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【FACT FULNESS】ビジネススキルとして欠かせない~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣~

私の読書日記であり、仕事に役立つ書籍をご紹介する記事です。最近、読了後に要点を再度読み直して記録に残すと、記憶の定着が非常に良いことに気づきました。

FACTFULNESS(ファクトフルネス)
 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。

ロングベストセラーのビジネス書として非常に有名な書籍ですので、すでに読んだ方もたくさんいらっしゃるかもしれません。

本書は、データや事実に基づき、世界を読み解く習慣を身に着けるための考え方やテクニックについて解説しています。世界と書かれていますが、私たちビジネスパーソンが事実を読み解き分析して判断しなければならいない場面は多くあります。事実をデータを使って正しく理解するためのテクニックなどを紹介しています。

海外の翻訳書は読みづらい場合(文体や構成)が多いですが、文章全体が口語体で書かれており、分厚い書籍が苦手という方でもスラスラ読めちゃうと思います。

データを基に正しく理解する必要があるワケ

広報として、正しい情報をインプットし理解し、社内外に正しく広く報せる…。そのためには、インプットする情報の精度を高めないといけない。その理由が本書を読んだきっかけでした。

例えば、このような場合はどうでしょう。
運営しているサイトのアクセスがこの数か月で継続して伸長している場合。その伸長率は高いと言えるのか、言えないか。手元にあるデータの1か月目と比較した場合は好調と言えるでしょう。ですが、前年同時期と比べたら?季節要因は考えられないか?他の外部要因は考えられないか?などなど、一つの事実をただそのままに受け止めていないか。

本書では、手元にあるデータで物事を判断しがちだけれども、正しいデータを集めて、視野を広げて物事を見ないといけない。データを読み解く際の思い込みを無くし、正しく理解する習慣を身に着けようと述べています。

世界の人口データや貧困、経済状況などのデータを基に世界を紐解く内容になっていますが、ビジネスシーンにおいても必要となるものの見方のため、簡単に概要をお伝えします。

FACT FULNESS①分断本能 ~感覚で分断してしまう~

あらゆる物事は2つに分断されているという強い思い込み。その集合体が重なりあっていることもある。セグメンテーションするときは、感覚で分断するのではなく、平均の比較や分布図などを使いながら正しく読み解こう。

FACT FULNESS②ネガティブ本能 ~物事はどんどん悪くなっているという思い込み~

情報の一部分にとらわれ、物事をネガティブに見てしまう思い込み。人は悪いニュースのほうが印象に残りやすい。そして良い情報はニュースになりづらく、人々に情報としてインプットされない。

本当にその事実が、ポジティブなのかネガティブなのか、全体像を把握して判断する必要がある。

FACT FULNESS③直線本能 ~グラフはまっすぐになるという思い込み~

データをグラフに置き換えていくと、必ずしも右肩上がりに比例して伸びていくわけではない。多くのデータは直線グラフではなく、S字カーブ、コブの形など様々だ。

FACT FULNESS④恐怖本能 ~恐怖と感じる物事を必要以上に過大評価してしまう~

人は危険ではないことを、必要以上に恐怖と感じてしまうらしい。恐怖を回避したいという思いから、降りかかるリスクに対し過剰に過大評価してしまう。リスクを正しく計算することが大切。

FACT FULNESS⑤過大視本能 ~目の前の数字がいちばん重要という思い込み~

数字をひとつ見ただけで「この数字はなんて大きいんだ」「なんて小さいんだ」と、ただ一つの数字がとても重要かのように勘違いしてしまうこと。その数字は何と比べてそう言えるのか。比較したり、割り算をして、比較対象と並べながら判断する。

FACT FULNESS⑥パターン化本能 ~無意識に物事をパターン化してしまう~

ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込みをしがち。無意識に自分が知っているパターンに当てはめてしまう。環境、文化や習慣、価値観、考え方などの違いによって、すべてが同一パターンに当てはまるとは限らない。

FACT FULNESS⑦宿命本能 ~すべてあらかじめ決まっているという思い込み~

持って生まれてきた宿命によって、人や国、宗教や文化の行方は決まるという思い込み。人々は変わり続けている。

FACT FULNESS⑧単純化本能 ~物事をシンプルに見すぎる~

その課題や問題点の原因は1つだけではない。あらゆる複雑な原因が絡み合っていることもある。ひとつの視点だけで理解しようとせず、様々な角度から問題を見て物事を理解して判断する。

自分の見方が必ずしも正しいとは限らない。目線を変えてみることで新しい発見もあるかも。柔軟性が大切。

FACT FULNESS⑨犯人捜し本能 ~他責思考~

何か問題や悪いことが起きたら、単純明快な理由や犯人を見つけたくなる傾向のこと。犯人探しではなく、根本的な原因を探す。その原因を再発防止を図ることが大切。新しい学びにすること。

FACT FULNESS⑩焦り本能 ~いつやるか?いまでしょ!は危険~

目の前に危険が迫ると、焦ってすぐに行動に移してしまうのは危険。スピード感を持つことは大切だけど、焦るのは違う。その緊急性や危険度、重要性や優先順位、影響度などで、本当にいつやるべきかを客観的に冷静的に判断すること。

「思い込み」を無くすためには日々意識すること

読了し、要点をピックアップしていくと、「FACT FULNESS」は当たり前に意識されるべきであると気づきます。

本書で最も伝えたいのは、「思い込み」でデータの読み解き方が変わってしまうこと。それによって正しい判断ができないことに警鐘を鳴らしているのです。

また、「思い込み」だからこそ、日々意識しないと気づけないのです。第三者からのフィードバックを得ることも大切だと思います。私の場合、広報の仕事上、コラム記事の執筆や、社内報の制作をする機会が多いです。読み解いた情報を解釈して、イラストやグラフ、テキストとしてリライトするのですが、必ず第三者に見てらっています。その解釈が正しいのか、整合性に問題が無いか、主観が入っていないか、など。

自分の思い込みを自分で気づくことは難しいと思います。そこは周囲のみなさんに甘えながら厳しめのフィードバックをいただき、自身の日々の業務でも意識していく。

こうした習慣化が大切なのだと思いました。FACT FULNESS、引き続き実践していきたいと思います。

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