見出し画像

【パーパス・マネジメント――社員の幸せを大切にする経営】企業の永続的な発展には「企業の存在意義」が必要


従業員満足度が高く、社員が自分らしくイキイキ働き、自身の自己実現をしながらも、企業が永続的に発展し続けるためには、どのような社内コミュニケーションが必要なのか。最近はこの問いについて考える機会が増えています。本書では、企業の「PURPOSE(存在意義)」こそが、社員を幸せにし、企業の発展に繋がると説いています。


ミッション、ビジョンはもう古い。一番大事なのはパーパス(目的)である。働き方改革が叫ばれて久しいが、いったい何が問題なのか?をそろそろ考え直す時期だろう。そもそも企業理念として設定されている概念――ミッション、ビジョンは、米国では「古い」とされている。それに代わる概念としてパーパス(目的)が問われている。いま一番ホットなテーマであるパーパスを日本ではじめて紹介したい。本書では根幹であるパーパスと「幸せ」について新しいコンセプトを提示し、CHO(Chief Happiness Officer)という会社を変革していく存在についても述べたい。
<目次>
第1章 働き方よりも重要なこと。そのキーワードは「幸せ」
第2章 ポジティブな感情は仕事のパフォーマンスに影響する
第3章 個人にとっても組織にとっても「Purpose」が起点となる
第4章 Happiness at Workという考え方
第5章 Chief Happiness Officerの理論と実践―INTERVIEW
第6章 次世代型組織の中心となるCHOの実際

幸福度の向上には、個人の「PURPOSE(存在意義)」が必要

全世界85万位を対象に行われた「ミレニアム世代の仕事に対する動機付け要因」という調査では、「社会やコミュニティに対する影響力(76%)」「学びがあるか(59%)」「家庭との両立(51%)」という結果でした。

つまり、多くのミレニアル世代は、自分の仕事に社会的な意義や自分としての意見を見出していると言います。

仕事における幸せとは何か

本書が提唱する「幸せの条件」とは下記4点
・Purpose(パーパス=存在意義)
・Authenticity(オーセンティシティー=自分らしさ)
・Relationship(リレーションシップ=関係性)
・Wellness(ウェルネス=心身の健康)

Purpose(パーパス=存在意義)
個人と会社との「Purpose(存在意義)」につながりを見いだし、自分の意義を感じられること

Authenticity(オーセンティシティー=自分らしさ)
自分らしく仕事が行えること。仕事の進め方に自由度があり、ある程度コントロール権がある状態のこと。

Relationship(リレーションシップ=関係性)
いっしょに働く人々とよい人間関係を築き、協力し合いながら働けること。

Wellness(ウェルネス=心身の健康)
上記3点を下支えするために必要不可欠な要素。

ーーーーーーーーーーー

社員や組織の幸福度が高まれば、国や社会・組織・個人の創造性や生産性が高まると、本書の最後で締めくくっていました。

学術論文や最新の研究データを元に、会社の発展のために「幸せであること」が重要で、幸せを感じるためには「存在意義が必要であること」が書かれていました。

読んだ感想としては、企業の従業員満足度(※満足度高→幸せ→意義づけにはつながらない)が高いことだけが重要なのではなく、「幸せ」を追求するための1つの要素であることは理解できました。

ただ、「しあわせ」という、という漠然としたテーマを語るには、まだまだ論理的には検証が不十分であると感じたこと、また「幸せ」は醸成するものではなく、企業や組織の健全な運営の元、自然的に発生するものだとも思いました。

「幸せ」という表現が抽象的なので、いったんさておき、「企業の存在意義」と「個人の存在意義」のつながりが重要だということは、非常に学びになりました。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?