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リモート比率は80%。化粧品を作る私たちの「リモート前提」な働き方

アジャイル コスメティクス プロジェクト(以下ACP)では、以前からリモートワークを活用しており、特に会議は社内外メンバー問わず、リモート会議を前提とした働き方をしています。

結論として、「アジャイル開発のようにアップデートし続けるスキンケアブランド」というコンセプトを掲げる私たちにとって、この試みはプラスなことばかりでした。

そこで、化粧品を作る私たちのリモート会議の活用法と、プロダクトづくりでどのようなプラスがあったのかを書いてみたいと思います。
webサービスを扱う企業でのリモートワーク例の記事は多く見かけますが、リアルプロダクトを作る企業での実例はまだあまり出てきていないかと思いますので、私たちの事例をお伝えすることで、より様々な企業に知見が広まればと思います。

現在のリモート会議の体制

■リモート会議を始めたきっかけ

もともと私たちのチームでは、海外在住や子育て中の社員が多くいる環境でした。さらに社外からコミットしているメンバーの移動時間が確保できないケースや、物理的に対面でのMTGが不可能なことが多々あったため、早い段階でビデオ会議を活用することに。現在もオーストラリア、インドネシア、シンガポールなど海外から参加するメンバーがいます。

■GoogleカレンダーでZoomを共有

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ツールは色々試した結果、音声が安定していること、画面共有がスムーズにできること、複数人が入ってもお互いの顔が見えることなどの理由からZoomを活用することに。
現在は基本的にすべてのMTGでZOOM活用しており、GoogleカレンダーとZoomを連携させ、参加メンバーを招待しています。

大人数の定例の際はマーケティング、デザイン、システム、開発等のメンバー10人ほどが一緒に入っていることもあります。また、メンバーが出社していてもオフィスの大部屋が空いていないときは、同じ建物にいても別々の場所からZOOMに入ることも。

Google suite、Slackとも連携させ、データやコミュニケーションも場所にとらわれない体制にしています。ちなみに、SlackもZOOMと連携しているので、”/zoom”コマンドでZOOMリンクが自動的に発行されます。

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これが大まかなACPのリモート会議の周辺体制です。

化粧品を作る私たちの「リモートでよかったこと」

ここからは、実際に化粧品づくりにおいて、会議をほぼZoom前提に切り替えてよかったという具体例を書いていこうと思います。

■製品説明がしやすい

私たちは、ACPのブランドや考えに共感してくださる方とより多く取り組みを行っていきたいという思いがあるため、イベント開催時には協賛であっても、製品説明の時間を極力いただいています。
対面での説明時間30分のために移動や時間調整するのは意外と大変ですが、Zoomだと移動時間を気にすることもなく、先方の都合にも合わせやすく、また簡単に資料や実物見せながら説明できるため、30分でも時間をいただくことができ、より多くの協賛元に製品やブランドの魅力を知ってもらうことができました。

■世界中のトレンドが取り入れられる

オーストラリア、インドネシアなど海外のネットワークを活用して仕事ができるため、グローバルトレンドを取り入れられています。化粧品のような「モノ」は現地で実物を見ないとトレンドが汲み取りづらい部分もあるため、メディア伝いではない、メンバーが肌で感じたトレンドを反映できる機会はかなり貴重。

■アイディアを潰さないコミュニケーションができる

テキストコミュニケーションではなく、会話によってソフトに議論ができることで、堅苦しさを感じさせず、アイデアを潰さずに製品開発を進められていると思います。また、移動コストを取らないことで、時間を押さえにくい外部エキスパートの意見を取り入れやすくなった一面もあります。

■Slackでお客様の声を即転送

Slackでアンケート結果やSNSのポストを転送することで、お客様の声がメンバーに情報格差なく伝えられるように。
特にツイッターはSlackにIFTTTで連携させ、#白いオイル #時計遺伝美容液 等の関連ワードを自動的に拾っているので投稿や、バズり方がすぐわかったり、SNS運用にすぐに反映できるようになりました。

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お客様からの質問も見つけやすいので、ACPが大事にしているオンライン、オフラインを問わない積極的なコミュニケーションをするためにも役立っています。

さらには実際の購入者の意見を聞く、「ユーザーインタビュー」や「ユーザーイベント」もACPでは定期的に行っていますが、参加者の方の許可をとった上でZoomで録画、録音をさせて頂くことで、リアルタイムでもチームメンバーがインタビューやイベントの様子を見れたり、その時間に見れなかった場合でも後日その録画動画を見て、より顧客理解に活かすことができています。

※月1600円程度のZoomプロに契約することで録画も可能になります。

■優秀なメンバーと働ける

実は、海外のメンバーも元々は日本で働いていたけれど家族の都合などで海外で暮らしており、地域や時間的制約から優秀でありながら働けていなかった人が多くいました。そういったメンバーもリモート前提のチームであれば負担なく働いてもらうことができ、私たちとしても優秀なメンバーと一緒に働ける、というメリットが。

このように、リアルプロダクトである化粧品だからこそ、場所という制約にとらわれないことで製品の質を高められるという良い影響がありました。

もちろん、物理的な処方・香りサンプル・ボトルサンプル・ラベルなどのパッケージマテリアルは質感が命なので、実物をちゃんと郵送して確認したり、ボトルや素材を選ぶときには実際にショールームに行ったり足を運ぶなど、プロダクトの要となる部分はリアルを重視しています。

リモート会議で気をつけていること

このように化粧品づくりにおいてもプラスが多いリモート会議ですが、チームの文化として浸透させるためにいくつか気をつけていることがあります。

■1人1人Zoom

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それぞれの顔がよく見えるので表情読み取りやすい、なにか話そうとしているのがわかりやすいため、その場に複数人がいる場合も、必ず各メンバーにZoomに入ってもらっています。その場合は1人の人が集音マイク/スピーカーをつけ、他の人は音声/スピーカーオフに。

■話さないときはミュートに

一人でZoomに入る場合は、イヤホンなどをつけてもらったほうが音が取りやすいのでおすすめです。話さない場合は、周りの音を拾わないようミュートにしてもらうようにしています。また、場所でいうとカフェなどはどうしても音を拾ってしまうので、発言回数が多いMTGでは自宅の部屋など静かな場所にしてもらっています。たまにお子さんと一緒に出てくれるママがいたり、帰省先から出たメンバーから素敵な日本家屋から参加してくれたりすることも。

■Google docsをホワイトボード的に活用

Google docsをホワイトボード的に活用し、リアルタイムでみんなで資料を見つつ、書き込みながらMTGをしています。物理的なホワイトボードでないので、遠隔のメンバーも情報格差なしでミーティングに参加できます。また、リモートのときにありがちな事前に資料送っておきますとか、資料を送っていなくてミーティングの最初にもたつくことも、資料の印刷も必要ありません。

■マイクを取引先に貸し出し

集音マイクにはYAMAHA Web会議用マイクスピーカーを使用しています。チームで愛用しているモデルは廃盤になってしまい、実はコツコツ中古で集めています。定期的なMTGがある会社さんにはこちらで購入し無料で貸出していますが、かなり聞き取りやすくなり生産性が上がりました。

■Evernoteでツール講座

リモートに慣れていないメンバーや社外の方には最初にEvernoteの共有ノートで簡単なZoom使い方講座をお伝えしています。誰でもZoomの使い方やリモート会議のコツを伝えるためのフォーマットとして利用しています。

■SlackはDM禁止

リモートメンバーの情報格差が生まれないようにするため、SlackはDMは極力禁止にし、お金周り等のセンシティブな情報除いてほぼすべてオープンにしています。資料類もGoogleDriveにフォルダ分けし、なるべくオープンにメンバーに公開。


■海外メンバーの時差対策

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海外メンバーとの時差対策はこのように表にして管理し、Google カレンダーにもワークタイムを入れてもらい、その中でMTGを行えるようにしています。ちなみに海外での通信環境については4Gは最低必要、Wifiでないと動画ありは難しいとのことで、途上国で働くときは要注意(インドでリモートしていたメンバー談)。
また、どうしても参加できないときもZoomの録画機能を利用して、その時の会議の雰囲気ごとキャッチアップしてもらうようにしています。

リモートを前提にするだけでこんなに変わる

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ACPのリモート会議の出発点は海外在住メンバーと働くことがきっかけでしたが、今は体調に応じてや家族の看病で家にいないといけないときなどは積極的にZOOMを活用しています(もちろん、無理をせず休むことも奨励しています)。
場合によっては、スクリーンオフにして授乳しながらZoomに参加する社員もいたりするケースもあります。

このように振り返ると「移動のコスト」や「場所の制約」というのは会社に通える範囲で生活していても意外と大きいもの。化粧品というリアルプロダクトの開発においても重荷になっている部分が大きいのだと改めて感じました。

だからこそ、ライフステージや生活環境が変わっても働ける「リモート前提」という文化づくりを、些細なコミュニケーションや使用するツールから作っておくことが、製品の質を高めるためにも必要だと思っています。

■ACPのリモートワーク&おうち時間記事

他にもACPのnoteでは、この外出自粛期間中のリモートワークやおうち時間を心地よく過ごすための記事を更新しています。もしよかったら他の記事も読んでいただけたら嬉しいです!


<アジャイル コスメティクス プロジェクトとは>
アジャイル コスメティクス プロジェクトは「天然由来成分」の持つ「豊かな有効性」を最大限引き出しながら、製品の「官能性」を追求するスキンケアブランドであり、購入者の意見を取り入れ、製品を迅速に進化させていくプロジェクトです。
このnoteでは私たちのプロダクトに込められたストーリーや、自分の肌が心地よくあるためのヒントをお届けしていきます。

■自己紹介記事はこちら

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