私の断片2
私を形作っている言葉たちをまとめたものの第二弾です。
よければ元の作品もご覧になってみてください。
「全ての人は何らかの点で私より優れているから、私は出会った相手から必ず何かを学ぶことができる」
ラルフ・ワルド・エマーソン
もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね
あなたのための短歌集 木下龍也
さりともと思ふ心も虫の音も弱りはてぬる秋の暮かな
「千載集」藤原俊成
よくわからないけど、君の法律だったら守ってもいいような気がするな
悪意の手記 中村文則 新潮文庫
でも、今こんなことを言うのは間違ってるのかもしれないけど、俺は君の幸せを、願ってるんだ。こんな俺でもさ、君の幸せを願うことくらいは、それくらいの資格は、あるような気がするんだ。君に、幸せになって欲しいんだよ。上手く言えないけど、自分でも何を言ってるのか、わからないけど、君が幸せになれれば、俺は一つ、人生を肯定できるような気がするんだ。自分の人生じゃないよ。俺の人生なんて、肯定できるもんじゃない。この世界をさ、色々なものが存在するけど、それでも肯定できるような気がするんだ。君は、俺なんかに関わったらいけない人間なんだ。幸せになるべきの、人間なんだよ
悪意の手記 中村文則 新潮文庫
人から尊敬されようと思わぬ人たちと遊びたい。
けれども、そんないい人たちは、僕と遊んでくれやしない。
太宰治 「斜陽」 新潮社
・・・そうですね。傷にも相性がありますから。
中村文則 惑いの森 雨 文春文庫
やめてくれよ。僕は僕の傷が好きなんだ。僕には僕なりの
中村文則 惑いの森 樹木青年 文春文庫
僕は欠伸をする。まるで欠伸をしたい人間であるかのように。
中村文則 惑いの森 狭い部屋 文春文庫
希望とは妥協だろうか?
中村文則 惑いの森 Nの失踪 文春文庫
精神的な強さとは、鈍感さだろうか?
中村文則 惑いの森 Nの失踪 文春文庫
神のいない生息地では、結局は共同体の大多数を占める異性愛個体が神の代わりを務めているということ。その生息地での”なんとな~くの空気”は、神の代わりが流行的に生み出す”次”によってどんどん変わっていくこと。
生殖記 朝井リョウ 小学館
なぜなら、あなたはいつか必ず私を捨てるから。
私がいちばん弱く、助けを必要としているときに取り返しのつかないほど冷たく背を向けるはずだから。
私にはそのことがありありと透けて見えるから。
それを知る以前に戻ることは、できなくなっているから。
すべての、白いものたちの ハン・ガン著
斎藤真理子訳
死にたさの類は消えない。だから、諦めて飼い慣らした方がいい。
20代で得た知見 KADOKAWA F
王道の人生から外れざるを得なかった時、人生の本番は始動する
20代で得た知見 KADOKAWA F
同じ星の下に生まれた人
死にたさを緩やかに肯定する。他人のも、自分のも。
激しく否定せず、かと言って、大いに肯定もしない。
洗濯物を干す時も、買い物をする時も、真夜中でも。
「あなたも死にたいんですか。奇遇ですね、私もです。ところで」と言う。
「ところで」までは、なにも考えずに言えた方がよい。
「ところで」からは、どうでもいい話を続ければよい。
この挨拶ができる人を私は友、いいえ、同じ星の下に生まれた人と定義しています。
20代で得た知見 KADOKAWA F
現代
本当に儲かるなら、その儲け話を人にはしません。だって損になるから。
本当に悲しい人は、そんな話を誰にもしません。だって悲しくなるだけ。
本当に愛し合ってるなら、愛し合ってる話は誰にもしません。だって崇高だから。
すべては言葉になると純度を失うとして。
私はそれでもあなたと話がしたい。
20代で得た知見 KADOKAWA F
悪とはシステムを無批判に受け入れることである
「イェルサレムのアイヒマン」ハンナ・アーレント
俺たちはみんなドブの中を這っている。しかし、そこから星を見上げる奴だっているんだ。
オスカー・ワイルド
希望と絶望とが同時にやって来て、どうしてよいのか
「マクベス」 ウィリアム・シェイクスピア 新潮文庫
鳥籠が鳥を探しにいった
八つ折り判ノートH 「カフカ俳句」頭木弘樹編訳 フランツ・カフカ
道は遠く、力は小さく
フェリーツェへの手紙1916年10月19日
「カフカ俳句」頭木弘樹編訳 フランツ・カフカ
みじめな国だ、われながら恐れて実情を知るまいとしている!義理にも母国とは言えない、まるで墓地だ、何も知らぬ赤ん坊なら、いざ知らず、どこを見まわしても、笑えるものが何もない、あるのは溜息や叩き声、空をつんざく叫びだけ、しかも誰も気にとめるものもなく、どんな激しい悲しみも、ありきたりの狂態としか受けとられない。葬式の鐘が鳴っても、誰が死んだとたずねるものも、めったにいない、善良な人々の命も、その帽子にさした花より早く枯れ凋み、病気でもないのに人がかたはしから死んでゆく。
「マクベス」 ウィリアム・シェイクスピア 新潮文庫