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農業×ビジネス① 楽天が農業の課題を解決?

「楽天」と聞いて、皆さんはなにを思い浮かべますか?

楽天市場?
楽天カード?
プロ野球チーム?

100人いたら100通りの答えが返ってきそうですね。

それもそのはずです。
いまや、楽天は70を超えるサービスを展開しているのですから。


その楽天がなんと農業に関わっているというのだから驚きです。
IT企業である楽天が農業とどう関わっているのでしょうか。



それを説明する前にまず日本が抱える農業の課題から見ないといけません。

その課題とは、「耕作放棄地の増加」です。

「耕作放棄地」とは以前耕地であったが、農作物が過去1年以上栽培されず、農家に数年の内に耕作する考えが無い土地を意味します。

日本の耕作放棄地は年々増加。
農林水産省によると現状のペースだと2026年には東京ドーム98,000個分の面積になると算出されています。



この課題に対し、楽天農業株式会社が運営する「楽天ファーム」は国内におけるオーガニック農業オーガニック野菜の普及拡大を目指すことで、課題解決を図ろうとしています。



先ほど、年々「耕作放棄地」は増加しているとお伝えしました。
しかし代表取締役の遠藤忍氏はこの「耕作放棄地」を宝の山と捉えてます。

これは、どういうことでしょうか?

実は、オーガニックの認証(有機JAS)取得をする為には、元々農薬や化学肥料を使っている農地の場合、2年以上は農薬や化学肥料を避けて開墾をする必要があります。

しかし、耕作放棄地の場合は元々放棄されていた分、農薬などが使われていない為、1年で認証取得が可能になります。

このような理由から「耕作放棄地」は宝の山!なのです。



ここに着目をした楽天は、耕作放棄地を活用してオーガニック野菜の
① 栽培
② 加工
③ 洗浄
④ 冷凍
⑤商品化

を行っています。



① 栽培

楽天農業株式会社では、愛媛県、静岡県、広島県の自社農場でオーガニック野菜を栽培。

うね立てから作付、間引き、収穫までを行っています。


② 加工

2018年6月 有機JAS認証のカットサラダ工場を稼働しました。

栽培地の近くに工場を構えることで、収穫したオーガニック野菜を新鮮な状態のまますぐに加工の工程に入れることが可能になりました。

野菜は収穫した瞬間に切ったところから痛み始めてしまう為、収穫から加工までの時間をどれだけ縮められるかが重要なのです。



③ 洗浄

一般的に使われている次亜塩素酸ナトリウムを使用せずに、農林水産省のオーガニック基準で認められた洗浄水で洗浄・殺菌をしています。



④ 冷凍

2020年2月 冷凍野菜工場を新設しました。

「楽天ファーム」の冷凍野菜は、急速冷凍することで、美味しさと食感を閉じ込めています。



⑤商品化

時短料理をしたい人、野菜を少しずつ使いたい人向けに袋のまま電子レンジで温められる商品を用意。

安全・安心なオーガニックな食材なので、介護食や離乳食作りにも良く使われています。

その他、カレー用野菜ミックス玉ねぎのみじん切りミックスベジタブルなど、消費者のニーズに合わせて商品のラインナップを増やしています。

玉ねぎのみじん切りなんて良いですよね。
切るときに涙を流す必要もありません。



このように、楽天は栽培から加工、商品化まで携わることで日本の農業の課題を解決しようとしているのです。


また1つ農知識が増えました。



※参考記事


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