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男性は女性を助けることから逃げよ 2023年7月【1】

不公平が嫌い

「自分は男性だから男性優位社会で問題ない」と思う人もいるでしょう。私は男性ですが、そう思いません。理由はふたつあります。

ひとつは不公平が嫌いだからです。私はリンゴを2個もらえて、隣の女性には1個だったら、なぜなのかと思います。

私が男性であるという理由で2個もらえるのだとしたら、1個減らしてもらいたい。男性だから1個多くもらえるというのは、理屈が通っておらず、納得がいきません。

「男性特権」とやらで責められる

もうひとつは、つらいからです。男性優位社会だからこそ、つらいのです。リンゴを2個もらったら、それだけ荷物が重くなるでしょう。

そして1個しかもらえなかった人(女性)から妬まれます。「私たちより多くもらっているんだから、その分もっと働け」という理屈が成り立ってしまいます。

「男性は下駄を履かされている」「男性は特権を持っている」と言う人たちがいます。男性である私は、そう指摘されて、いったいどうしたらいいのでしょうか。

「特権を持っているのだから女性に手を貸せ」とでも言うのでしょうか。実際、下記の記事ではそう言っているように読めます。

挿絵も、男性は女性に優しくしなければならないが、女性は男性に強く当たっていいという感じに描かれています。

この絵のように、男性から女性への攻撃のみを糾弾し、女性から男性への攻撃は「ギャグ」「ジョーク」として扱うことは、漫画、アニメ、ドラマ、CMなど、様々なところで見られます。

下記の記事も「どうしたら男性が特権を持っていることを彼らに気付いてもらえるか」というものです。男性が一方的に女性を助けなければならないのかと憤りを感じます。

男性の特権というのは確かにありますが、同時に女性の特権もあります。男性の特権だけを取り出して、一方的に助けろというのは虫のいい話です。

男性に手を貸してほしいのに、その男性を「特権に無自覚」と批判しています。それで「話を聞いてもらえない」とこぼす。当たり前です。自分に対して批判がましい人の話など、誰が聞きたいと思いますか。

女性より下位なのに手を貸せと言われる

男性優位社会においては、女性の怒りが男性に向かいます。男性の中で劣位にある人は、女性の中で優位にある人よりも下なのですが、そんなことは考慮されません。等しく「男性」として批判対象になります。

女性弁護士と無職の男性なら、女性のほうが立場が上です。「男性は特権を持っているのだから女性を助けなさい」という思想は、貧しい男性が豊かな女性に手を貸すことになりえます。

戯画化するならば、松葉杖をついた痩身の男性が、五体満足の太った女性を背負うといった絵になるでしょう。

社会は男性に力仕事をあてがいます。危険な目に遭うことを強います。戦争が起きた時、兵隊に取られるのは男性です。男性の命は女性の命よりも軽んじられているという見方もできます。

「男社会」「男性優位社会」「男尊女卑」。これらの言葉は取り扱い注意です。「すべての男性が得をしていて、すべての女性が損をしている」という錯覚を持たせる言葉だからです。

男性優位社会とは言っても、弱者男性は優位にありません。最下位は弱者女性ですが、最下位ゆえに救いの手が伸びてくるという利点を持っています。

若い男性と若い女性が困って泣いていた場合、どちらに手が差し伸べられるでしょうか。だいたい女性でしょう。男性は救われるどころか「泣くな、男だろう」と叱られかねない。あるいは「男なら女を救え」と糾弾されることさえ考えられます。

「男社会」「男性優位社会」「男尊女卑」。いずれも男性を苦しめるシステムおよび思想だと思っています。だから変えていかなければならないのです。

「男性は特権を持っているのだから女性を助けなさい」という思想は、助ける男性と助けられる女性という構造をつくります。かえって男性優位が強化されると思います。

そしてこれは、男性は女性のために無償労働をしろということですから、男性を不幸にする思想であると考えます。

男性が幸せになるための思想

このまま黙っていたら、男性は女性を助けるための存在になってしまう。人生を女性に奪われてしまう。そんな危機感を持っています。

「女性だから助ける」などという思想は、性差別だと思っています。女性に対する差別であると同時に、男性に対する差別でもあります。

男性であることを理由に、誰かの犠牲になることを強いる思想は、性差別です。従うことはありません。

男性は自分の命を大切に。自分というリソースを大切に。他人の幸せのためではなく、自分の幸せのために生きましょう。

ブックガイド

ワレン・ファレル『男性権力の神話』

男性差別の実例がウンザリするほど載っています。「男性はここまで虐げられていたのか」と目を開かれます。

レイチェル・ギーザ『ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか』

「有害な男らしさ」に男性も女性も苦しめられている。それを自覚させてくれる本です。そこから自由になる道も示されています。

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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

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