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就活のタイミングを3度も逃した人間の就職活動|その1:タイミングを逃した編
博士課程を満期退学して22卒の就職活動をしているあごひげ20cmです。
この記事およびマガジンでは、博士課程卒の就職活動について自分の体験談を紹介しようと思っています。境遇の近い方や興味のある方はお付き合いください。全4回+αになる予定です。
第1回目のテーマは『自己紹介&これまでの遍歴』です。
1. 自己紹介
まず自分の身分について。自分は生物学のとある分野で、博士課程まで研究をしてきました。どちらかというと基礎研究、つまり「カネにならないような研究」をしてきました。
そして1文目に書いた通り、自分は博士課程を満期退学しました。去る3月に学位を取得する予定でしたが、学位論文の完成が間に合わず、博士課程4年目に突入することになりました。この時、留年してD4の1年を始める選択肢もありましたが、自分は退学を選択しました(理由は次回に詳しく紹介します)。現在は、大学に仮の身分を置かせてもらいながら学位論文の執筆と就職活動を同時並行で進めています。
パーソナルな情報としては、音楽鑑賞と料理が長年の趣味で、ここ数年はVTuberの配信を熱心に見ています。noteでは、VTuberに関する記事ばかり書いてきました▼。
本記事のタイトルにもある通り、博士課程を退学するまでに自分は就職活動のタイミングを3度逃してきました。学部3年~、修士1年~、博士2年~の3度です。「逃す」というより「無視してきた」の方が正確かもしれません。次節ではこれまでの遍歴について紹介します。
2. なんで今まで就活してこなかったの?
端的に言えば、研究活動が楽しく刺激的で、仕事として続けていきたいと本気で考えていたからです。
まず学部生の頃。
ある研究分野に出会い、自分はその面白さにのめり込みました。学部3年生の夏には大学院入試を意識し始め、院試勉強を始めました。同時期に就活に取り組んでいた同級生の苦労話をヘラヘラと聴き流しながら、悠々自適にモラトリアムを謳歌し、修士課程への進学を決めました。この頃に同級生の体験談にもっと耳を傾けておけばよかった、と後悔する今日この頃です。
次に修士課程。
修士1年目から研究が軌道に乗り始めたこともあり、ますます研究にのめり込みました。就職活動をしようという発想はまったくなく、研究者になることだけを考えていました。
また、研究では海外に長期滞在することもしばしばあり、日本にいる同級生がどんな就職活動をしているかについてほとんど把握していませんでした。結果として、修士課程の同級生のうち約半数が就職しましたが、誰がどの業界に行ったかも把握してないレベルで、「就職」というものを意識の外に置いていました。
そして博士課程。
研究活動、そして研究資金獲得のために毎日忙しくしていました。目の前のことを処理していけば、遠くにおぼろげに見えている「研究者」というキャリアが実現できるという根拠のない自信に満ち溢れていました。
この段階まで来ると、就職活動をしている同級生はいませんでした。みんな「博士」という学位を取ることに集中しており、自分も同様でした。
こんな感じで「卒業前の1~2年間で就職活動する」という正規のタイミングを、自分は3度逃してきました。研究だけを意識してきた約10年でした。
中卒や高卒で働きはじめるような人もいる中で、「社会に出て働く」という意識を持たないまま20代後半までのうのうと生きてきたわけです。この意識の低さについては、本当に恥ずかしい限りです。
(ただし、学費については学部時代からしっかり考えて動きました。アルバイトはもちろん、支給型の奨学金もいただきながら博士課程まで生活してきました。)
3. なんで就活しようと思ったの?
研究だけを意識してきた自分が、研究者への道を諦めた理由が2つあります。
1つは、安定した収入が得られないことへの不安が増したこと。基礎研究への国家予算配分は潤沢ではなく、教授陣も資金獲得に毎年頭を悩ませています。またポストの減少、任期付き雇用の厳しさに苦しまれている30~40代の若手研究者を見ているうちに、将来像のビジョンを自分は描けなくなりました。「研究への熱意」と「将来への不安」を天秤にかけたとき、不安の方に大きく傾きだしたのです。
もう1つは、海外調査の目途が立たなくなったこと。自分の研究は、海外での長期滞在を軸にしていました。幸い、博士論文に必要なデータは十分に採取したのですが、いざ学位を取ったとしてもその後のキャリアに必要なデータはまた海外で集めなければなりません。海外渡航の見通しが立っていない現状、自分が一番研究したいテーマでの活動が大幅に制限されることになります。
こういった理由が重なり、アカデミアでの研究職というキャリアを諦めて民間企業への就職をおぼろげに意識し始めたのが、昨年の5~6月頃でした。大学院がロックダウンされて研究活動が停滞し、上記のような理由から研究へのモチベーションも著しく低下し、年度内の学位論文完成の見通しが立たなくなった頃です。
この頃にさっさと就職活動を始めていれば、もしかしたら21卒での就職に間に合っていたかもしれませんが、「就職」のことを10年近く考えて来なかった自分にはその瞬発力はありませんでした。東京オリンピック延期のニュースを横目に、自分の将来への不安に押しつぶされながら、でもどこか楽観的にもとらえながら2020年の夏を越すことになります。
次回予告
第2回のテーマは『就職活動のための情報収集』です。業界研究とか自己分析がメインになります。博士課程を退学した理由も紹介します。お楽しみに。
▼第2回の記事はコチラ▼
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