はR35は通り過ぎたものの、先日転職して”新しい仕事・役割”が具体的になり、改めてキャリアについて考えるタイミングを迎えました。今のうちに誰かの経験と視点を知れば、答え合わせ

    • SmartHRを辞めてまで、私がやりたいこと

      2024年8月末日をもって、およそ4年半働いたSmartHRを退職しました。在職中にお世話になったみなさん、どうもありがとうございました。 これまで、noteでもいろんなことを書いてきましたが、在職中は多くの機会に恵まれたため、それらの経験を振り返るとキリがありません。なので、ひとこと「面白かった!」として残しておきたいと思います。 そして、2024年9月よりKODANSHAtechにディレクターとして入社しました。ここ数年の私は、ライティングのプロフェッショナルのような

      • プロダクトライティング講座をやってみた話

        こんにちは。SmartHRのプロダクト開発組織で、UXライターとして働いている aguringo です。入社以来、ユーザーがプロダクトを使って業務をスムーズにできるよう、ライティングという手段で担ってきました。 SmartHRでも4回目のアドベントカレンダーの記事です。2023年は、8月にサービスを開始した「スキル管理機能」(https://note.com/aguri/n/nb97668b5e651)をはじめとするプロダクト開発だけでなく、これまでやってきたことを体系立

        • 2023年版|0→1フェーズのプロダクト開発における、とあるUXライターの働き方

          SmartHRは2023年8月22日に「スキル管理」機能の提供をスタートしました。私にとっては2年前にリリースした「人事評価」に続いて、0→1開発の3度めの体験となりました。 先日、スキル管理のチームで「0→1をスクラムでやってみた -スキル管理機能の作り方-」というイベントを実施し、プロダクトマネージャー(以下PM)、エンジニア、デザイナー、QAエンジニアと一緒に、各職能がどこで専門性を発揮し、同時にチームとしてどんな協業をしたかを振り返りました。そこでは、LTが7分間だ

          ユビキタス言語づくりには、どんなメリットがあるのか

          先日、社内ドキュメントとして「ユビキタス言語って、何がおいしいの?」というタイトルで、ユビキタス言語というものについて、徒然なるままに書きました。これは、それに加筆・修正したリライト版です。  “ユビキタス”とはユビキタス (ubiquitous) は、遍在(いつでもどこでも存在すること)をあらわす言葉。元はラテン語で、「(神は)あまねく存在する」という宗教用語です。 転じて、ユビキタス・コンピューティングという概念で、「いつでも、どこでも」ほしい情報が得られ、大量の情報

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          イベントレポート「画像のALT即興ライティング大会」を開いたよ

          みなさん、こんにちは! SmartHR所属、UXライターのaguringoです。普段は、人事労務領域の業務アプリケーションの開発(UIテキストやユビキタス言語の作成)や、アプリのユーザーさんに参照していただくヘルプページの作成をしています。 今日は、先日開催したオンラインイベントを振り返りたいと思います。よろしくお願いします! みなさんは、TwitterやSlackで、画像の左下に[ALT]と表示されているのを見たことはありませんか? これは画像に代替テキストが設定されて

          イベントレポート「画像のALT即興ライティング大会」を開いたよ

          私たちはいつだって、Work in Progress

          「ちいさくはじめるデザインシステム」を編集・執筆しました 辻村深月の「ハケンアニメ」が好きだ。 映画化された際の脚本ではヒロインは1人だったけれど、原作は3篇に分かれていて、3人のヒロインは別の職種、環境で働いている。共通するのは「アニメ」に魅了されアニメ業界に身を投じ、アニメ制作という大きなプロジェクトの一部分である自分の仕事に矜持を持って日々奮闘していること。 作品への思い入れはあるのだが、ここではその魅力を伝えたいわけではない。 私は今、業務アプリケーションSa

          私たちはいつだって、Work in Progress

          先行公開:「ちいさくはじめるデザインシステム」(BNN刊) はじめに

          ここでもSmartHR Design Systemについて言及する記事を書いたこともありますが、2023年3月15日に「ちいさくはじめるデザインシステム」という書籍をBNNさんから出版することになりました。私は編集と著者として参加しており、執筆陣はすべてSmartHR Design Systemの運営メンバーです。 ここでは特別に、この書籍の「はじめに」の原稿を先行公開させていただきます。これを読んでちょっとでも気になった方は、書店で見かけたら手にとってみてください。 デ

          先行公開:「ちいさくはじめるデザインシステム」(BNN刊) はじめに

          なぜ、toB SaaS開発に、UXライターが必要なのか?

          「SmartHRのアドカレを書くのがもう3回目なのかぁ」と勝手に感慨深くなっています。今では開発チームにUXライターがいるのが当たり前になり(※スクラムチームへの参加状況はさまざま)、SmartHRのUXライティンググループには現在10名のUXライターがいます。 開発組織にUXライターという職能を置いていること自体が珍しく、かつUXライターだけで1つの組織が成り立っているのは、おそらく国内ではSmartHRだけなのではないでしょうか? その成り立ちなどは、私の過去のnot

          なぜ、toB SaaS開発に、UXライターが必要なのか?

          ライティングプロセスをモデルにしてみた

          先週、とある勉強会で「書けるようになる」ということについてお話をしました。参加者がデザイナーやディレクター、カスタマーサービスと多岐に渡っていたこともあり、比較的抽象度の高い内容を用意する必要がありました。 ざっくり言うと、「”書ける”というスキルは、ただアウトプットとして作文ができるということではなく、コミュニケーションの軸となる「意図」を明確にするための観察や思考を重ねたうえで、その意図が受け手に伝わる言語化ができるということ」なんですよ〜という内容でした。 その中で

          ライティングプロセスをモデルにしてみた

          ライティングガイドラインの作り方

          SmartHRでUXライターをしている私は、非デザイナーでありながらも、立ちあげ初期からデザインシステムに関わっています。 エージェンシー時代のコンセプトワーク、コピーライティングの経験を生かして、立ち上げ未明のブランドパーソナリティの定義、プロダクトのデザイン原則、今年1月のリニューアル時の運営理念のライティングのアンカーを務めたりもしました。 2022年6月で、SmartHR  Design Systemとしての公開からちょうど2年を迎えます。当時はまさに「有志」が集

          ライティングガイドラインの作り方

          カスタマーサポートと「メンタルモデル」についての認識をそろえた話

          UXライターと認知心理学 業務アプリケーションのUXライターとして働くうえでの武器は、エモでもセンスでもありません。加えて、私は文法や辞書的に正しい日本語だとも思っていません。  私が武器の一つだと思っているのが、認知心理学です。コミュニケーションを「送り手からの情報をもって受け手になんらかの効果が働くこと」としたときに、受け手がメッセージをどう受け取るか(=認知するか)を予想できることは強みになります。人間が外からの情報とどうやって付き合っているかの仕組みを掘り下げる認知

          カスタマーサポートと「メンタルモデル」についての認識をそろえた話

          0→1フェーズのプロダクト開発における、とあるUXライターの働き方

          SmartHRは2021年10月28日に新しい有料オプション機能「人事評価」の提供をスタートしました。 今年の2月末、入社1年を経過した頃に、私はUXライターとしてこのプロダクト開発に携わりました。ここでは、私が人事評価の開発で何をし、何を得たかを紹介したいと思います。 UXライターとしてやったこと1.ユビキタス言語の定義チーム加入前の2月初旬、ユビキタス言語を決めようと、開発チームの呼びかけで、ドメインエキスパートとして社内の人事担当者とUXライターの私で集まりました。

          0→1フェーズのプロダクト開発における、とあるUXライターの働き方

          UXライターがプロダクトと向き合っていたらGitHubにコミットできるようになった話

          こんにちは!  SmartHRのカスタマーサポートグループでUXライターとして働いている@aguringo です。 入社から約半年のタイミングで肩書きをUXライターに改め、印象に残る言葉よりも、印象に残らない言葉の価値を追求していきたいと表明後、その仕事っぷりを公に書き記すことをしてきませんでした。オープン社内報やテックブログなどアウトプット自体はしてきたのですが、自分のことを話すよりもインタビューする方が好きで、入社からの1年間を振り返る機会もすっかり逃してしまっていまし

          UXライターがプロダクトと向き合っていたらGitHubにコミットできるようになった話

          同じ釜の飯を食うもいいけど、同じカスタムemojiを使うも大事

          これは SmartHR Advent Calendar 2020 15日目のエントリです。 今年はSmartHRにコンテンツ編集者として入社し、気づいたらUXライターになった年でした。去年はもうちょっといろいろ記事を書いていたので、来年はペースを回復していきたいものです。 スクラムを学んでコミュニケーションの大切さを再確認最近の私は、プロダクト開発の現場でUXライターがどうすれば貢献できるかを考える材料になればと、 社内のスクラム勉強会 に参加しています。開発体制について

          同じ釜の飯を食うもいいけど、同じカスタムemojiを使うも大事

          ”業務ツール”のUXライティング力を伸ばす本・5選

          「わかりやすさ」を生み出すための、認識とスキルを育てる視点で選んだ5冊UXライティングの参考書は、その人が日々向き合っている”ユーザー”との関係性によって大きく変わってきます。 ここでは、SmartHRのような業務をサポートするデジタルプロダクトを開発していて、そのユーザーを助けるライティングをする上で必要なことをインストールするという視点で選んでいます。 業務ツールが提供するユーザー価値は、「時間がかからないこと」。業務を効率化したいから、ユーザーは対価を払ってサービス

          ”業務ツール”のUXライティング力を伸ばす本・5選