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ブータンDagala Trek-最高到達点4520m3泊4日風呂無し過酷旅

Dagala Trek、またの名をThousand Lakes Trekというものに行ってきた。

去年Layaに行ってから、ずっといつか行きたいねと言っていた泊まりがけトレッキング。
ラヤの記事は下記をぜひ読んでみてください。

お世話になっている大好きな先輩隊員が帰国してしまうので、その前に企画してくださった!
誘っていただいて本当にありがとうございますの気持ち。

まずは恒例の準備。

トレッキング会社への依頼、価格交渉、3週間前にはJICAへの申請…。
全部やっていただいてしまった。ありがとうございました。

少しでも貢献したくて早めの返信だけは心がけた(そんなもんで貢献できてると思うな)

あとは持ち物の準備。
事前にメンバーでZoomミーティングもしてくれて、誰が何持ってるか、補えるか、など話し合った。

そしてトレッキング前には必須のJICAの講習が前日にあり、いよいよ当日を迎える。

1日目

朝7時ごろに出発。
トレッキング会社が依頼したドライバーさんがガイドとともに家の前まで迎えに来てくれる。

水とガモウバッグは7人分をまとめて持ってたけど、それ以外は2人分の荷物でこれ

タクシーで登山口まで移動。
別方向から来た他のメンバーと、ガイドさんと馬と合流し、荷物を預け、出発!

登山の始まりはこのいかにも壊れそうな吊り橋から。

初日は3時間歩きますと聞いていたが、1.5時間ほど歩いたところで休憩所があり、衝撃の言葉を発せられる。

「キャンプ地はもうすぐそこで、今行っても何もないからここで馬が来るまで休憩しよう」

メンバーで日帰りハイキングも何回も行ってるので、ブータン人が気休めに時間を短く言う傾向があるのは知っていた。
すぐそこって言っても1.5時間くらい歩くんだろうどうせ。くらいの気持ちだった。

おやつをみんなで食べながら、トイレを済ませて(もちろん自然の中で)馬を待つ。

馬が行ってからもしばらく休憩したので、合計1時間ほどの休憩をし、また進む。

そうしたら本当にキャンプ場はすぐだった。

ここが初日のお宿!

この6つのテントは全部私たち用。7人だったので女性2人だけ同じテントで、残りは1人1つプライベートテント。

これ以外にキッチン用テントと食事用テントを立ててくれた。

着いたらミルクティーとポップコーンが出てきて、ティータイム。おやつとしてバトゥップ(ブータン式うどん)をいただく。今回はうどんというよりちねり小麦粉のショートパスタみたいなやつで絶品だった。

その後少し休んだりトランプやら人狼やらして、夜ご飯タイム。

電気は先輩隊員が持ってきてくれたランタンに助けられる

ごはんがとても美味しくて、びっくりした。
山の上でこんなにできるんですか?という。

焚き火囲って歌ったりもした

そんなこんなで初日は拍子抜け。
合計2時間弱しか歩かず、おやつとご飯をたらふく食べ、これは山登りながらカロリーバランスプラスになってしまうかもしれないと思った。

就寝したが、そこまで疲れていないのと、慣れないテント泊で、眠りはかなり浅かった。

地面を伝って音が聞こえるので、100mくらい先にいるはずの馬の足音、草をむしって食べる音が頭のすぐそばで聞こえて、そのうちテントごと踏み潰されるんじゃないかと怖かった。

2日目

朝ご飯も最高に美味しかった。

そして支度を済ませて出発。
ここからが第一の地獄だった。

出発するときは3時間くらいかなと言うガイドさん。
途中で後どのくらいか聞くとあと1時間と。
そこからしばらくしてまたどのくらいか聞くとあと2時間と。
え?増えてるんですが!?!?

途中馬隊に抜かされ、シェフ隊に追いついてもらい、お昼ご飯。これが1時ごろ。

お弁当なのに美味しすぎる!!

そこから増えたり減ったりする予測時間を無視しながら、高度4000m越えの道なき道を、歩く、休む、歩く、休む。

道っぽいもの途中からなくなった

2日目のキャンプ地は小屋があると聞いていたから、小屋が見えるたびにこれか!?と期待して裏切られる。

みんな疲れ果てている中、本当に道は合ってるのか?とガイドへの不信感へつながる。

これは目的の小屋ではない。

お昼ご飯から歩くこと4時間ほどでようやくキャンプ地へ到着。
馬さんたちが見えた時本当に安心した。

馬さんたち。10頭の仲間たち。名前はミンドゥ2頭、ノルブ2頭、ツェリン、ツェリン・ザム、サムドゥ、ドルジ、ドゥルクパ、もう一頭忘れた。
小屋の横にある我らのトイレ。怖くて使えなかった笑

この日もテントを立ててくれたのだが、小屋の方が快適だろうとみんなで雑魚寝することに。

電波があったので、アプリをダウンロードして人狼をした。

実際もしかしたらテントの方があったたかったかもしれないと思うくらいには寒い夜だった。
寝袋の下にスポンジマット、寝袋、その上に毛布をかけて寝た。

3日目

とてもあったかいい天気。
出発前に、湖を回るコース(迂回になるが)に行くか、直接目的地に向かうか聞かれた。

Thousand Lakes Trekっていうくらいだからひとつくらいは湖見たいとは思っていたので、「ちなみに直接目的地だと湖は何個見えるの?」と聞いたら、ゼロとのこと。

なら多少辛くても、一個くらいは湖が見たい!と湖コースを選択。

その結果絶景が見れた。

一個目湖。
2個目湖
3個目湖

雪が残る山がすごくきれい。

6個くらい湖を見たところで、始めのコースに戻り、そこから3日目のキャンプ地を目指す。

高い丘の上まで登り、絶景を楽しみながら下ろうというところでガイド2人に不穏な空気が流れる。
ガイド1人が道が怪しいので先に行って馬の足跡を探して来ると言って急いで行った。

30分ほど待って、全然反対の道に進もうとしていたことが判明。

体力もそうだが、気持ち的に辛いハプニングだった。
少しだとしても無駄に歩いてしまったという悲しみ。

そこからルートに戻り、今回のトレッキングの最高到達点4520m地点でチベット仏教のカラフルな旗、ルンタを備える。これは風が吹いて旗が揺れると、お経を一回唱えたことになるというもの。

最高到達点で集合写真ぱしゃり

ここからも歩いて歩いて、3:30にようやく待っていてくれたシェフ隊の1人と合流し昼ごはん。
おやつは食べていたけどやはりご飯は偉大。お腹が空くと不機嫌にもなりますよね。

この昼ごはんまでの間に湖があった。湖一個も見れないよっていう情報嘘だったじゃないか…
嘘を伏線回収していくという謎の今旅。

かなーり遠くに見えるテントを目指して、そこからは下り基調で歩く。
山道って、遠くの方に見えているものが意外と歩いたら思ったより近いということが多くてうれしい。

途中川をこえる。こんなメッセージに元気付けられる。

最後の最後で森の中を滑りながら歩いて、3日目のキャンプ地に到着!!

超自然的な現象には伝説をつけたがるブータン文化。この割れた石、絶対なんか偉人の伝説あるよねって話すブータン隊員たち

着いたらすでにテントがあって、今回は各テントだいぶ離れて設置されていた。なのになぜか2つのテントだけすごく近い。

なかよしカップルテント

このテントに私とおじさまが仲良く隣り合わせで寝た。

最終日

疲れが溜まっていたからか、環境に慣れてきたからか、すごくよく寝られてスッキリ目覚めた。

最終日は休憩少なめで一気に下るぞ、と言われていた。

歩き出しで森の中を進んで、しかも登りだし、なんなんだ本当に合ってるのかという猜疑心を持ちながらガイドについていくしか私たちに選択肢は残されていない。

途中からは尾根を行く一本道。
「あと2個山を越えたら後は下りだよ。」とガイドさん。

あと2個、のあとにさらに2個くらいは越えた。

石を積んだお祈りのやつ。
素晴らしい景色だったけど風が強い。

途中でご飯休憩。最終日も素晴らしいランチだった。ありがとうシェフ。

途中の平地で立派なヤクに出会う。ヤクは基本的に群れでいて飼い主がいるものだという認識だったが、このヤクは一頭だけしょぼんと佇んでいた。

はぐれヤク

最後の方は森の中を先人たちの作ってくれた跡をたどっていく。
そして無事、ティンプーの村まで一気に下り、帰りつきました。

みんな揃って帰って来れて本当に良かった。

ツアー会社の方が最終地点でケーキ持って待っててくれた

まとめ

歩いた距離と時間は
1日目 3.4km   3時間10分(休憩1時間11分)
2日目 11.3km 8時間21分(休憩2時間11分)
3日目 12.3km 9時間18分(休憩2時間  2分)
4日目 16.0km 9時間22分(休憩1時間30分)
総歩行距離43.2km 時間30時間12分
※出典は自分のYAMAPより

感想は、しんどかった。
素晴らしい景色も見れたし風呂無しにも寒さにも慣れては来たので楽しく過ごすことはできた。
一緒に行った隊員仲間ともたくさん話ができたし、素晴らしい思い出ができた。
しかし、しんどかった。年だ、絶対そうだ。日頃の運動不足を感じた。位置エネルギーに人間は逆らえないのだ。

今回持って行って良かったものランキング
1位 寝袋の下に敷くスポンジマット(二重)
2位 カイロ(みんなに分けてくれた友人まじありがとう、末端冷え性には超効いた)
3位 フリーズドライ味噌汁

ランキング外だけど
寝袋、毛布、ストック、帽子、日焼け止め、ヘッドライト(借りた、ありがとう)、ウェットティッシュ、登山靴、登山用ウェア、スリッパ、ヒートテック上下、食べ物たくさん
ちゃんと準備して良かったと本当に思った。
トレッキング行くだろうと日本から色々持ってきた自分も偉いぞ。

今後ブータンに長期滞在予定がある方は是非登山用品一式は持ってきた方がいい。

そんなところでこの記事を締めたいと思います。
最後まで読んでくださった方がいらっしゃったとすれば、ありがとうございます。

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